月間MIP

J1 8月度 J'sGOAL月間MIP(9月8日発表)
 真夏の苦しみは才気あふれるルーキーを大きく成長させた。F東京は8月、思わぬ停滞に苦しんでいた。7月25日のJ1第19節の広島戦から1ヶ月間未勝利が続いた。勝ち星から見放されたチームの中にあって、際立つ働きを見せる選手がいた。それがMF米本拓司だった。

 今季プロの門を叩いた新人選手は出場機会を掴むと、チームに欠かせない選手へと成長した。飄々とした語り口とは裏腹に、攻守の軸となってピッチでの存在感は日を追うごとに増している。

 面白いデータがある。米本は8月の「Stats Stadiumポイント」の月間ランキングで、パス系データで軒並み上位にランクインした。『接触数(435回)』『パス総数(375本)』でリーグトップに輝いている。いずれもどれだけゲームに関わったかを表す指標だ。米本が中心選手としてチームを引っ張ったかを示すデータだといえるだろう。また、『敵陣へのパス数』でもリーグ2位にランクされている。しかも、その成功率が84.2%と非常に高い。データが全ての物差しとはいえないが、この成功率の高さは、効果的な攻撃を生むクサビのボールを入れていることを証明している。

 守備的な印象の強い米本が、なぜリーグトップの数字を叩き出せたかを、隣のポジションの選手が証言してくれた。
「僕の足首(のけが)を気にしてくれて、前に出て行ってくれていた」(梶山陽平)

 チームの柱であるナンバー10の危機的状況が、ルーキーの潜在能力を開花させた。米本は「初めて会ったときから存在感が別格やった。これがオリンピック代表の10番かって思っていた。僕はボールを奪ったら隣のカジくん(梶山)に預けるだけですから」と恐縮するが、データは正直だ。そして米本は、獅子奮迅の活躍を見せた8月を締めくくる“どでかい一発”を味の素スタジアムで披露して見せた。
 F東京が約1ヶ月ぶりの勝利を飾った8月29日のリーグ第24節大分戦。後半49分、ピッチに衝撃が走った。米本は、ゴールまで飛距離32.9mを残して右足を振り抜いた。ボールは大分GK西川周作の頭上を破り、ゴールネットを激しく揺さ振った。「打ったら入っていた」と驚く喜び慣れないルーキーは何度も拳を振って「ヨッシャー」と叫び続けた。「ヨネは守備だけの選手じゃない。このチームで一番練習を重ねてきた。そういう選手だから、あそこで決められた」と、指揮官も珍しく賛辞を送った。それでも「僕なんてまだまだですよ。カジくん(梶山)はすごい。尊敬します」と坊主頭を掻く姿はルーキーのそれだが、底が知れない選手だ。

 日に焼けた肌は成長の証。この夏、確かな歩みを見せた。「アイツ、すごいぞ」。そんな声を最近よく耳にする。徐々に識者や、サポーターの間でも話題になり始めている。誰もが認める守備力と運動量、さらには攻撃センスも備えた型破りな逸材はまだまだ進化を続ける。もっと多くの人に彼のプレーを見てほしい。何年後かに「俺はルーキーのときから注目して見ていたんだ」と、自慢できるはずだから。

Reported by 馬場康平

岡崎慎司選手のインタビューはこちら 【ひかりTV連動企画】J1 8月度MIP受賞インタビュー:米本拓司選手(F東京)
「個人としての役割は果たせた。でもチームの勝利を欲して苦しんだ8月」
J1 ランキング(9月8日更新)
ポスト・バーに嫌われたシュート数(8月)
1磐田4
1鹿島4
3G大阪3
3川崎F3
3名古屋3
6F東京2
6広島2
6新潟2
6神戸2
6清水2
GKセーブ数(8月)
1清水健太(山形)29
2櫛野亮(千葉)24
3川口能活(磐田)21
4川島永嗣(川崎F)18
5菅野孝憲(柏)17
6都築龍太(浦和)15
6山本海人(清水)15
8飯倉大樹(横浜FM)14
8水谷雄一(京都)14
10楢崎正剛(名古屋)13
10松代直樹(G大阪)13
ドリブル回数(8月)
1ジュニーニョ(川崎F)40
2レアンドロ(G大阪)20
2大津祐樹(柏)20
2原口元気(浦和)20
5藤本主税(大宮)16
5ペドロジュニオール(新潟)16
7小宮山尊信(横浜FM)15
8レナチーニョ(川崎F)13
8山瀬功治(横浜FM)13
8ミキッチ(広島)13
8ラファエル(大宮)13
8イグノ(磐田)13
ロングゴール(年間)
1マギヌン(名古屋)

8/23,第23節

36.9m
2マルシオリシャルデス(新潟)

7/4,第16節

33.9m
3岡田隆(磐田)

8/1,第20節

33.5m
4米本拓司(F東京)

8/29,第24節

32.9m
5石櫃洋祐(神戸)

6/21,第14節

32.7m
6チョジェジン(G大阪)

4/4,第4節

31.8m
7安藤淳(京都)

7/26,第19節

31.2m
8マルシオリシャルデス(新潟)

7/11,第17節

30.9m
9高萩洋次郎(広島)

5/16,第12節

29.7m
10服部公太(広島)

6/21,第14節

29.7m
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J2 8月度 J'sGOAL月間MIP(9月8日発表)
 湘南・反町康治監督から贈られた言葉が、高崎寛之のすべてを物語っていると言えるだろう。「日本人にはいない三拍子が揃っている選手」。最大の賛辞である。

 敵将にそれだけ言わせるほどの凄みを高崎は見せている。188cmの身長を生かした高さと強靭なフィジカルを誇るストライカー。しかし、それだけでは他の大型ストライカーとさほど変わらない。高崎が一線を画しているのは、さらに速さがあることだ。「昔はスピードタイプの選手だったんです」と振り返るように、小学生の頃は大柄ではなく、スピードで切り裂くタイプの選手だったという。高校時代に身長が急激に伸びたことで空中戦でも強さを見せるようになり、速さに高さが加わったことで今のプレースタイルが確立することとなったのだ。万能型ストライカーだからこそ、相手DFに脅威を与えることができているのである。

 ただ、開幕から凄みを見せていたわけではない。ポストプレーヤーとして、DF裏への抜け出しを得意とする荒田智之のサポートをするのが彼の役割であった。しかし、5月2日第12節鳥栖戦で荒田が骨折して長期離脱を余儀なくされると、エースの座が高崎に回ってくることとなった。そこからチームは「高崎中心」へと変わっていった。
前線で圧倒的な強さを見せる彼に対してシンプルにボールを入れる機会が増え、そこで高崎が競り合いで勝てることで攻撃の威力が増すこととなった。ゴール前においてもこれまで荒田を狙うパスが多かったが、高崎へラストパスが送られることとなり、ゴールを量産。第12節までわずか2得点だった高崎だが、それ以降15点を挙げているように得点感覚も研ぎ澄まされていった。

 高崎が確固たる地位を獲得した中、7月29日第29節愛媛戦で荒田が復帰。2人のエースが並び立つことで水戸は驚異的な攻撃力を誇るようになり、さらに高崎の力が発揮されるようになった。8月だけで6得点を挙げる活躍。第35節C大阪戦では首位のチームを沈める値千金の決勝ゴールを決め、第36節岡山戦ではハットトリックを達成し、チームを勝利に導いた。高崎なくして今の水戸の好調は語れない。

 日々進化を遂げるストライカー。今後、J1だけでなく、日本代表入りの可能性も十分考えられる。これから、どれだけ凄みを増すことか。彼のプレーを見るだけでも水戸の試合を見る価値はある。

Reported by 佐藤拓也

高崎寛之選手のインタビューはこちら 【ひかりTV連動企画】J2 8月度MIP受賞インタビュー:高崎寛之選手(水戸)
「試合に出て、点も取れて…水戸に来てよかった」
J2 ランキング(9月8日更新)
ポスト・バーに嫌われたシュート数(8月)
1徳島5
2富山4
2岡山4
2水戸4
5仙台3
5C大阪3
5福岡3
8熊本2
8湘南2
8栃木2
8甲府2
8草津2
GKセーブ数(8月)
1李彰剛(岡山)27
2山本浩正(愛媛)21
2本間幸司(水戸)21
4木下正貴(熊本)19
4野澤洋輔(湘南)19
6林卓人(仙台)17
6土肥洋一(東京V)17
8キムジンヒョン(C大阪)16
8中川雄二(富山)16
10吉田宗弘(福岡)15
10荻晃太(甲府)15
ドリブル回数(8月)
1香川真司(C大阪)31
2関口訓充(仙台)30
2マラニョン(甲府)30
4小池純輝(草津)24
5河野広貴(東京V)21
6柿谷曜一朗(徳島)19
7佐田聡太郎(草津)18
7藤田征也(札幌)18
9内村圭宏(愛媛)17
9古田寛幸(札幌)17
9乾貴士(C大阪)17
9廣山望(草津)17
9マルチネス(C大阪)17
ロングゴール(年間)
1上里一将(札幌)

8/5 第32節

64.1m
2香川真司(C大阪)

7/8 第26節

45.0m
3大西容平(甲府)

3/22 第3節

41.9m
4島田裕介(鳥栖)

6/14 第21節

40.2m
5片桐淳至(岐阜)

4/19 第9節

37.8m
6柳沢将之(鳥栖)

7/22 第29節

36.2m
7高崎寛之(水戸)

6/21 第22節

34.8m
8佐田聡太郎(草津)

8/30 第36節

34.3m
9藤田健(甲府)

5/23 第17節

34.1m
10三田光(徳島)

4/19 第9節

34.0m
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MIP=Most Impressive Player
J's GOAL編集部にて、月間で最も活躍した選手をMIPとして選出しています。
そしてStats Stadiumポイントを元に、J1・J2共にベスト11を2006年10月より掲載しています。

7月度 Stats Stadium月間ベスト11 (9月8日発表)

ベスト11は月間で集計されたStats Stadiumポイントの上位選手を選出しています。(選手の本来のポジションと異なる場合があります。ご了承ください)