徳島ヴォルティス徳島ヴォルティス


第4クール展望 こう戦う!

J1昇格。目標はこれ以外無いし、残り全勝を目指して戦う



 長いと思っていた44試合のリーグ戦も第3クールを終え、残すは第4クールの11試合だけとなった。今シーズンからJ2に参入した徳島のこれまでの戦績は9勝14分10敗で7位。健闘していると言ってよいだろう。

シーズン前半は歯がゆいゲームの連続であった。とにかくそれは「勝ちきれない」という表現に集約されている。現在14試合ある引き分けは山形と並んでリーグトップ。「14引き分けのうち、ひとつでも勝っていたら・・・」とは、サポーターの誰もが思うところだ。ただ、第3クールを迎えてからはその点に変化が現れ始めた。第1クールは2勝6分3敗、第2クールは2勝5分4敗とリーグ前半戦の小計では試合数の半分を引き分けているが、一転、第3クールでは5勝3分3敗と勝ちが先行してきた。いくつかの理由が考えられるが、一番大きいのは、後半立ち上がりの失点が減ってきたことだろう。45分から59分までの15分間は徳島にとって魔の時間帯。その時間帯の14失点は時間別で見ても断トツに多い。「何故だか判らない。逆に教えてほしい。これだけ意識しているのに。」と、第2クール途中でキャプテン・谷池は嘆いたほどだ。0−0で折り返しても早い時間帯に先行されたり、リードしていても後半すぐに追いつかれたりして、残りの30分以上をある種のプレッシャーや焦りと共に戦う中では、チーム本来のポテンシャルを発揮することも難しいだろう。

では、変化の理由は・・・・。それは時間帯による戦術の変更ではないだろうか。「早いパス回しからサイド攻撃」がチームの基本戦術だが、これまでは点差や時間帯にかかわらずそれを貫き通したところに、ハーフタイムで修正してきた相手チームの思惑がハマり失点を喫していたように思う。それが第3クールに入ってから、危険な時間帯では長いボールを意図的に多用する「セーフティーファースト」を選択し、ゲームを落ち着かせてからまたパスサッカーに移行していくというゲームプランを立てられるようになった。それもただ闇雲に大きく前にフィードするだけでなく、チーム全体がそれを理解し、そうすることを予測した動きを個々が連動させていくという具合にだ。そしてそれがサッカーの質を変化させ相手の狙い所をかわして失点を防ぎ、揺さぶりをかけることにも成功をもたらした。

これは大きな変化であると同時に、大きな進歩でもある。

次節からはいよいよ最終の第4クールに入る。先が見えてきたこの第4クールでは、各チームともこれまでにも増して勝ち点奪取に執念を燃やしてくることは必至。過去の対戦成績やチーム成績は関係の無いくらいにだ。そんな中、徳島としては第3クールの流れをそのままに、ひとつでも多くの勝ち点を積み上げていきたいところであろう。要素はある。開幕当初から悩まされている多くの怪我人問題についても、その留守を守ったバックアップの選手達が実戦の経験を積み大きく成長しているし、怪我をしていた選手達も徐々に復帰のメドが立ってきた。いい意味でのチーム内競争も生まれている。「J1昇格。目標はこれ以外無いし、残り全勝を目指して戦う。」と大黒柱の秋葉も言っている通り、チームは心身ともに充実の秋を迎えそうだ。

大いなる進歩を遂げた今の徳島なら、期待通りの熱い戦いを披露してくれるに違いない。

Reported by 松下英樹