鳥栖 5 - 1 水戸 (19:03/鳥栖/3,070人)
得点者:'14 アンデルソン(鳥栖)、'20 廣瀬浩二(鳥栖)、'26 藤田祥史(鳥栖)、'31 塩沢勝吾(水戸)、'68 アンデルソン(鳥栖)、'82 藤田祥史(鳥栖)
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「気持ちが見えないサッカーには我慢ができない」
鳥栖ゴール裏の横断幕に書かれたメッセージである。
勝負事なので、勝てないこともあるだろう。しかし、鳥栖のサポーターは、「負けていても、気迫あるプレーを見せてほしい」と願っていた。前節の不甲斐ない敗戦を見たファンやサポーターの共通の叫びでもあった。その思いが通じたのか、今節の鳥栖はキックオフと同時にボールを奪いに行った。
3試合ぶりの出場となる藤田祥史は、ゴールラインまでボールを追った。移籍後、まだ無得点のアンデルソンも縦横無尽に走り回った。これまで、前線からのプレスが甘かった鳥栖にサポーターのメッセージが届いたのか、今までにない気迫を今節は見せてくれた。
システムは同じ4-4-2でも、水戸がラインを揃えて受身になるのに対し、鳥栖は空いたスペースに次々に選手が飛び込んでいた。FWだけではない。開幕戦以来の出場となるMF鐵戸裕史も最後まで足を止めることはなかったし、怪我で出遅れていたMF高橋義希・DF飯尾和也も同様だった。そして、この日ピッチに立った選手全ても同じ活躍を見せてくれた。
14分には、右サイドでボールを受けた小井手翔太から、ポストに入った藤田に渡り、アンデルソンが右足で押し込んで先制点を挙げた。20分には、中央から高橋が持ち込み、藤田を経由して廣瀬が狙いすまして2点目を挙げた。26分には、右サイドに走りこんだ小井手からのセンタリングを藤田がゴール右隅にヘディングで決めて3得点目をあげて突き放した。前節に早い時間に3失点を喫して足が止まってしまった鳥栖が、鬱憤を晴らすかのように見事に3得点を挙げて主導権を握った。
セカンドボールを拾えず、パスも思うようにつながらない水戸はセットプレーで一矢を報いた。3失点目の直後の左CKから、FW塩沢勝吾のヘディングで1点は返すものの、鳥栖ゴールの枠に飛んだシュートは数少なかった。後半開始から村松潤が入って中盤でのタメもできるようになったが、FWに決定的な形でつなぐことはできなかった。DFとMF、MFとFWの間でボールをコントロールすることができないために、全てのパスが縦に長いものとなり、インターセプトされることが多かった。鳥栖がポジションに関係なくボールを奪いに行くのに比べて、水戸は局面でのプレスが甘く、幾度となくバイタルエリアに鳥栖の選手を飛び込ませてしまっていた。
68分には鳥栖が右CKからアンデルソンが、82分にはFKから藤田がヘディングで合わせて勝負を決定させてしまった。前半は、流れの中からカウンター気味で得点を奪い、後半はセットプレーからと様々な得点シーンを見せてくれた。
「戦術よりも選手一人一人の気持ちを見せることが全て」
前日にキャプテン高橋は、熱く語ってくれた。この想いは鳥栖の選手全員の共通した想いだった。確かに、全盛期の鳥栖が見せていた「つなぐサッカー」ではなかったかもしれないが、これまでの鳥栖に足りなかった想いを見せてくれた。ゴール裏の横断幕に託されたメッセージに応えるだけの気迫は最後まで見せてくれた。
「今まで失ってきたものを取り返そうと、みんなが頑張ったおかげ」と岸野監督(鳥栖)は振り返った。
「相手以上の気迫が、今の水戸にはない」と前田監督(水戸)は、敗戦を総括した。
両指揮官とも、今のチームに求めるものは戦術などではなく戦う姿勢だったことは共通しているが、そこを出し切れたのが鳥栖であり、足りなかったのが水戸だった。この日の結果は、鳥栖にとっては上昇気運のスタートとなり、水戸には多くの修正点を露呈した内容となった。
テクニックとスピードとフィジカル…
サッカーに欠かせない要素であるが、それらを生かすには強いメンタルがいる。ボールをゴールまで運ぶことは、多くの要素から成り立っている。サッカーは複雑で繊細なスポーツである。
以上
2007.04.12 Reported by サカクラゲン
次の対戦カード
第9節 仙台 vs 鳥栖 4月14日(土)ユアスタ
第9節 水戸 vs 札幌 4月15日(日)笠松