モンテディオ山形
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第4クール展望
第4クール展望 こう戦う!
春から育ててきたものが花を咲かせ実を結ぶことを信じて戦う
今年、山形のホームゲームでは「これでもか」というくらいに、自然現象に悩まされた。
大量の積雪で、スタンドの一部に雪を残したままホーム開幕戦を迎えたが、昨年末に全面張り替えた芝の根付きが間に合わず、芝がはがれる中での試合となった。芝はその後も回復が遅れ、4月16日の第7節では遂に、会場をJヴィレッジに移しての県外開催となった。
6月4日の第15節・京都戦では、雷雨でハーフタイムが約30分延長。8月20日の札幌戦ではやはり雷雨の影響で試合が順延となり、翌月に代替試合を組み込むことを余儀なくされた。
自然が与えたもうたこれらの事変が、いったい何を暗示しているのか? いろいろ考えをめぐらすのもサッカー観戦の楽しみのひとつかもしれないが、その中で、これらとはまた性質の違う怪現象(?)が起きていた。それは、長期間ホームで勝利に見離されたこと。
5月7日の札幌戦での勝利を最後に、8月31日の第29節・水戸戦まで8試合、115日間の空白が生じた。下位に低迷するチームなら珍しい話でもないが、一度6位まで順位を下げたとはいえ昇格争いに絡む中での話。しかも、この間のアウェイでは4勝3分け1敗とまずまずの結果を残している。ホームで勝てない原因について、鈴木淳監督は「理由はないです」と単なる巡り合わせの問題であることを強調した。恐らく、その説明に間違いはないだろう。しかし、それを生み出した背景は確かに存在する。「決定力不足」である。
昨年は最終節まで福岡と「J1・J2入れ替え戦」進出の座を争った山形。その当時の先発メンバーから2トップと両サイドハーフがチームを離れたことで、シーズン前から攻撃面を不安視する声が多かった。補強は、各年代の代表歴を持つ若い選手を中心に行われた。その結果、パスを素早くつなぐ展開は昨年以上に洗練され、「人も動き、ボールも動く」スタイルをさらに押し進めることには成功している。一方で、その成果が得点に結びついていれば、ここまで苦まずに済んだ、とも言える。
原竜太や佐々木勇人など、新戦力の活躍で第1クールを勝ち点19の2位で折り返した後の第2クール、その勢いに急激なブレーキが掛かる。先制した後、追加点を取りにさらに攻め立てるが決めきれず、挙げ句に追いつかれるという試合が続いていた。決定力不足と、耐えきれない守備。特に決定力不足は深刻で、21対8とシュート数で圧倒的に上回りながらも0−0に終わった第18節の仙台戦は、その象徴だった。結局、第2クールの勝ち点は12にとどまる。試合後の鈴木監督の会見で、「内容はよかったが、結果が伴わなかった」「あとはゴール前の精度の問題」という言葉が繰り返されたのもこの時期。昨年22得点を挙げた大島秀夫の穴をいちばん大きく感じる時期でもあった。
そうした第2クールを受けて、2週間の中断期間に多くの時間を割いたのは守備だった。1対1で負けないことは大前提。そのうえで、数的に優位な場合や、逆に不利な場合など、さまざまなシチュエーションの中で、いかに連携を取りながら相手の攻撃を防ぐかを細かくチェックした。攻撃に関しても諦めたわけではない。数人でパスを回しながら最後にシュートで終わる練習は継続して行われている。しかし、「決定力、ゴール前の精度はすぐに上がるものではない」と、この部分について鈴木監督は“長期戦”を覚悟していた。その代わり、「決定力がないなら、もっと多くの決定機をつくり出せばいい」という発想のもと、ゴール前にボールを運ぶための攻撃力に一層の磨きをかけていった。
第3クールは、立て直した守備が勝ち点19獲得の牽引役を果たした。無失点が5試合。決定力不足は相変わらずだったが、「失点しなければ負けることはない」とモチベーションを保ち続け、札幌との代替試合によって、7日間で3試合をこなす苦しい日程も2勝1分けと乗り切った。そうした中で、スーパーサブ林晃平のロスタイム決勝ゴール(第25節・横浜FC戦)や、Jリーグデビュー戦で決勝点をもぎ取った田中康平の活躍(第27節・札幌戦)は、フォワードの競争意識を高めるだけでなく、ベンチ外の選手を含めたチーム全体の志気を高めた。
決定力不足が言われ続けてきた今季の山形だが、じつは第3クール終了時点のゴール数は昨年の42点に対して41点と、1点少なくなっただけというデータがある。また勝ち点でも、昨年51、今年50と、1点少ないだけ。数字だけを見れば、昨年並みの成績は残している。
しかし、「昨年並み」では昇格はできない。
数字上の可能性が残されている限り自動昇格をめざすべきではあるが、2位福岡との勝ち点8差は、客観的に見ればかなり厳しい数字だ。かと言って、第3クール終了時点の3位という位置も、容易にキープできるものではない。勝ち点差が接近している4位以下のチームも、まずは3位をとらえようと猛追してくる。
山形には、今以上の何かが切実に求められている。しかし結局は、これまで続けてきたことを、今後さらに続けていくしかない。1にも2にも継続。そのなかで、春から育ててきたものが花を咲かせ、実を結ぶことを信じるしかない。自分たちを信じることができなければ、昇格の資格を言う前に、戦う資格だってないのだから。
Reported by 佐藤円
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