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今季ベストマッチ

アビスパ福岡
公式記録

福岡 2 - 1 京都
8月20日(土) 2005 J2リーグ戦 第27節
(19:04/博多球/13,348人)
 得点者:'51 アレックス(福岡)、'64 田中佑昌(福岡)、'78 パウリーニョ(京都)


自分たちの目指す方向性が正しかったことを証明した試合



 個人の強さを前面に押し出して戦う京都は、組織で戦う福岡の対極にあるチーム。J1昇格争いのライバルであることを差し置いても、福岡にとっては勝っておかなければならない相手だ。しかし、今シーズン最初の対戦となった第9節では10人になった京都に守備を固められてスコアレスドロー。続く第16節の対戦では、組織力で上回りながら、最後はパウリーニョの個の力にねじ伏せられた。そして博多の森で迎えた第27節、福岡は必勝を期してピッチに立った。

 試合のポイントは、福岡の組織力が京都の個の力を凌駕出来るかどうかにあった。予想通り、京都はロングボールを放り込んで前の選手に攻撃を任せ、残る選手は守備組織を整えて福岡に攻めさせない戦術。そんな京都の前に、福岡の守備陣は慌てることはなかったが、その代わり、自慢の組織力を封じられて何もさせてもらえないままに時間が過ぎた。これこそ京都の狙いとする展開。福岡は京都の術中にはめられたかに見えた。

 しかし、後半に入ると福岡は一気に流れを引き寄せる。京都のバイタルエリアの守備が甘いと見ると、下がってボールを受けるグラウシオと、ホベルトと縦の位置関係を保つ山形恭平が、このスペースに侵入して起点を作る。この動きが福岡の組織力を一気に引き出した。2トップと両ワイド、そして山形を加えた5人が頻繁にポジションチェンジを繰り返してサイドから攻め上がる福岡のサッカーが京都を翻弄。そして51分にアレックスが、64分には田中がゴールネットを揺らした。

 この試合のもうひとつのポイントは、京都の個の力を封じきれるかということだった。とにかく1本でもボールが高い位置に入れば、それをゴールに結び付けてしまうのが京都の個の力。案の定、パウリーニョのポストプレーから1点を返された。しかし、GK水谷がスーパーセーブを連発。そして、猛攻を繰り出す京都を組織的な守備で守り抜いて1点のリードを守りきった。

 京都の個の力を、福岡の組織力が見事に凌駕した結果の勝ち点3。前半は苦しんだかに見えた試合も、終わってみれば福岡の狙い通りの展開だった。「いい試合が出来て、いい結果を得られた」とは試合後の松田監督の弁。2年間かけて作り上げてきた組織サッカーが強烈な個の力を抑えられることを示した。サッカーのスタイルは山ほどある。どのサッカーが正解という絶対的なものはない。けれど、福岡にとっては、自分たちのサッカーの目指す方向性が正しかったことを証明した試合だったと言える。

※キープレーヤーは得点を挙げたアレックスと田中佑昌。

◎アレックス
貴重な先制点を決めたアレックス。左SBながら豊富な運動量でいたるところに顔を出し、何度も好機を演出した。

◎田中佑昌
福岡ユース出身の田中佑昌。京都を突き放す2点目は、その大きな才能を感じさせるゴールだった。

Reported by 中倉一志