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【J2:第38節 鳥栖 vs 福岡 レポート】「もう負けられない」鳥栖が、「ここで負けられない」福岡を下した九州ダービー。随所に争点が見られた熱き戦いは、鳥栖の粘り勝ち。(07.09.03)

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9月2日(日) 2007 J2リーグ戦 第38節
鳥栖 3 - 1 福岡 (18:03/鳥栖/10,072人)
得点者:'38 清水康也(鳥栖)、'54 金信泳(鳥栖)、'81 藤田祥史(鳥栖)、'89 布部陽功(福岡)

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ゲームゲームプラン通りに進んでも、結果が双方には違って現れた。鳥栖には勝点3が入り、福岡は勝点を伸ばすことができなかった。

鳥栖は、いつものゲームプラン通り「前からプレッシャーをかけて、ボールを奪う」ことを考えて試合に臨んだ。システムは4−4−2。負傷の尹晶煥(ユンジョンファン)に代わり、村主を守備的位置に入れて高橋を司令塔の位置に入れた。福岡は、「鳥栖の2トップを意識」して、DFに高さのある長野を入れて4バックで臨み、MFに5人、長谷川のワントップで臨んだ。キックオフ直後に、狙い通りに進んだのは福岡。DFを含めて、高めの位置でボールを回すことができ、鳥栖は左右に振られ続けていた。その中心的役割をアンカーに入った布部が負い、起点となってはボールを支配し続けていた。この時間帯に、「もっと早いペースでボールを動かし、鳥栖を動かす」(リトバルスキー監督/福岡)ことができていれば、福岡に先制点が入っていたに違いない。しかし、前節の湘南戦同様、先に失点してしまった。

38分に金信泳(キムシンヨン)が、右サイドからセンタリングを上げると福岡のDFのクリアミスを招いた。ここまで、ゲームを支配していたチームが、失点をする時にはこんなものだろう。クリアされたボールが短く、中央に詰めていた清水(鳥栖)のところに入ってしまった。清水はワントラップ後、冷静にゴールを突いて先制点を鳥栖にもたらした。その後もボールの支配率は福岡が上回るものの、シュートまでもって行くことが少なかった。前半を終了した時点で、鳥栖のシュート4本に対して、福岡は5本と好機はさほど変わらなかった。

「うちが押し込まれるのもゲームプラン通り。そこからどう攻めるのかがポイント」と岸野監督は試合前に戦術を練っていた。福岡が4バックで臨んでくることも、ワントップに長谷川が入ることも、ゲームプランの条件に入っていた。その中でハーフタイムの指示は、「福岡の攻守の起点となる布部を確実に抑える」(岸野監督/鳥栖)だった。ここを抑えてしまえば、57分に久永に代えて攻撃力を持つリンコンの投入も、68分の宮崎に代えてミドルシュートを持つ山形恭平の投入も、77分の高さのある川島の投入も、今の鳥栖で抑えきるとゲームプランには入っていた。

岸野監督の思惑通り、後半開始から鳥栖は高い位置でボールを奪うことができ始めた。福岡の起点を押さえることにより、早プレッシャーをかけ始めた。その結果、54分には右サイドDF鐵戸が、高い位置からセンタリングを入れて、金信泳(キムシンヨン)の追加点を呼び込んだ。81分には、勝負を決定づける藤田のゴールも生んだ。全てが、岸野監督のゲームプラン通りだった。

福岡もビハインドを跳ね返すべく、DF長野をトップの位置に上げて、パワープレーを試みた。中盤でのボール支配を捨てて、サイドからトップに向けてボールを放り込んだ。これも失点を取り戻すための福岡のゲームプランだった。しかしながら、福岡のゲームプランを結果につなげたのは、アディショナルタイムに入った布部のワンゴールだけだった。

ゲームプランは試合前に監督を中心に練り上げる。鳥栖の岸野監督は、今の鳥栖ができるサッカーをプランに描いた。福岡のリトバルスキー監督は、鳥栖の攻撃力を考えての布陣をプランに描いた。終わってみれば、鳥栖のサッカーに福岡のサッカーを合わせてしまった格好で終了した。鳥栖も福岡も、ゲームプラン通りに試合を進めながら、最後の決定的な場面で鳥栖が競り勝った。

鳥栖が勝点3の結果を得ることができたのは、幾重にも考え抜かれた戦術を選手が信じてプレーをし続けたためといえる。その根底には、声を掛け合って「最後まで意思統一を図った」(飯尾/鳥栖)ことがあった。2点目が入り3点目のキックオフまでの間に、福岡の選手が主審に確認のために多くの選手が詰め寄ったのに対し、この間を利用して「ここから守るのか、3点目を狙うのかをみんなで確認しあった」(同)鳥栖の選手は、その後のゲームプランを確認しあっていた。得点に浮かれることなく最後まで冷静にプレーできたことが、この日の結果につながったといえる。対する福岡は、勝利に対するプレッシャーのためか、少し冷静さを欠いていたのかもしれない。4つの警告と2つの退場を受け、次節は5人の選手が出場できない状態となってしまった。

「もう負けられない」鳥栖が、ゲームプラン通り試合を進めて勝点3を得たのに対し、「ここで負けられない」福岡が、警告と退場で自らゲームプランを崩してしまったゲーム内容だった。

一つのプレー、一つの判定で試合の流れが変わる事がある。その起きた現象を冷静に分析し、対応する手段を瞬時に講じなければならないのがサッカーである。限られた時間の中で、相手より多く得点をあげるためには、冷静さも勝利への条件であると再認識させられた。サッカーは奥が深い。

以上

2007.09.03 Reported by サカクラゲン

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