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【J2:第4節 札幌 vs 湘南 レポート】両監督の戦略的な采配で試合の緊張感は高まった。見ごたえたっぷりのスコアレスドロー(07.03.22)

3月21日(水) 2007 J2リーグ戦 第4節
札幌 0 - 0 湘南 (16:03/札幌ド/13,279人)

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システムはともに4−4−2。できるだけバランスを崩さない札幌と、サイドへパスを誘導してそこでプレスを仕掛ける湘南といったように、ボールサイドでの戦術に違いはあるもののしっかりとスペースを埋めるという大まかな守備スタイルは共通していた。そのため「序盤は潰し合う場面が多かった」(札幌・芳賀)。
札幌の両サイドバックが攻撃参加する場面は多くなく、必然的に財津、尾亦ら湘南の両サイドバックがオーバーラップに使えるスペースも生まれない。互いの最終ラインが自陣でしっかり網を張るという、ジリジリとした試合展開となっていた。そしてその展開に拍車をかけたのは双方の守備的MFが良い動きをしていたということ。札幌は芳賀と西嶋、湘南は中里と坂本。彼らが身体を張って守備時のセカンドボールを拾い続けたため、どちらの守備網もなかなか解れることはなかった。スペースがなく、どちらもパスの出しどころをなかなか見つけられない拮抗した展開のまま時計の針は進んでいった。

こうした試合展開の中では、個人のプレースタイルがひとつのアヤとなる。札幌の2トップ、ダヴィと中山はスペースが与えられた局面ではランニングスピードなどの特徴を発揮するが、狭いエリアを細かなボールタッチで打開するタイプの選手ではない。右MF藤田もスペースに抜け出していくタイプ。左MFの西谷は細かなステップワークのドリブル突破が武器だが、この日は相手守備に阻まれてなかなか決定的なチャンスを作り出すことができないでいた。
一方、湘南は石原、アジエルといった狭いエリアからも突破を仕掛けられるテクニックを持った選手がいるため、この2人のアイデアを生かして前半の主導権を握った。

後半に入ると、両監督のカードの切り合いが試合の緊張感を高めた。60分、湘南・菅野監督はFW永里、DF村山を2人同時に投入する。この采配について菅野監督は「石原とのコンビというところを考えると、永里の方が動きが多い。そして、札幌は背が高い選手が多く、セットプレーに気をつけなければいけない。そういったところでの交代だった」と狙いを話す。攻撃を活性化させながら、同時に守備力も上げる。つまり、勝点3獲得を目論みつつ、勝点1確保も視野に入れた采配だということだろう。
これを受けて札幌・三浦監督は64分、中山に代えてMF砂川を投入。ダヴィと砂川による1トップ1シャドーの形にして攻撃に変化をつけた。「あそこで砂川を投入すれば他の選手にもシュートチャンスが回るかな、という感じはした」と三浦監督。

菅野監督の次なる手はMF加藤の投入。前節、試合終了間際に劇的な決勝ゴールを奪った加藤を入れることで、点を奪いに行くというメッセージを攻撃陣に送ったようだ。すると三浦監督は西谷に代えてFW石井を投入し再び2トップに。砂川は左サイドに置き、右サイドに移っていた相手のアジエルの攻撃を牽制した。

これらのカードの切り合いで注目すべき点は、どちらも守備の枚数を減らしていないところ。できれば得点を奪って勝点3を取りたいが、リスクは冒したくない。そうした思惑がハッキリと感じ取れる両監督の采配だった。

結局、どちらも決定力を欠いてこの試合はゴールシーンが生まれないまま終わってしまった。流れるようなパス交換や、ダイナミックな攻守の入れ替わりもなかった。しかし、互いに探りあいの段階である第1クール序盤、リスクを冒さないという制限付きの中で行なわれた両監督のカードの切り合いは本当にスリリングなものだった。スコアレスドローという結果ではあったが、戦略性に富んだ見ごたえのある試合だった。「両チームとも点を取るチャンスがありながらの引き分けだった」と菅野監督。互いに勝点1ずつを分け合ったという結果は、試合内容を反映した妥当な結果といったところか。


以上

2007.03.22 Reported by 斉藤宏則

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