FUJI XEROX SUPER CUP 2009特集

出場チーム紹介
苦しみながらもリーグ連覇を果たし、今季リーグ3連覇、ACL優勝を目指す鹿島が今季初タイトルをかけて、FUJI XEROX SUPER CUP 2009に挑む。
シーズンの開幕を告げるFUJI XEROX SUPER CUP 2009へ出場する鹿島。07年に引き続き08年もリーグ優勝し連覇を達成したとはいえ、その道のりは平坦なものではなかった。序盤こそ開幕5連勝を飾りスタートダッシュに成功したものの、ACLが併行する過密日程で主力が相次いで離脱。さらに、優勝争いが佳境を迎える直前に、主将の小笠原満男が全治6ヶ月の重傷を負ってしまった。しかし、ここで鹿島の”第3世代”と呼ばれる選手たちが奮起。岩政大樹、青木剛、中後雅喜らを中心に守備を建て直し、小笠原離脱後の9試合で失点をわずか3に抑える手堅い試合運びを見せ、追いすがるライバルチームを振り切った。
今季の始動は1月26日。第88回天皇杯がベスト16止まりだったため、例年以上に長いオフ期間を経てのスタートだった。だが、クラブハウスの練習場では、始動日前から調整を始める選手の姿がよく見られ、特に若手選手たちの仕上がりの早さは顕著だった。それもそのはず、小笠原負傷後のチームを支えた中後が、今オフで千葉にレンタル移籍。驚異的な回復を見せている小笠原が戻るまで、ポジションがひとつ空いている状態なのだ。これまでレギュラーに定着することができずにいた若い選手たちにとっては、ポジション獲得の絶好の機会と言えるだろう。
そうした姿勢は、2月2日から始まった宮崎キャンプでも変わらなかった。必死の形相でボールを奪いに走る若い選手の姿が、そこかしこで見られた。さらに、今年のキャンプは第87回全国高校サッカー選手権で大会最多得点を塗り替える10ゴールをあげた大迫勇也も新加入とあって、メディアの注目度も高かったことが、さらにモチベーションをあげていた。
4人いる新加入のなかで、最も気を吐いていたのがJ2水戸から完全移籍で加入したパク・チュホ。明るい性格で早くもチームに馴染み、先輩チームメイトにかわいがられるパクだが、ピッチに立てば闘争心をむき出しにしてボールを追いまくる。キャンプ最終日のホンダロックとの練習試合でも、最も目に付いたのはパクのパフォーマンスだった。中後の移籍で層の厚さが懸念された中盤だが、若い選手たちの競争は激しい。その競争を勝ち抜いた選手が、FUJI XEROX SUPER CUP 2009のピッチにも立っていることだろう。
チームを率いるのは3年目となるオズワルド・オリヴェイラ監督。今季は、リーグ3連覇とACL優勝という、どちらか一つだけでも難しいタイトルを両方とも獲得することに挑む。その意味で、オフに手術を受けた本山雅志が元気な姿でキャンプの練習メニューをこなし、開幕にも間に合うことになったのは、非常に心強いだろう。また、先述したとおり、小笠原に関しても、他の選手と同じメニューをほとんどこなしている。完全復帰までは秒読みの段階だ。
対戦するのは、昨季リーグ戦の対戦で、2試合ともにスコアレスドローに終わったガンバ大阪。
岩政は、FUJI XEROX SUPER CUP 2009に向けて「(G大阪とは)お互いを認め合っている相手ですので、良い力試しになると思います」とコメントしている。
3月7日のリーグ開幕戦で浦和レッズ、翌週の3月11日にACL初戦の水原三星と強豪相手の試合が続くだけに、試合結果だけでなく内容についても手応えを得たいところだ。
以上
例年にも増した大型補強を敢行したG大阪。昨年の経験を糧に、今年最初のタイトルマッチ、FUJI XEROX SUPER CUP 2009で勝負に拘った戦いを示せるか。
昨年末の第88回天皇杯において、G大阪はまさに『執念』という表現がふさわしい戦いを幾度も繰り広げた。
理由はいくつかある。1つ目は純粋に、クラブとして一度も手にしていない天皇杯を掴みたいという思い。2つ目は、リーグ戦を不本意な成績で終えたことで手に出来なかった2009ACLへの出場権を掴みたいという意欲。そして直近まで世界レベルの、FIFAクラブワールドカップ2008を経験する中で掴んだ自信と『勝負』に対する拘り。そこで手にした『世界3位』の称号に対するプライド。そうした全てが各々の選手たちを掻き立て、走らせた。
正直、内容だけを見れば決して、G大阪らしい戦いが終始行われたとは言い難い。連戦の中で、選手たちの疲労は極限に達しており、一人として万全のコンディションで挑んだ選手はいなかったというのも事実だ。それでも、FIFAクラブワールドカップ2008・3位決定戦から中3日というスケジュールで行われた準々決勝・名古屋戦を2-1で勝利すると、更に中3日で行われた準決勝・横浜FM戦では、試合中、次々と足を吊る選手が出る状況の中、延長戦の末にしぶとく勝ち切り決勝への切符を手に。まさに満身創痍の状況で挑んだ決勝も、スコアレスドローのまま迎えた延長後半。途中出場のFW播戸竜二が値千金の決勝弾を決め、天皇杯にたどり着いた。それらの戦いに見た『勝ち』に対して泥臭く、しぶとく向かって行く姿は、これまで手にした様々のタイトルにも見られなかった『執念』が宿っていた。
「ある意味、プレーしている自分たちも『自分たちらしくない戦いが出来ているな』って思っていたというか(笑)。本当にみんなが勝負に拘り続けたことが結果に繋がった大会でした。どの試合も内容的には良くなかったと思うし、時間帯によって完全に押される場面もあったんですけど、何とかそれを乗り越えれば、っていう気持ちが終始、選手たちの気持ちに宿っていたし、身体が動かないことを常に気持ちが引っ張ってくれたような感じもあった。そういう意味ではこれまでのタイトルとはまた違う、チームとしての財産、自信を手にした大会になった(ゲームキャプテンDF山口智)」
そうして2008年最後の、そして2009年最初の戦いを最高の結果で締めくくったG大阪は、天皇杯で手にした自信を胸に、2月28日(土)のFUJI XEROX SUPER CUP 2009に挑む。最大の注目ポイントは、例年にも増した大型補強が敢行された中で、8年目の指揮となる西野朗監督がどのようなガンバ大阪を完成させてくるのか、ということ。
昨年パンパシフィック選手権、ACL、天皇杯という3タイトルを手にした既存のメンバーに加え、FWレアンドロ、FWチョ・ジェジン、DF高木和道、DFパク・ドンヒョクといった新加入選手をアクセントにするのか、あるいは、即戦力としてピッチに送り込むのか。
開幕前の一次キャンプを行ったグアムの地で、西野監督は代表組の合流が遅れることも踏まえ「全員が揃っての時間が少ない中で、全部一度壊してというより、ある程度は去年をベースに考えないといけないと思っている」と話していたが、代表組が合流して行われる宮崎・綾町での二次キャンプでは4つの練習試合を予定。帰阪後もすぐにC大阪とのプレシーズンマッチが組まれており、この5つの実戦の中でいろんな組み合わせ、システムを試しながら、チームを仕上げていくことは必至。その上で、リーグ戦開幕を睨んだメンバーが、FUJI XEROX SUPER CUP 2009でも見られることになるだろう。
また、それら戦力を従え、結果に拘った戦いを示せるか、にも注目したい。今季G大阪は『SHOBU 〜そしてワールドスタンダードへ〜』をスローガンに掲げているが、過去の経験を糧に、より強豪クラブへと成長を遂げるため、常に『勝負』に拘った戦いを示せるかは今年の明暗を分けるカギでもある。いやそのことは、昨年の終盤のしびれる戦いの中で、自ら感じ取ってきたはずだ。サッカーが巧いだけでも、美しいだけでも、面白いだけでもなく、そこに強いメンタリティを宿した勝負に拘った戦いを示すこと。それが勝利に繋がるということを肌身で感じ取ったG大阪が、今年最初のタイトルマッチ、FUJI XEROX SUPER CUP 2009でもその姿を示せるか、楽しみにしている。
以上