コンサドーレ札幌
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第4クール展望
第4クール展望 こう戦う!
5段階計画の2年目において、札幌の基盤が築かれてきたのかを問う
札幌の全勝点46のうち、第2クールで積み上げた勝点が22(第1クールは11、第3クールは13)。全勝点のおよそ半分を第2クールで稼いだことになる。
その第2クール初戦の、第12節・水戸戦(5月14日・厚別)の様子は今でも忘れられない。試合の5日前にクラブの不祥事が起こり、雰囲気は重かった。ゴール裏サポーター有志は、試合前に一時退場してスタンドに空席を作ることで、観客が減ったらこうなる、皆で危機感を持ち、そして応援しようという行動を示した。
試合は2対0で札幌の勝利。先発で出場した選手会長の田畑は振り返る。
「いろいろな意味であの時の勝利は大きかった。あそこで勝つか負けるかで、チームだけでなくコンサドーレ全体として違った結果になったと思う」
水戸戦を前に、田畑は主将の和波と、選手同士で集まろうかと相談したとのことだが、「柳下監督が『グラウンドで結果を出そう』と言ったことで、皆がまとまった」(田畑)。そして、昨年は連勝のなかった札幌が、この試合から3連勝となった。
守備陣は、林が第2クール初戦から正GKになり、DFでは3バック中央の曽田こそ固定されていたが、池内、加賀、西澤、西嶋の競争があり、ミスをしたら代えられるといういい緊張感が続いて、引き締まった。
そして攻撃陣は、2年目・上里の台頭が特筆ものだった。攻守に多く絡み、パスだけでなくときには積極的なシュートも放ち、2得点6アシストの成績を残した。
田畑が「第2クールは苦しい時でもしのいできて、少ないチャンスをものにした」と語るように、躍進の最中でも被決定機は多かった。そこを相手のシュートミスに助けられたり守備の踏ん張りがあって、1試合ごとを戦ってきた。
うってかわって第3クールは「多く攻めているけど点が取れない」(田畑)。FWにデルリスが加入したものの、デルリスと周囲とのコンビネーションが未だ合わず、第1〜2クールは水戸で8得点をとったデルリスの札幌での得点はわずか1。第3クール終了時点でチーム得点36はリーグ8位という少なさ。得点力は上がらなかった。
そして数少ない被決定機で失点し、勝点を落とすという試合も増えた。砂川の8月中の離脱や上里の8月下旬以降の長期離脱などケガに泣かされた面はあるものの、昨季の最下位から今季の最高3位という急激な順位アップのわりには、まだそこまでのチーム力のアップは伴っていないという証だろう。危うい局面も相手のミスであいまいになっていたチームの未構築ぶりが、第3クール終盤の鳥栖、山形、福岡、京都に4連敗を喫した頃には露わになったというところだ。
柳下監督は「試合内容は第1クールの方が良かった。今でも同じミスをまだ繰り返す」と第3クール終了前に語っていた。選手が自ら考えて、同じミスをしないようレベルアップしていく自覚が第4クール直前に至ってもまだ足りないことを課題としている。このあたりが、第3クールまでは隠れていた脆さの根底にあるものなのだろう。
第4クールは一年間かけて積み上げた事がものをいう。昇格争いに残ろうという意欲が、焦ってミスが出たり連係が薄くなるという空回りにつながるのは避けたい。
キャンプ時に柳下監督が掲げた「アクション&ムービング」という言葉を思い出そう。もともと札幌がやろうとしていたのは、攻守共に先手を打って動き、ボールサイドで数的優位を作って相手を崩すという戦い方のはずだ。池内が「今までやってきたことと違う方向のことをできるわけがない」というように、今季終盤の再躍進、そして来季以降につなげるためには、もう一度足元を見つめ直すことだろう。
浦和から期限付き移籍でMF西谷を第3クール最終節から選手登録し、薄くなっている中盤の補強を図っているが、肝心なのはベース。5段階計画の2年目において、本当に札幌の基盤が築かれてきたのかが問われる。10月以降はそんな時期だ。
Reported by 永井謙一郎