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【J2:第5節 湘南 vs 愛媛 レポート】両者ともに次へと繋がるスコアレスドロー。連続完封を成し遂げた堅守を崩さぬゴールを次節に期待したい(07.03.26)

3月25日(日) 2007 J2リーグ戦 第5節
湘南 0 - 0 愛媛 (16:06/平塚/3,092人)

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「決めきることができず、皆んなに申し訳ない……」試合後、湘南・石原直樹は肩を落とした。悔やんだのは88分の場面だ。中盤で競ったボールがアジエルに渡る。すかさず前を向いたゲームメイカーは、相手DFの合間を縫って鋭いスルーパスを通した。抜け出したのは、つねづね「やりやすい」と、アジエルとの呼吸を認める石原だった。が、訪れたこの決定機に、湘南のストライカーは枠を捉えきれなかったのである。

しかしFWとはいえ、終了際のワンシーンだけを切り取って今日の石原を責めるわけにはいかないだろう。「全員でハードワークする」と菅野将晃監督が求める目標の急先鋒としての動きを、彼は攻守に渡り重ねていた。

立ち上がりから主導権は湘南にあった。センターバックとボランチを中心にボールを奪い、2トップに収め、サイドへと展開する。素早いパス交換はリズムを呼び、セットプレーにもゴールを予感させた。だが一方、高い位置での寄せにムラがあったことは否めない。そのなかで、守備では前線からぺナルティーエリア付近まで戻り、攻撃に転じればゴール前、あるいはサイドへ流れてチャンスメイクする石原の姿は目を引いた。

対する愛媛は大山俊輔、赤井秀一の両サイドハーフが時折ゴールライン近くまで侵入し、クロス、あるいは背後に空いたスペースを使い反撃を窺った。しかしこちらも、「高い位置までは行けても、相手の懐で回すことができなかった」と大山が振り返ったように、湘南の堅い中央にフィニッシュは遠かった。森脇良太がドリブルで持ち込んだカウンターもゴールには届かず、勝負は後半に委ねられる。

湘南は後半から加藤望を投入し、攻撃の活性を図った。が、メンバー交代でボランチにポジションを変えていた中町公祐が54分、55分と立て続けにイエローを食らい、湘南はひとり少ない闘いを強いられることになる。

「チームメイトに申し訳ない」と俯く中町の忸怩たる思いを引き継いだ10人は、しかし図らずも逞しさを示す。途中出場の愛媛・田中俊也のシュート、また森脇のロングも死守した。圧巻だったのは、「我々の財産がまたひとつ築き上げられたと思う」と指揮官が目を細めた80分過ぎの場面だ。ゴール前へ押し寄せた愛媛のシュートの嵐を、それぞれが身を挺して阻んだのである。さらにGK金永基からのリスタートは、前線のアジエルや石原を的確に捉え、速攻を呼んだ。「皆んなが我慢して作ってくれたチャンス」と石原が唇を噛んだ場面は、この一連の流れから生まれたものだった。

最後は足が止まるほど互いに死力を尽くした一戦は、スコアレスドローに終わった。「守備は粘り強くなってきた」と愛媛・望月一仁監督が試合後に語った手応えは、連続無失点を遂げた両チームに当てはまることといえよう。堅守を土台に次節、愛媛は首位の仙台をホームに迎え、湘南は草津へと赴く。期待されるのはともにゴールだ。

「切り替えて頑張りたい」石原の重い足取りは、両肩に乗せたFWとしての責任感とプライドの故だろう。言い訳はない。今日の悔しさは1週間後、生まれ故郷で晴らす。


以上

2007.03.26 Reported by 隈元大吾

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