鳥栖 1 - 0 徳島 (13:04/鳥栖/4,278人)
得点者:'44 高地系治(鳥栖)
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「やるべきことは変わらへん。その時に出来る16人を選ぶ」と前節草津戦後に語っていた。この試合のベンチ入りの16人には、今節初めて鳥栖のメンバー表に入った選手が3人いた。その3人は、スターティングメンバーとしてピッチに立った。
鳥栖がやるべきことは二つ。
一つは、高い位置からボールを奪いにプレスをかけること。もう一つは、ボールをつなぐこと。この二つを行うことで鳥栖のサッカーが戻ってくる。これまでの4戦では、どちらかが中途半端な状態で、得点は1点のみ。毎試合失点してしまう、最悪の状態だった。この最悪の状態を打破するために、岸野監督は大胆なメンバー選出とポジションチェンジを行った。
CBには、今季初出場となるベテラン村主と新加入の内間が入った。
村主には、危険を察知する試合眼を求め、終始コーチングさせた。内間には、スピードある徳島FWに仕事をさせないために終始走ることを求めた。この2人の選手は、徳島FW羽地の高さを使わせず、大島の飛込みを許さなかった。
いつもは左サイドでプレーする山城を右サイドに、右サイドの山口を左サイドで起用した。右サイドに入った山城は、徳島の左サイドで起点となる片岡とマッチアップとなり、起点を押さえ込んだ。左サイドの山口は、タメを作ることで左DFの高地が攻撃参加する時間を作った。
このメンバー選出とポジションチェンジから、決勝点が生まれた。
左サイドでボールを受けた高地が右サイドの山城にボールを送った。フリーの状態で中に切り込んで、バイタルエリアのレオナルドに送った。レオナルドは思い切ってシュートを放ったが、徳島DFに当たって高地の足元に転がってきた。ここまで再三の好機を逸していた鳥栖だったが、高地は冷静に徳島守備陣の中にシュートコースを見て取っていた。ゴール右隅を狙って振りぬいた左足は、自身で「会心のシュート」というほどの威力を持っていた。徳島GK島津の手の先を通り、ゴールネットに突き刺さった。前半終了間際に流れの中で奪った先制点は、今季の初勝利を決める大きなシュートだった。
後半に徳島は反撃を試みた。高さのある羽地にはセットプレーで、スピードある大島には背後を突くロングボールを送った。しかし、精度欠いたパスはフィニッシュまでには遠かった。いつもの徳島らしい早いパスは影を潜め、いたずらに時間をかけることで、鳥栖に守備の人数をかける時間を与えてしまった。怪我から復帰した岡本の投入も、運動量のある挽地の投入も、流れを掴みきることが出来なかった。パスはつなぐものの、鳥栖にボールを回させられている感じが強く、シュートは前半に羽地が撃った1本で終わってしまった。
「全員が勝ちたいという気持ちを見せてくれたことが今日の勝因」と岸野監督は笑顔で振り返った。でも、初勝利に浮かれることはない。「まだ、やっと一勝。これからまだ出来ていないことや、やらないといけないことを分析する」(岸野監督/鳥栖)と気持ちは次節に向いている。次節に試合が組まれていない鳥栖にとっては、連戦の疲れを取ることと課題の克服にこの時間を当てることが出来る。「この勝利を次に続けないと成長はない」とこの日も縦横無尽に走り回った山城が振り返っていた。他の選手も同じ気持ちに違いない。この日の勝利は、今季の初勝利というだけでなく、今季の鳥栖が躍進するスタートとなった。
テクニックとスピードとフィジカル…。サッカーに欠かせない要素であるが、それらを生かすには強いメンタルがいる。サッカーはデリケートなスポーツでもある。
以上
2007.03.25 Reported by サカクラゲン
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