月間MIP

J1 11月度 J'sGOAL月間MIP(12月7日発表)
ワンプレーで観客を魅了することは限られた人物にしか許されない。『ファンタジー』は多くの予想を上回ることで姿を現すからだ。しかも、優勝争いという、選手にとってもサポーターにとっても極限状態での『ファンタジー』となれば、さらにその魅力は高まる。野沢拓也は優勝争いが佳境に入る11月、2試合に渡って魔法をかけたのだ。

まずは11月21日、京都西京極(第32節)。
田代有三が頭で落としたボールを受け取り、ドリブルを入れてから右足を振り抜くと、ファーサイドを巻くような軌道を描いたシュートはポストの内側に当たりゴールへと吸い込まれていった。どんなキーパーでも触れることができない完璧なゴール。のちに練習試合で鹿島を訪れた三浦知良(横浜FC)が「ゴラッソ(素晴らしいゴール)」と表現したこの1点で、鹿島は勝点3を得ただけでなく、奪われていた首位の座を取り戻したのである。

そして11月28日、カシマスタジアム(第33節)。
興梠慎三の先制点から2分後、再び高い位置でボールを奪い相手ゴールに押し寄せる鹿島の2トップ。マルキーニョスの強烈なシュートはキーパーの正面に飛び弾かれたものの、相手のクリアを拾った野沢がゆったりとしたフォームから左足でシュートを放つと、ループ気味の軌道を描きながらまたもやファーサイドに吸い込まれていった。これには、セーブするために跳んだG大阪の藤ヶ谷陽介も手を伸ばすタイミングがなく見送ることしかできなかった。
さらにこの試合で野沢は驚愕のパフォーマンスを披露している。ブラジルでは『シャペウ(帽子)』と呼ばれるディフェンスの選手の頭の上にボールを浮かして抜く技を見せただけでなく、浮かしたボールをそのままリフティングドリブルで駈け上がるという芸当を見せたのだ。
クラブが制作するオフィシャル番組「ANTLERS REPORT」の前回放送で取り上げられた野沢拓也は、気分が盛り上がるとギター片手に歌い出す野沢の素顔が紹介されている。この場面はまさにそんな雰囲気だった。優勝を争うG大阪を3-1でリード。しかも2点目で前述したループシュートを決め、さらに3点目は自身のアシストで追いすがる相手を突き放していた。気分が乗らないわけがない。

今季リーグ戦、野沢は出場停止だった第12節を除き、すべての試合で先発出場を果たした。昨年はベンチを温めることが多かっただけに手応えの多い優勝となったことだろう。ただ、やり残したことがひとつ。 「アジアを取りたいよね」
来季の目標はすでに定まっている。

Reported by 田中滋

野沢拓也選手のインタビューはこちら 【ひかりTV連動企画】J1 11月度MIP受賞インタビュー:野沢拓也選手(鹿島):「タイトルのため、何も恐れずに戦おうと思っていた」
J1 ランキング(12月7日更新)
ポスト・バーに嫌われたシュート数(11月)
1浦和3
1神戸3
1川崎F3
4名古屋2
4G大阪2
4鹿島2
7横浜FM1
7広島1
7新潟1
7千葉1
7大分1
7F東京1
71
GKセーブ数(11月)
1八田直樹(磐田)15
2西川周作(大分)14
3岡本昌弘(千葉)10
4榎本達也(神戸)9
5山岸範宏(浦和)8
5水谷雄一(京都)8
5菅野孝憲(柏)8
5中林洋次(広島)8
5川島永嗣(川崎F)8
10権田修一(F東京)7
10江角浩司(大宮)7
10藤ヶ谷陽介(G大阪)7
10西部洋平(清水)7
ドリブル回数(11月)
1イグノ(磐田)15
1小宮山尊信(横浜FM)15
1ジュニーニョ(川崎F)15
1ペドロジュニオール(G大阪)15
5大津祐樹(柏)14
6レナチーニョ(川崎F)13
6金崎夢生(大分)13
8フェルナンジーニョ(大分)12
9内田智也(大宮)11
10山瀬功治(横浜FM)10
10谷澤達也(千葉)10
10角田誠(京都)10
10駒野友一(磐田)10
ロングゴール(年間)
1マギヌン(名古屋)

8/23,第23節

36.9m
2ポンテ(浦和)

9/19,第26節

35.2m
3マルシオリシャルデス(新潟)

7/4,第16節

33.9m
4岡田隆(磐田)

8/1,第20節

33.5m
5米本拓司(F東京)

8/29,第24節

32.9m
6石櫃洋祐(神戸)

6/21,第14節

32.7m
7栗原勇蔵(横浜FM)

11/29,第33節

32.3m
8チョジェジン(G大阪)

4/4,第4節

31.8m
9安藤淳(京都)

7/26,第19節

31.2m
10マルシオリシャルデス(新潟)

7/11,第17節

30.9m
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J2 11月度 J'sGOAL月間MIP(12月7日発表)
11月のJ2はわずか3節。しかしその中で、仙台一筋14年目のボランチ千葉直樹は出色の大活躍を見せた。

本来は守備で持ち味を発揮する選手なのだが、この月の働きにおいて特徴的だったのは、攻撃での貢献だ。仙台が7年ぶりのJ1復帰を決めたアウェイの水戸戦(第48節)では、早い時間の先制点でプレッシャーから解放されたチームをさらに安心させる追加点を、梁勇基のCKからニアで合わせて決めるという「必殺」の形でもたらした。

続く首位決戦、ユアテックスタジアム仙台でのC大阪戦(第49節)では、後半ロスタイムのさらに最後、まさにラストプレーにおいて、ゴール前に入った朴柱成の頭を見事に捉える右足アウトにかけた美しいクロスを供給。

そして第50節の徳島戦でも、梁の右からのFKに対し、ニアに入ると見せかけてマークを外し、フリーとなる冷静な動き。最後はゴール正面から悠々とヘディングを決めた。

とはいえ、やはり千葉を評価する上で、経験に裏打ちされた守備の働きに触れないわけにはいかない。中盤の底に陣取り、相手の出方や戦況を冷静に分析。そして今チームに求められている要素を的確に補完していく。今は耐え時と考えれば、最終ラインに吸収されることもいとわずにゴール前へと下がり、いわば第3のセンターバックとして高い壁を作る。
一方、反撃の時と心得れば、第3クールに入って素晴らしい相性を見せているもう一人のボランチ、富田晋伍とともに、前から積極的にボールを奪いに出て、チーム自慢のショートカウンターの起点となる。このようにボランチが勇躍できていれば、仙台が流れを手にしていると考えて間違いなかった。また、どちらかといえば千葉よりも前でプレーする機会が多い富田が「(千葉)直樹さんが後ろや近くにいてくれるから、自分はどんどん積極的にボールにチャレンジできる」と讃えるように、千葉がいるという安心感が富田の急成長を促したという側面もあった。

その上、若き頃からの泥臭さも失われてない。第49節のC大阪戦、前半の乾貴士、後半から投入された香川真司の2シャドーに対し、執念すら感じさせる食らいつきで自由を許さなかった。前述した終了間際のゴールも、C大阪の攻撃陣を封じ続けたことで決勝点となり得たことを思えば、まさにMIP級の活躍を千葉はこの大一番で見せたことになる。

悲願へ向けて突き進んだ仙台の11月、そこにはクラブの歴史を知り、このクラブがタイトルを得ることの重要性を誰よりも感じていた背番号7が中心にいた。

Reported by 佐々木聡

千葉直樹選手のインタビューはこちら 【ひかりTV連動企画】J2 11月度MIP受賞インタビュー:千葉直樹選手(仙台)
「昇格決定後、優勝という新たな目標に向けてサポーターも1つにまとまってくれた」
J2 ランキング(12月7日更新)
ポスト・バーに嫌われたシュート数(11月)
1湘南3
1鳥栖3
3福岡2
3愛媛2
3富山2
6岡山1
6岐阜1
6熊本1
6札幌1
6仙台1
6徳島1
6栃木1
6C大阪1
GKセーブ数(11月)
1山本浩正(愛媛)13
2室拓哉(鳥栖)11
3野澤洋輔(湘南)10
4林卓人(仙台)9
5大久保択生(横浜FC)8
5柴崎邦博(栃木)8
5野田恭平(岐阜)8
5六反勇治(福岡)8
9木下正貴(熊本)7
9中川雄二(富山)7
9上野秀章(徳島)7
9高原寿康(札幌)7
ドリブル回数(11月)
1エデル(横浜FC)20
2妹尾隆佑(岡山)13
3木島良輔(熊本)12
3小池純輝(草津)12
3ハファエル(札幌)12
3マルセロソアレス(仙台)12
7永里源気(東京V)11
8アジエル(湘南)10
9中村祐也(湘南)9
9酒本憲幸(C大阪)9
9石神直哉(C大阪)9
ロングゴール(年間)
1上里一将(札幌)

8/5 第32節

64.1m
2香川真司(C大阪)

7/8 第26節

45.0m
3大西容平(甲府)

3/22 第3節

41.9m
4島田裕介(鳥栖)

6/14 第21節

40.2m
5片桐淳至(岐阜)

4/19 第9節

37.8m
6柳沢将之(鳥栖)

7/22 第29節

36.2m
7高崎寛之(水戸)

6/21 第22節

34.8m
8佐田聡太郎(草津)

8/30 第36節

34.3m
9藤田健(甲府)

5/23 第17節

34.1m
10三田光(徳島)

4/19 第9節

34.0m
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MIP=Most Impressive Player
J's GOAL編集部にて、月間で最も活躍した選手をMIPとして選出しています。
そしてStats Stadiumポイントを元に、J1・J2共にベスト11を2006年10月より掲載しています。

11月度 Stats Stadium月間ベスト11 (12月7日発表)

ベスト11は月間で集計されたStats Stadiumポイントの上位選手を選出しています。(選手の本来のポジションと異なる場合があります。ご了承ください)