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【レッツゴーACL】現地レポート:浦和サポーターの応援が上海サポーターに変革を起こした!(07.04.26)

「中日友好を深めると共に、浦和のサポーター文化を学びたい」

試合前に、上海サポーターグループのリーダーのひとりは、取材に対してこのようにコメントをしていた。対戦チームのサポーターのリーダーに、「サポーター文化を学びたい」とまで言わせるほど浦和のサポーターはアジアでも名を馳せるようになっていた。そして、その名に恥じない応援をここ上海でも繰り広げた。

試合の数日前、上海領事館から「ACL(浦和レッズ対上海申花戦)開催に伴うご注意 」が出されるなど、上海vs浦和の一戦に対しては、前回のシドニー戦のときには感じなかった緊張感と不安がサポーター、メディア、スタッフの中にはあり、各々がそれぞれの立場でその緊張感と不安を抱えたまま上海に入った。以前よりは大分改善されてきた感はあるが、日中関係の絡みもあり、変に地元の人を刺激してトラブルを発生させないように、前回のシドニーでは、駅やバスの駐車場から繰り広げられた行進に関してもサポーターの自主規制により、今回は実施されなかった。

試合当日キックオフ3時間くらい前から浦和サポーターがスタジアムへ集まってきたが、スタジアムの外では特に集会が開かれる感じもなく、静かに開場の時を待っていた。話を聞いたあるサポーターは「試合中に相手にブーイングをしても大丈夫だろうか」とややナーバスになっていたが、開場を待つ浦和サポーターのすぐ脇には上海サポーターのグループがいた。サポーターやメディアの不安をよそに、彼らは非常に友好的で、お互いに記念撮影をするなどして、健闘を誓い合う姿もみられた。

試合開始2時間前になると、どこからともなくスタジアムには灰色の制服をきた保安員が集結してきた。中国らしく自転車で登場し、スタジアム前の歩道に駐輪をしていく。その数は300名。警察も300名動員されるとのことで、総勢600名がスタジアムの警備にあたる。保安員が到着して、入場ゲートなどの配置に着くと浦和サポーターも試合モードへ切り替わり、独特の緊張感が辺りに漂い始めた。そして試合開始100分前に開場。この時をまった浦和サポーターがスタンドへと足早に消えていく。

そして試合開始直前。メインスタンドのコーナー付近を真っ赤に染め上げた浦和サポーターが一糸乱れぬ大声援でスタジアムを一気に飲み込む。この状態に堀之内聖は「正直、スタジアムに入ったときはレッズのサポーターの方が多いと感じたし、アウェイという雰囲気は感じなかった」と試合後に語ったように一気に浦和のホーム状態と化す。この声援には上海のサポーターやファンも驚き、一斉にデジカメなどで浦和のサポーターの写真を撮り出していた。また試合が始まると浦和サポーターの圧倒的な応援を見ていた上海サポーターに驚きの事態が発生した。その事態とは、2つの大きな勢力があり、それぞれバラバラに応援をしていた、上海のサポーターグループが試合中にいきなり席を動き出し、ひとつになったのだ。浦和サポーターに影響された上海サポーターが、2つでバラバラに応援したのでは勝てないから自発的に行動しひとつになろうとした格好だ。今まではバラバラに応援していた2つのグループが一緒に応援することにより上海の応援も盛り上がりを見せる。白熱する試合と呼応するかのような互いの応援が90分間ずっとスタジアム内で共鳴しあっていた。

そして試合後。選手バスを見送った後に、一瞬サポーター同士緊張状態になる場面があったが、何も起こらず、お互い帰路についていった。浦和のサポーターと上海のサポーターは、特に言葉を交わしたわけではない。ピッチを挟んで互いの距離は80mほど離れていた。そんな状態だったが、上海サポーターの様子を見ていると、冒頭で上海のサポーターリーダーが言ったように「中日友好を深めることと、浦和のサポーター文化を学ぶ」ことはしっかりと達成されたように思える。アジアへ、世界へ誇れる浦和のサポーターは、前回のシドニーに続き、上海でも地元の人に大きなインパクトを与えた。こうしたインパクトがうまくその国・土地の文化と融合していくことができれば、浦和のサポーターにとってこんなに誇らしいことはないだろう。

浦和の選手、サポーターのアジアでの誇りをかけた挑戦と冒険は、まだまだ終わらない。

以上