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取材構成●江藤高志
photo by  木島洋和
■三浦知良(ヴィッセル神戸/FW)特別インタビュー
インタビュアー:江藤高志

―前年までに6度。今年選ばれれば7度目となりますが、オールスター選出回数についてお聞かせください。

三浦知良(以下、カズ)
「そんなに選ばれてる?僕は2〜3回日本にいなかったりクロアチアにも行ってるし、オールスターは今年で11回目でしょ。それで7回選出ならすごいよね、ファンの支持を得て、毎回オールスターに呼ばれて出場できるのは喜ばしいことですし。僕のシーズンの考え方としてスケジュールの中にも入れているので。

毎回ファンの人たちが一生懸命投票してくれるということに対して、ものすごく喜ばしいことであり感謝しています。そういう意味では、ぼくはオールスターは遊びじゃないと思っています。真剣勝負で、自分の持てる技術を出す、ということをやっぱりもっと選手がしていかないといけないと毎年思いますけどね。どうも、みんなオールスターだと遊びの要素が強くなってしまって、普段のリーグ戦よりもなんかこう、遠慮してやってる選手もたくさんいるんだよね。まあもちろん攻め合いになるのが一番いいんだけど、両チームがもっと勝負にこだわって攻め合う姿勢ってのがあってもいいと思いますけどね」


photo by 木島洋和
―それはやっぱり、外国人選手が持っている勝負に対するこだわり、ということを身近に見てきたカズさんだからいえることなんでしょうか?

カズ
「そうですね、海外での経験も含めて、当時のヴェルディの選手、柱谷(哲二)さんやラモスさんとか、あの人たちはオールスターも含めて負けるのを嫌がっていましたから。常に勝つことにこだわっていたね。そういう先輩達がいたし、もちろん海外での経験も外国のリーグの人たちは本当に紅白戦だろうがなんだろうが本当に勝ちにこだわってやっているのでね。そういう意味ではオールスターというのは、出来るだけ技術を出しながら、持てる技術を存分に出しながら、また楽しみながら、本当に一番失敗を恐れずに自分の技術を出せる、見せれる場なのでもっともっと積極的に全員が勝負にこだわりながら自分の持てる技術を出すべきだと思います。僕はそういうつもりでやっていますけど」


―今年もファン投票で上位につけているのですが、そういう多くの投票してくれるファンに対する気持ちについてお聞かせ願えますか。

カズ
「そうですね、もうずっと長くJリーグにいまして、現在でもそういうオールスター投票結果に顔を出すというのを、毎年継続していくということは大事だと思いますね。自分だけの力だけではオールスターには出られないわけで、ファンの皆さんの投票があって出られるわけですから、そういう意味で自分自身すごく感激していますし、ファンの皆さんには心の底から感謝したいと思っています。その感謝というものをグラウンドでのプレーで見せたいと思いますね。カズファンを含めてね、サッカーファンにちゃんと見せて行きたいと思います」
―93年に第1回の大会で2ゴールを決められてMVPをとられているんですが、このときのプレーについて振り返っていただければと思うんですが。

カズ
「あの時は神戸だったと思うんですが、中盤もリトバルスキー、ラモスさん、木村和司さん、サントスということで本当に豪華なメンバーで構成されていて、あとFWは僕と武田(修宏)とで。両者ともヴェルディのメンバーだったのでやりやすさもありましたし、先ほど挙げた中盤の人のパスワークっていうのもね。

今、黄金の中盤と代表で言われていますが、それこそあの時は本当に黄金の中盤って当時オールスターで言われたと思うんです。そういうメンバーから繰り出されるパスというのは非常に芸術的だったと思いますし、なおかつ個性的そしてダイナミックでした。そういう意味ではFWとしては非常に楽にできた。やはりFWというのは合わせてもらうというか、使ってもらう方なので走れば出てくるし、もらいに行けば出してくれるし、その辺で自由自在に僕らの動きをコントロールしてもらった、ということで僕らはすごく楽だったんじゃないかと思います」


―中盤からのいいパスがあったからこその2ゴールだと。

カズ
「もちろん。自分のゴールはすべて人から来るものですからね。自分の力だけではないので」


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―今までオールスターでは4ゴール決めているんですが、一番記憶に残っている好きだったゴールというのはどれでしょうか。

カズ
「うーん、全部好きですよ。その中でも第1回目の1点目、2点目というのは非常によかったと思いますし、なおかつ名古屋でやった豊田スタジアム(2001年)で決めたゴールというのも自分自身のゴールというか組み立てのすばらしさが印象に残っていますけど」




―6回出場されている中で、カズさんがゴールにかかわっていないプレーも含めて印象深かったプレーというのは何かありますか?

カズ
「さー、どうですかね。細かいところはあまり印象に残っていないな。でも去年なんかも非常に良い感じでドリブルでいけました。やっぱり、自分というのはドリブルでボールにさわってリズムを作るタイプで、そういう意味でドリブルが自分自身うまく出来たときは調子いい時なんです。リズムのあるドリブルというのは、印象というか持ち味が良く出ているプレーだと思いますけど」


―ドリブルが出来ている時のプレーを見てくれと。

カズ
「ドリブルがいいリズムで出来ている時のプレー。それだけ自分にボールが集まっているということでもありますからね」


―ファンの皆さんに対して「オールスターの楽しみ方」みたいなものをプレーヤーの立場からアドバイスいただけますか。

カズ
「やはりクラブチーム、または代表とは違った組み合わせが見られるということでしょう。まあ、今回まだ誰が選ばれてくるのかわからないので、今の時点ではなんともいえないんだけど。(笑)去年で言えば高原(直泰)と僕の2トップが見られたり、高原と黒部(光昭)の2トップが見られたりとか、日本代表ということで言えば、僕と高原とのコンビは今では見られないわけですから、そういうコンビも見られる楽しみがあると思う。名波(浩)と僕らの組み合わせとか、やはりいろんな組み合わせがオールスターでは見られるよね。

日本代表でもなくクラブチームでもない、ファンが選んだベスト11がプレーするのでね、皆さんの想像が膨らむような組み合わせが見られて楽しいんじゃないかと思いますけど」


photo by 木島洋和
―今まで組んでこられて、この人たちとは楽しかったなぁという選手はいますか?

カズ
「そうですね。去年の高原なんかはやっぱりやりやすかったですね」


―どういう部分がやりやすかったんでしょうか?

カズ
「やはり高い戦術と、高い技術の中から出る阿吽(あ・うん)の呼吸というか。ぼくも高原とコンビを組むのが初めてに近い状態だったけど、やはりパスを出してワンツーをやる瞬間に自分の足元にボールが帰ってくる、そういうコンビネーションみたいなのが、練習をしていなくても出るというのは相当高い技術を持っている証拠ですよね。

また僕のためにスペースを空ける、僕の視野の中に入ってくる、いろんなバリエーションを自分の中で持っているので非常にやりやすかったのを覚えていますし、高原は良い選手だなということを思いました。あとはもちろんゴン(中山雅史)なんかはね、日本代表でしょっちゅうやっていましたから、それこそ阿吽の呼吸で、彼とはいつもコミュニケーションをとりながらダイナミックに二人で動いて楽しくやっていました」


―そういう古くからの選手とは楽しんでやることも多いんですか?

カズ
「そうですね。相手が古くからずっと一緒にやってきた仲間もそうですし、もちろん新しい若い伸び盛りの選手とやるのも楽しいです。自分がプレーすることの喜びを感じながらできればそれに越したことはないと思います」


―コンフェデレーションズカップなどで大久保(嘉人)選手などが評価を集めているのですが、今一番プレーしてみたい若手というのを教えていただけますか?

カズ
「大久保選手もそうですし、松井大輔選手あたりも京都時代に一緒にやってますから素晴らしい選手だということはわかってるので、誰というよりはみんなとやってみたいですね。

今、代表で大久保選手は高原選手とコンフェデレーションズカップで組んでいたけど、大久保選手とやったら僕がさらに彼を生かせると思うし、彼も僕を生かしてくれるというのは期待できると思います」


―新しいイマジネーションを与えてくれるというか。

カズ
「彼から得るものは多いんじゃないかな」


―オールスターは代表でもクラブでもないといわれていましたが、そういう雰囲気というのはどんなものなんでしょうか?

カズ
「前日から前夜祭があってホテルに入ってみんなで会話があったりとか、まあ、一緒に軽くコンディショニングの練習だけはやるんですが。とにかく楽しく和気あいあいとやっていますよ。僕は紅白歌合戦に出たことはないですが、その楽屋の雰囲気に似ているんじゃないかな(笑)僕らはどっちかというと北島三郎さんというか(笑)。ヒットチャートの上位には来なくても、CDが何枚とかということが問題じゃない「格」という事ですよ、わかる(笑)? それで大久保とかが今若手で売れてる、CDも売れてるみたいな感じかな。それでいいんじゃないですかね。(笑)」


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―前夜祭とかは羽目はずしたりするんですか(笑)?

カズ
「いやしないしない、全然全然(強く否定)。オールスターということでちょっとした食事くらいだったら外に出ることもあるかもしれませんが、普段のリーグ戦ではサッカー選手は試合前日に外に出るって習慣はないですから。オールスターとはいえ羽目をはずすことはないし、もちろんアルコールを入れることもない。終わった後はありますけど、羽目をはずすということはないですよ」



―カズさんはオールスターに対してどういう思いを持っていますか?

カズ
「やはりこういってしまうと厳しいんですが、もう少しオールスターの重みというものが出てくればいいと思う。

やはり最初のころよりは今の方がオールスターの派手さもなくなっているし、力的にいっても出なきゃならない選手が出てなかったりするところが気になる。まあ、ファンの投票なので難しいところもあると思うけど、やはり日本代表クラスの選手はある程度は入ってきていて欲しい。あと外国人選手も、最近はなかなか入ってきてないでしょ?昔は外国人選手は必ず三人、ファン投票で選ばれるし実力もあるという人が入ってきていたけど、今は外国人選手がファン投票でなかなか入ってこない。課題じゃないかなと思いますけどね。

あとは選ばれた選手が良いプレーを、自分の持ち味をどんどん出して勝ちにこだわって厳しく良い試合をやらなければならないんじゃないかな。オールスターだからこそ、それだけの責任感を持ってやるべきでしょう、だらだらっとした試合をやっちゃいけないと思う。そういう意味では両チームとも勝ちにこだわってね」


―何万人という日本のサッカー選手の中でも一番人気のある選手たちですからね。

カズ
「そうですね」


―外国人選手の話が出たんですけど。今回の特集ではピクシーのインタビューも掲載しているんですが、彼のオールスターでのプレーにどんな印象をお持ちですか?

カズ
「まあ一言でいえばアート。やはり魅せる、そして情熱と歓喜というものが彼の中にあったね。僕も二回くらい一緒だったと思うけど、敵味方両方でやってみて、芸術のオンパレードという感じだった。日本の選手もどんどん出すべきじゃないかな、彼みたいに自己主張というものを」


―今日本人選手の中でピクシー並みに自己主張できる選手は?

カズ
「Jリーグで良いプレーをしている若い選手にはいるんじゃないかな。大久保くんや松井大輔あたりも技術の高い、魅せれるプレーを持っていると思うよ。見ていておもしろいでしょ。ピクシーとの比較というと当然まだまだ難しいですけど。(笑)

ところで松井大輔はオールスターに選ばれるの?知ってる?知ってるよね(笑)?知ってるんでしょ(笑)?」


―知らないんですよ(笑)。今集計中でして(笑)。

カズ
「まあいいや(笑)。できれば今回のオールスターで僕個人としての楽しみは、松井大輔や大久保も一緒に選ばれて、その中盤で僕はやってみたい。その組み合わせでやれたら面白いかなと思います」


―今日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

(取材構成/江藤高志)
 


■1993年MVP受賞式





■「1993年、素晴らしい中盤のパス交換からのKAZUゴール!」





■「1993年、2点目のSUPERGOALを決め、カズダンスを披露!」





■「2001年、豊田スタジアムでのゴール!」





■「2002年、埼玉スタジアムでのヘッドで決めたゴール!」




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photo by 木島洋和


 ■三浦知良(みうら・かずよし)
 ★オールスター6回出場/MVP1回

 FW 1967年2月26日生まれ 176cm/72kg
 1974-1982 城内FC(静岡)
 1983-1985 静岡学園(静岡)
 1985-       サントスFC(ブラジル)ほか
 1990-1992 読売サッカークラブ
 1992-1994 ヴェルディ川崎
 1994-1995 ジェノア(イタリア)
 1995-1998 ヴェルディ川崎
 1999.1-     クロアチア・ザグレブ(クロアチア)
 1999.8-     京都パープルサンガ
 2001-       ヴィッセル神戸




ストイコビッチ選手
オールスター5回
出場/MVP3回
GO!
宮本恒靖選手
オールスター5回
出場
GO!
三浦知良選手
オールスター6回
出場/MVP1回
GO!
森島寛晃選手
オールスター6回
出場/MVP1回
GO!
中田浩二選手
オールスター3回
出場
GO!