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前節の水戸戦を制し、第7節の徳島戦以来、湘南は目下4連勝と波に乗る。しかし複数得点を重ねてはいるものの、必ずしも図抜けた内容で勝ってきたワケではない。ポゼッションがままならないゲームもあれば、リードするなかでは押し込まれる場面もあった。危険にさらされたのは、一度や二度ではない。
そのなかで特筆すべきは、ここ3試合、無失点を続ける守備である。現在の失点6は、首位の札幌と並びリーグトップの少なさだ。高い位置からディフェンスを開始し、自陣では囲い込みを絶やさない。ゴール前の攻防では体を投げ出すことを厭わず、誰もが遮二無二シュートコースを阻む。昨季リーグワースト2位の失点数という失態を演じたチームはいま、試合を重ねながらかつての悪夢を振り払おうとしているのだ。「勝ったあとに見え隠れしていた甘さがなくなり、つぎへ向かう意欲が感じられるようになった」と、菅野将晃監督も認める意識の改革が、現在の闘いぶりを支えている。
事実、連勝にも、選手たちの表情や言動に浮ついた様子はない。
「アウェイで連勝し、ひとヤマ乗り切ったからこそ、いま一度引き締めないといけない」そう語るのは、ジャーンの戦線離脱によってキャプテンマークを腕に巻く坂本紘司だ。
「水戸戦ではポゼッションできず、守備にも甘さがあった。(連戦だが)体がキツイときこそ一瞬の隙を消していかないと、取り返しのつかないことになる。たしかに失点0を続けてはいるが、完璧じゃない。つぎはホームだし、引き締めて臨みたい」
ケガが相次ぐ厳しい状況下で、チームとして補いあう意識も高い。第9節・東京V戦で今季初ゴールをマークし、前節にスタメン出場を果たした外池大亮は、選手たちの思いをこう代弁する。
「たしかに故障が多く、厳しい要素はある。でも、その現状をみんなで受け止めて、跳ね返していくことが大事。いい状態にある者が引っ張り、調子が悪ければ逆に(いい状態の人に)乗っかる。そうやって日々のトレーニングから、それぞれの個性を活かし刺激しあいながら、チームの力に変えていければいい。いまはいい積み重ねができていると思う」
さて、湘南と同じくケガに悩まされているのが今節、平塚に乗り込む山形である。前節は仙台と「3−3」の激闘を演じ、勝点1を拾った。だが右サイドバックの木村誠が第10節の徳島戦で右膝関節前十字靭帯損傷を負い、守備の要・レオナルドも前節に負傷、今節の出場が危ぶまれている。仙台戦の前までは湘南、札幌と失点数で並んでいたことからもわかるように、山形も守備をベースに上位争いを演じてきた。それゆえ、最終ラインの故障は厳しいといわざるを得ない。前節、木村に代わりDFに回った臼井幸平、あるいは同じ仙台戦でJデビューを果たした園田拓也らの奮起に期待がかかる。全体の再構成を含め、樋口靖洋監督がいかなる布陣、いかなるゲームプランで臨むかに注目したい。
組織的な守備をベースにポゼッションを求める両者の闘いは、1点を争う緊迫した展開が予想される。セットプレーもまた、勝敗を分ける大事なポイントとなろう。上位争いの渦中にある両者の闘い、見どころは尽きない。
以上
2007.04.28 Reported by 隈元大吾