
長身をいかしたパワフルなヘディングが武器のストライカー。なんといってもチームの顔はこの高松大樹である。開幕当初はケガもあり、なかなか出場機会に恵まれなかったが、今シーズンの大分トリニータの躍進にはこの男の復帰が欠かせない。チーム最多の10得点(26節終了時点)だけでなく、攻撃のサポート役に徹しチームに貢献。献身的なプレーで若い選手たちを引っ張る。
選手、スタッフ、フロントがひとつの方向を向いている。
それが強豪チームにでも勝てるようになった要因
それが強豪チームにでも勝てるようになった要因
- Q:チームは好調ですね
- 「まだできる部分もたくさんあるし、課題もいっぱいある。まだまだですよ。大分はまだ伸び盛りのチームです。一般の人や記者の人からは、今の順位を見てすごいと言ってもらえますが、自分は上位を狙っていこうとシーズン前から考えていた。実際に昨年シャムスカ監督がチームに来てから、どんどん勝ってきてるし、もっといけると思う」
- Q:シーズン終了時の目標順位は設定しているのですか
- 「シャムスカ監督は開幕当初は8位と言っていた。このままいけばそれが達成できるので、次は4位へと目標を上げています。でも、いけるところまでいきたいですね」
- Q:チームが好調の理由は、どういうことだと思いますか
- 「昨年途中からシャムスカ監督に替わって、少ない人数ではあるんですがチームがよくまとまっている。選手はもちろん、スタッフ、フロントもみんな同じ思いでひとつの方向を向いている。それが強豪チームにでも勝てるようになった要因だと思います」
- Q:気持ちの部分は大切だと思いますが、戦術面ではどうですか
- 「ウチのチームはシャムスカ監督だけでなく、監督の弟のマルセロコーチなどもとても研究熱心で、対戦チームのビデオをたくさん見て、相手の弱点など分析しているのですが、それはかなり的確です。ただ、FWの自分に対しては、あまり細かい指示や決まり事は言いません。伸び伸び、自由にさせてくれる。日本人の監督なら、前半ミスしたら途中で交代させられたりしますが、シャムスカ監督はミスしても交代させるどころか、気にせずアグレッシブに行けと言ってくれます。選手を信頼してくれているので、こっちも自信を持ってプレーすることができます」
- Q:シャムスカ監督の影響で、高松選手のプレースタイルなども変わりましたか
- 「変わったというより、プレーの幅が広がりました。ゴール前だけでなく、引いてタメをつくること。サイドからの切り返しや中央にスペースをつくる動きなど、監督はいろんな選択肢があるよと教えてくれます。バリエーションが増えました」
- Q:その中でご自分の課題は見つかりましたか
- 「はい。FWとして、もっとフィニッシュの精度を上げなければならないと思います」
- Q:今シーズンはポストプレーヤーとして、かなりチームのサポート役に回っていると思うのですが
- 「そうですね。ウチのチームには前で起点になれる選手があまりいなくて、スピードのある選手が多い。ならば、それを生かしていこうと思ってやっています」
- Q:とは言っても、今シーズンはすでに10得点ですよね(26節終了時点)
- 「いや〜、それはチームの状態がいいからだと思います。自分だけの力ではありません。自分もケガして出られない時もありましたが、復帰してすぐ得点できたのは周りのみんなも調子がいいので、いいパスが出てくるから。チームの流れに乗っているだけです」
- Q:過去、ご自分のシーズン最多得点は…
- 「2001年と2004年の8得点が最高でしたから、今シーズンが最多得点になりますね」
- Q:今季はあと残り数試合あるので、まだまだ記録更新できますね。どのくらいいきたいですか
- 「う〜ん、わかりません。いけるところまで。あまり数字であげるのは好きじゃないので」
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若手がすごく伸びてきた大分
選手にとっても、チームにとってもいいことだと思う
選手にとっても、チームにとってもいいことだと思う
- Q:大分は本当に若手が伸びてきましたよね。高松選手ももうベテランの域に達してきましたが、何かアドバイスなどはされるのですか
- 「別にアドバイスはしません。でも、大分は本当にみんな仲がいいです。シャムスカ監督は練習からよく選手を見ていて、好調であれば経験の少ない若手であろうと、どんどんチャンスを与える。西川や、梅崎、高橋、深谷、福元などすごく伸びてきた。選手にとっても、チームにとってもいいことだと思います」
- Q:西川選手は、20歳でチームの正GKですからね。昨年デビューしたと思ったら、もう日本代表にも選ばれました。
- 「周作はとにかくよく練習するんです。昨年、いちばんチームの状況が厳しい時から試合に出始めたので、かなりプレッシャーも多かったと思います。本人もかなり苦しかったんじゃないかな。でもそれを乗り越えたから成長も早かったと思います」
- Q:急成長と言えば、梅崎選手もそうですよね。
- 「司は、チームの試合に出だして自信をつけ、日本代表にも選ばれました。彼は突破できるし、シュートもいいものを持っています。アグレッシブさがいい。若さゆえの波はありますが、司の強気に前に出るという姿勢はチームにいい運をもたらしていると思います」
- Q:同じFWの松橋選手も今シーズン、好調ですね。
- 「章太はもっとできると思います。章太は意識の問題ですね。もともと能力の高い選手ですから、調子に乗ったら止められないぐらいだと思います。彼は乗せてあげることが大切」
- Q:高松選手自身はどうですか? 先ほどはプレーについてうかがったので、ご自分の性格について教えてください
- 「自分はおおざっぱです。細かいことには気にしない。伸び伸び自然に生きているって感じです。試合に負けたあとも、確かに悔しいけど、クヨクヨはしません。終わったことは、悔やんでも仕方ないですから」
- Q:まさにFW向きの性格ですね。プレッシャーもあまり感じませんか
- 「あまり感じないタイプです。以前に日本代表に選ばれた時も、期待感はあってもプレッシャーは感じませんでした」
- Q:本当にサッカーを楽しんでらっしゃいますね。最後にサポーターのみなさんにメッセージをお願いします
- 「いつも応援ありがとうございます。大分のサポーターはとにかく温かい。みなさんの声援があってこそ、僕たちはがんばれます。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。九州石油ドームに足を運んでください!」
どちらかというと寡黙なタイプの高松選手。インタビュー前はどう突破口を見出そうかといろいろと悩んだが、蓋を開けてみると彼の口からいろいろな言葉が飛び出してきた。発する言葉は少ないながらも、積み上げてきた経験から得た自信やチームの仲間への思いやりが伝わってきた。それが、今の高松選手のプレーに表われているのではないかと思った。「いけるところまでいきたい」。何度もそう言った高松選手には、まだまだ無限の可能性が秘められている。
以上
インタビュー・構成/森田みき
以上
インタビュー・構成/森田みき
