■東京V戦力分析
東京Vにとっての対F東京戦、いわゆる「東京ダービー」は過去重要な意味合いを持つゲームが多い。例えば2001年の最終戦。これで負ければJ2降格というシチュエーションで東京Vが競り勝ったこの試合を、チーム関係者は「しびれる試合だった」と鮮明に記憶しているし、また昨年のナビスコカップ準決勝では結果的には敗れたものの、3点のビハインド、数的不利という状況の中一度は追い付くという劇的な内容。この試合をMF相馬は後に「印象深いゲーム」のひとつとして挙げており、これで自信を付けたチームはその後天皇杯優勝に輝いたのだった。そして今回の対戦では「降格圏脱出」を賭け、東京ダービーに臨む。
今季の前回の対戦はスコアレスドロー。大量失点を繰り返した直後の試合だっただけに、まず「失点しないこと」を念頭に置いた戦いだった。勝ち点3が必須の今回の対戦では、前回とはまた違う戦い方を模索することになるだろう。
ここ数試合守備の安定が著しいF東京とは「カウンター」対「ポゼッション」の戦い。
まず守備を固めカウンターを狙うF東京に対し、どれだけ東京Vが怖がらずに高い位置でボールをキープすることができるか鍵だ。前線のワシントンにボールが収まれば、そこでタメができる。相馬、山田の両サイドやトップ下のジウ、森本らが素早くサポートに入ることができれば、ゴール前でのチャンスは多くなるだろう。
特に、今回ポイントとなるのはサイドの攻防だ。東京Vが通常の3−5−2、F東京が4−5−1のシステムで戦うならば、攻守の鍵はサイドであることは一目瞭然。こちらの3バックのサイドのスペースを突きにくるF東京に対し、相馬や山田が守備に追われズルズルと下がり5バックのような状況になってしまうと苦しくなる。
今週の練習を見ると、今節は4バックの布陣を敷く可能性が高いが、いずれにしても左サイド・相馬がF東京の右サイド栗澤や右サイドバック藤山、右サイド・山田がF東京の左サイド戸田や左サイドバック金沢らとどう対峙していくかが試合展開を左右する重要なファクターだ。もちろん、F東京の1トップ・ルーカスや飛び出してくる周囲の選手に対するDFの役割分担もはっきりとしておく必要がある。前がかりになり過ぎるのもリスクは大きいが、先に失点をしてしまうと特に現在のチーム状況では心理面の建て直しに時間がかかると予想されることから、積極的に早い時間帯での得点を狙いたい。キャプテン山田の言う「激しいゲーム」を見せてくれることを期待しよう。
以上
Reported by 高木聖佳
■F東京戦力分析
今回のダービーは味スタをアウェイチームとして戦うFC東京。サポーターはいつもと逆のゴール裏に陣取り応援をすることになる…これもまさにダービーならではの光景だろう。いつもと逆のゴール裏からも、ダービーの時にいつも歌われている「ヴェルディだけには負けられない」という声が響き渡ってくるはずだ。かつてのダービーの際、原監督は「ホームタウンが同じチームには負けてはいけない」と話し、F東京の下部組織で育ってきた馬場選手も、このダービーに対して「勝って『うちが東京だ』って言いたい」ということを力強く語っていた。当然、今回もその思いは変わらない。
そのヴェルディに負けないために…一番に挙げられる注意すべき選手は、FWワシントン選手だろう。27節終了時点で、得点ランキング2位、21得点をあげているワシントン選手の決定力は脅威だ。いかに彼に仕事をさせないか…F東京のDF・茂庭選手、ジャーン選手の守備に大注目だ。
ダービーに関わらず特に最近、F東京の原監督が強調するのが「相手がどうこうよりも、いかにうちのサッカーが出来るか」というポイント。中でも、「いかにサイド攻撃が機能するか」ということが強調されるが、そんな中、東京Vの左サイド相馬選手も要注意すべき選手だろう。その相馬選手とマッチアップするF東京の右サイドバックには、故障で出場が難しい状況にある加地選手に代わって、ベテランの藤山選手が入る可能性が高そうだ。両サイドバック、センターバック…と、故障者が相次ぐDFラインの中で、F東京にとって彼の存在がどれだけ大きいことか…チーム所属年数も一番長い藤山選手は、まさにMr東京と言っても過言ではない存在感だ。このダービーにも長年クラブを見続けてきた藤山選手だからこその思いがある。「どこでやるか…ポジションは毎回変わるけど、その場所でベストのパフォーマンスを出すだけですよ…」と笑顔を見せるが、その内に秘めた闘志は強い。自分にとっても、クラブにとっても譲れない戦いとなってくる。
以上
Reported by 日々野真理
