-本日決勝Text Live実施予定!-
2004年4月24日(土)(19:20/国立霞ヶ丘競技場)
AFC女子サッカーオリンピックアジア予選準決勝
日本女子代表 3-0 北朝鮮女子代表
<得点者>
前半11分荒川恵理子
前半44分オウンゴール
後半18分大谷未央
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前日冷静な表情を見せた選手たちも、さすがに当日の朝になると緊張した。朝の散歩では全員で神社に行って、「勝利のお願い」をして決戦の一日をスタートした。
少し早めに国立競技場に到着したチームはロッカールームで、あるビデオを観た。
女子代表には「モチベーションビデオ」と呼ばれるもがある。これは日本のサッカー史上感動的なシーンを集めたもの。ただし今日、観たのはこれまでのものとは違い今日のために編集されたもの。自分たちの今までの戦い、そこにはメキシコとのワールドカッププレーオフの時のものも含まれた。これを見て泣きそうになった選手も多いほど、気持ちを最高潮に持っていった。そして「これは思い出ビデオじゃないんだ。北朝鮮に勝つためのものなんだ」と集中力を高めた。
スタメンリストを見るまでひとつ心配なことがあった。「澤選手が出られるのかどうか」だ。どんなことをしてでも出るだろうとは思っていたものの、前日までの彼女の様子を見ているととても心配でならなかった。アップが始まると、右ひざにしっかりとサポーターを巻いた澤選手がピッチに表れ、スタメン表には「澤穂稀」の文字がしっかりと並んでいた。かなり無理をして痛み止めを打っての出場だ。試合後にミックスゾーンに現れた彼女は歩くのがやっとだった。すべてはアテネのため…夢の実現のため、90分貫禄を見せた澤選手、すべてをかけた。「試合後は泣いちゃった」とピッチの中とはまるで別人だ。
7連敗している相手の北朝鮮に対し、立ち上がりから果敢に攻め、そして全員で守り、最高の集中力で戦った、しかも終始冷静に。「気迫が伝わってくる」とはこういうことを言うのだろう。この90分のためにやってきた厳しいトレーニング、「特別なことではなく毎日やってきたことを全員がしっかりやっただけ」と、全員が同じ方向に向かって力を出した。
前半を2-0で終え、いずれかに入る次の1点がこの試合の流れを変えるだろうと思われた後半19分、日本の秘策が出た。「してやったりのゴール。」と言うのはCKのキッカー山本絵美選手。「実はね…今だから言えますけど、あれはずっと練習でやっていたパターンどおりなんです。ファーに蹴ってミッチ(宮本)にあててそこからシュートに持っていくっていう。最高でしたね。タイ戦とベトナム戦でのCKはすべてニアだったでしょ?作戦通り!」上田監督から「北朝鮮戦まではやらないように」と封印されていた。「北朝鮮も2試合見て研究していただろうし、そこでニアにいくと見せかけて…ね。」練習では徹底的にこのパターンを繰り返した。「まさにあの瞬間、これがサッカーの醍醐味ってやつだって思いましたよ。…はぁ〜、やっと言えた。」と満面の笑みだ。「秘策」が見事にはまり、勝利を決定づけた得点となった。山本選手はU-23代表の山本昌邦監督と一緒に写った写真をお守りにカバンに忍ばせていた。男女共にアテネに行ける様に。
3-0という予想をはるかに上回る結果と内容で試合を終えた瞬間、国立競技場に集まった日本代表サポーターがいっせいに彼女たちを祝福した。日本中から応援をしていた人たち、関係者、そして取材に来ていたマスコミも…だ。彼女たちの強さとひたむきさが、多くの人を魅了した。なかなか帰ろうとしないサポーターも多く、この感動の一戦に名残が惜しいという表情。
日本サッカー協会川淵三郎キャプテンは、試合後ロッカールームで涙を流して選手たちを迎え祝福の言葉を送った。しかしそれは「うまく言葉にならないほど」だったそうだ。その様子を見た選手も「嬉しかった」と話す。昨年のW杯アメリカ大会では直接対話の時間を持ち、選手の生の声を聞いた川淵キャプテン。その後様々な強化を行い今回の大会でも出来る限りの環境を用意した。試合後にマスコミの前に現れたキャプテンは「ワールドカップの時よりも選手一人一人がしっかり自信を持ってやっていたね。今までで一番落ち着いてプレーしていたね、本当に感動した。ここまできたら広島で優勝してほしいね。」と感慨深げに話した。
昨年のW杯グループリーグ敗退の瞬間「次のアテネ予選に向けて…」と涙ながらに話した選手たち。帰国する前、空港で「悔しいね」とつぶやいた上田監督。あれからおよそ半年…みんなで夢のアテネ行きを実現させた女子日本代表。帰りのバスに乗り込む選手たちのリュックにはお守りと…ぬいぐるみが顔をのぞかせていた。
本当に、本当に、心から…「おめでとう!」
以上
2004.4,25 Reported by 日々野真理
-日本女子代表におめでとうメッセージを送ろう!-