ニューヒーロー賞:谷口博之選手インタビュー

谷口博之選手インタビュー

ヤマザキナビスコカップで準決勝進出を決めた川崎Fの原動力のひとつが谷口博之である。関塚監督は「攻撃的センスを持ちながら、人への強さを持っている」と説明するが、実際自陣ゴール前での厳しいチェックで相手チームの攻撃の芽をつみ取っていたかと思うと、次の局面では相手陣内のペナルティエリアまで攻め上がる、というダイナミックな動きを見せている。攻守の切り替えの早さでチームに貢献する姿勢が評価され、7月25日に発表されたU-21日本代表候補にも名を連ねている。

J1の1年目であれだけできたという経験が大きかった。 

Q:まず今季ここまでののプレーを振り返っていただこうと思います。はじめの頃はかなり自由にやっていたと思うのですが、そこからある程度約束事が決められてきたような印象を受けます。そのあたりはいかがですか?
谷口博之選手インタビュー風景「昨年と比べるといろいろな事(約束事)をやっている気がします。(プレーに対する)慣れもあるんですかね」
Q:中村(憲剛)選手との関係で、ここまではOKという範囲がかなり明確に掴めてきている感じなんでしょうか?
「そうですね。ケンゴさんが頑張ってくれています。あとは後ろ3枚(最終ラインの3人)で(相手攻撃を)見てもらっても、心配ないという事もあるかもしれませんが・・・」
Q:2人抜かれても、まだ後ろ3枚が残っているという安心感はあると?
「そうですね。でもなるべくそういう事はないようにはしていますが・・・」
Q:ボランチでの前後に動く動きというのは、谷口選手の中ではやりやすいですか?
「ケンゴさんが気を遣ってくれているのでやりやすいです。お互いにいいところを出し合えているんじゃないかと思っています」
Q:世界とか、ヨーロッパのクラブチームでもいいんですが、目標にしているボランチコンビというのはあるんでしょうか?
「ケンゴさんはピルロって言っていたので、僕はガットゥーゾみたいな感じですかねぇ(笑)。そんな大きなことは言えないですけど・・・まぁでも目指せガットゥーゾです!」
Q:今季ここまでは調子よくできているという感じですか?
「そうですね、結果も出ていますしね、監督がやっていることも理解できていますね」
Q:今季は出場停止の1試合を除けば、全試合先発出場しているんですが、充実感はありますか?
「充実感というのはまだないですが、1試合1試合頑張ってきた結果なので良かったです」
Q:監督にしてみれば確実にファーストチョイスな存在だと思うのですが、そういう信頼感は感じますか?
「出させてもらっているので、はい(笑)」
Q:谷口選手の中で今季は何が変わったんでしょうか?
「J1の1年目にあれだけできたという経験は大きいと思いますね。上位と対戦してもそんなに引けを取らなかったし、互角の戦いができたと思いますから、それが2年目になって自信になっているんじゃないかと思います」
Q:現在チームは好調なんですが、リーグ戦中断期にマルクス選手が退団してしまいました。谷口選手が一番絡む選手だったと思うのですがそれについては?
「そうですね。2年半くらい一緒にやってきて、すごいいい選手だしショックでした。慣れてもいましたし・・・」
Q:新加入したマギヌン選手とのコンビはいかがでしょう?
「まだ日本のサッカーには慣れていないのかなと思う所はありますけど、ジュニーニョが居るので、そこのコンビでなんとかやってくれるんじゃないかと思います。コンビネーションについては多少時間がかかっても仕方ないですし、慣れてくれば結果も出るんじゃないかと思いますから、そんなに心配していないです」
Q:ナビスコカップの予選リーグから準々決勝での戦いを振り返っていただきたいのですが、印象に残っている試合はありますか?
「最初の3試合くらいはあまりよくなかった気がするんですが、大分戦と鹿島戦では自分のプレーが出せたかなと思います。準々決勝の浦和戦も1戦目のアウェイの時はあまり良くなかったですけどね。ただ、2戦目にホームで2-1で勝った試合はそこそこやれたと思います」
Q:準々決勝での浦和との2試合の意味は?
「厳しい試合でしたね。1戦目で3-4で負けた時はかなり落ち込んだというか・・・すぐまた試合でしたし、気持ちを切り替えるのがきつかったです。でもその中でも勝ち切れたというのは、チームとしても個人としても成長したのかなというのはありました。大きい1勝でした」
Q:負けた後のホームでの試合はかなり気合いが入ったと。
「逆に1戦目で負けた方が良かったのかもしれないですね(笑)。次は絶対に負けたくなかったですし。2戦目は思い通りというか、いつものプレーができた、という感じですね」
Q:今大会からアウェイゴール方式が採用されましたが、それについては?
「それがいきなり(勝敗に)出ましたね。(この規定については)海外リーグみたいでいいんじゃないですか?ただ、まだ日本はホームとアウェイでそれほど大きな差はない気もしますが・・・そうでもないか(笑)。でも海外に比べたらそんなに差はないと思います」

自分が評価してもらえるのはチームがあってこそ。 

Q:ところで、ヤマザキナビスコカップにニューヒーロー賞という個人賞があるのはご存知ですか?
谷口博之選手インタビュー風景

「はい、なんとなくですけど。この賞の投票権はだれが持っているんですか?」

Q:取材記者みんなが持っています。中間発表では川崎Fからは谷口選手と、黒津選手が上位にランクインしています。
「へー。今の順位はわかるんですか?」
Q:上位12名が発表になっているだけで、順位までは明らかになっていないんです。他には内田選手(鹿島)とか、小林大選手(大宮)なども名を連ねています。
「それは厳しいなぁ(苦笑)。(改めて投票上位選手のリストをみて)山岸選手(千葉)も入っているんですね。みんな有名どころの選手だなぁ・・・投票期間は次の準決勝2試合までなんですね?」
Q:そうです。ニューヒーロー賞の中間発表で上位につけている事については?
「評価してもらえているのはすごいありがたいですね。まあでもチームの調子がいいから上位に来ているわけで、僕個人の力ではないですし、(個人賞獲得については)そんなに意識はしてないですね」
Q:これを取ってアピールできたら、その先にオリンピック代表があって、フル代表がある、という事は考えていますか?
「そうですねぇ、でもピンとこないですね。年代別の代表には呼ばれてちょこちょこ行ってましたけど、大きい大会には出た事はないですし・・・まだ想像できないですが、目標ですね」

どんな試合でも最後まできっちり残っていたい 

Q:ここまで上位につけていて、周りから「代表入り」の声とかが入りつつあるんじゃないですか?
「まあ、代表に選ばれるレベルの選手がうちのチームには一杯いますからまだ自分じゃないと思います。ケンゴさんだったり、森(勇介)さんだったりガナ(我那覇和樹)さんだったり。たとえばケンゴさんとかが選ばれると(チームも」注目してもらえるし、頑張ってほしいですね(笑)」
Q:ご自身の実感は全然ないですか?
「まだオリンピックの世代ですし、頑張りたいですけどフル代表はまだ早いです。まだまだいい選手がいっぱいいますよ」
Q:ここまでの試合を振り返ると、フォーメーションチェンジしようという時に代えられるのは谷口選手が多いですよね?
「そうですね。負けているときに代えられるのはきついです。しょうがないというのも正直ありますけど、できれば残りたいですよね」
Q:監督に使ってもらい続ける選手になりたい?
「それがチームの中心になるって事だと思いますからね。どんな試合でも最後まできっちり残っていたいです。エネルギーの使い方がうまくないんですかね。後半バテるんですよね。逆にペース配分を考えてプレーしていたら、たまに全然動けるのに代えられる事もありますし・・・そこは難しいですね」
Q:いよいよナビスコカップは準決勝ですが、他の3チーム(鹿島、千葉、横浜FM)の中で対戦したいチームはありますか?(注:取材日は準決勝ドローイング前)
「マリノス(谷口選手はマリノスユース出身)ですね。別に決勝でもいいんですけど。ジェフには走られるからあまりやりたくないなぁ(笑)。苦手って訳じゃないですけどね」
Q:さりげなく「マリノスと対戦するのは決勝でもいい」とおっしゃいましたが、もちろん準決勝は勝ち抜くと?
「もちろんです(笑)」
Q:ではヤマザキナビスコカップ準決勝をまえにサポーターの皆さんにメッセージをお願いします。
「リーグ戦もありますが、ヤマザキナビスコカップのタイトルがかかった大事な試合になりますし、ここまで来たらリーグよりも、もしかしたらいいゲームが見られるかもしれないですから、ぜひナビスコカップも応援してほしいですね!」
以上

取材:江藤高志
取材協力:川崎フロンターレ


谷口博之選手バストアップ
■谷口博之プロフィール
  • Hiroyuki TANIGUCHI
  • 生年月日:1985年6月27日
  • 身長・体重:182cm・73kg
  • 出身地:神奈川県