ベガルタ仙台
今季ベストマッチ
公式記録
仙台 3 - 1 京都
7月9日(土) 2005 J2リーグ戦 第20節
得点者:'32 シルビーニョ(仙台)、'70 星大輔(京都)、'73 梁勇基(仙台)、'85 梁勇基(仙台)

仙台にとってホームゲームとはどうあるべきかを思い出した
シーズン序盤、仙台はホームで勝てなかった。自分たちが絶対のアドバンテージと思っていたはずの仙台スタジアムで続いた不甲斐ない試合…サポーターのフラストレーションが溜まるのも、ある意味仕方のないことだったといえる。
だが第2クールのホーム成績はどうか。甲府、札幌、水戸、京都、草津と、なんと5試合全勝。その分アウェーで1勝しか出来なかったことには目をつむるとして、チームも、そしてサポーターも「仙台にとって、ホームゲームとはどうあるべきか」を思い出した時期が、第2クールであった。
それが最も表れた試合、同時に今季のベストマッチとして、7月9日、首位の京都をホームに迎えた第20節を挙げたい。
第1クールでは、本来それを味方にするべき仙台の指揮官、都並監督から「声援が選手たちにプレッシャーとなった」という言葉が飛び出したように、何故か仙台スタジアムで萎縮しまくっていた仙台の選手たち。だが第2クールでの戦いぶりは、どれも自信に溢れたもの。この日も首位、そしてJ2最強の攻撃力を誇る京都相手に臆することなく挑み、両サイドを大きく、また深く使ったパス回しで、京都を押し込んでいく。序盤から前がかり気味の仙台の裏を突き、京都が前半13分に迎えた米田の決定機をものにしていれば、ともすれば仙台は大敗をする可能性もあったが、シュートは外れ仙台は命拾い。しかし幸運にあぐらをかくことなく、さらに仙台は攻め、ついには前半32分、バロンとGK平井が交錯して生まれたこぼれ球をシルビーニョが押し込んで先制する。
だがこの激しい攻勢は、仙台にとってある危険性もはらんでいた。それは「燃料切れ」。事実、徐々に仙台の選手から、攻撃へ出る一歩、相手にアプローチする一歩の速さが奪われ始める。
そして許した一撃。後半25分、CKのこぼれ球がゴール正面の京都、星の足元へ。仙台の選手も皆コースを塞ぎにかかるが、無情にも星のシュートは黄金の壁をすり抜け、ネットへ吸い込まれる。この時点で、余力を残しているのは京都。仙台の選手が、ゴール前で次々へたり込む。ピッチ上で実際に戦っていた選手たちだからこそ、このゴールがいかに「痛恨の一撃」だったか理解しているのだろう。
その時だ。ホームのサポーターが淡々と、だが力強く、仙台のチームコールを始めた。それは瞬時に、スタジアム全体を包む。顔を上げる選手たち。このまま時間が経てば経つほど、仙台の不利は強まっていく。再度突き放すには、早い方がよい。まるで選手たちに、そのことを伝えるかのような、意思を持った声だった。
同点ゴールからわずか3分後。スタジアム中の想いは報われる。シルビーニョのFKをバロンが頭でとらえ、相手に当たり舞い上がったこぼれ球を、今度は梁が頭でゴールへ流し入れた。
再びリードを奪った仙台、もう同じ轍は踏まない。残り時間が刻一刻と減る中、サポーターもテンションを緩めず声援を送る。そして最後、後半40分に、梁がカウンターからスーパーミドルを叩き込み3−1。サポーターへの御褒美ともいえるこのゴールで、雨中の熱戦に決着がついた。
冒頭に書いた「仙台にとって、ホームゲームとはどうあるべきか」という意味。それを無理やり言葉にすれば「選手とサポーターが、キックオフから共に力を出し惜しみすることなく挑み、互いが互いを盛り上げながら、90分を走り切ってしまう」ということ。そこに、アウェーチームの入り込む余地はない。同点ゴールを上げながら、たたみかけるタイミングをすぐに握りつぶされた、この日の京都のように。
第4クール、仙台のホームゲームは残り5つ。共闘は、まだ続く。
Reported by 佐々木聡