■3大陸トーナメント
9月12日(水)3:15/オーストリア・クラーゲンフルト
日本代表 4−3 スイス代表
得点:'11マニン(スイス代表)'13ヌクフォ(スイス代表)'53中村俊輔(日本代表)'68巻誠一郎(日本代表)'78中村俊輔(日本代表)'81ジュルー(日本代表)'92+矢野貴章(日本代表)
※これにより日本が3大陸トーナメント優勝!
---------
●オシム監督(日本代表):
Q:なぜ最初からあのようなプレーができなかったのか?
「説明するのは難しいです。ハッキリ言えるのは、我々がオーストリアに遠征して欧州のチームと戦ったということ。みなさんもご存じでしょうが、特にスイスはそれほど知られていないチームではありません。最近はオランダやアルゼンチンと対戦して非常にいい成績を残しているし、欧州でもかなりレベルも高いチームです。こちらの選手たちもスイスのチームや選手についての情報は持っていましたし、試合前にそれほど細かいことを言わずとも、それなりの知識がありました。
試合序盤は、もしかすると、日本の選手が相手のことをリスペクトしすぎていたのかもしれません。もちろんスイスは最近、いい結果残している。それで相手を恐れていたというわけではないでしょうが、リスペクトしすぎていたのかもしれない。選手には当初、戸惑いがありました。コンビネーションを重視するのか、キープをするのか、守るだけなのか…。守るだけというのは非常に難しいですが。相手のFWも非常に背が高いわけだし、守るだけではやられていたと思います。残念ながら最初の2失点は、非常に安っぽいものでした。相手に簡単に機会を与えて、こちらがミスをしてしまったということですが、0−2からこのような結果を残すことができたことについては満足しています。
正直、ここまでいい結果を残せるとは思ってはいませんでした。2失点した後、ある程度チームプレーが向上して、チームとしてのまとまりを証明することができた。それはよかったと思います。ハッキリ言えるのは、日本が1対1での状況で勝つのは難しいからこそ、数的有利な状況を作り出してプレーしないといけないということ。自分たちの武器として、これから磨いていかないといけない組織力、それからコンビネーションプレー、そして相手チームよりも多く動くこと…、こうした部分をより多く見せることができたと思います。
(ここでオシム監督の携帯電話が鳴り出す)私の妻が『今どこにいるのか』と聞いています(笑)」
Q:ハーフタイムの指示は? 特に相手にリスペクトしすぎたことについては?
「もちろん、論理的に指示を出せれば一番いいのですが、実際には選手たちにそうは言いませんでした。怒って指示をしたんです。欧州の選手ならダイレクトで指示を出すことができますが、日本人相手に怒りながら、感情を出しながらメッセージを与えるのは難しいです。後半に改善されたいくつかの点はあったが、実際には前半の25分からチーム状態は向上したと思います。
スイスにとっては危険な状況だったと思います。比較的早い時間帯に2点を取って、ある意味、安心してしまったのですから。そこで1点を返されてから、心理的には難しい状況になったのかもしれません。日本としては、もちろん後半がよかったというのは正しいことですが、前半25分くらいから、ゲームをコントロールするという意味で、スイスと日本の立場が逆転しました。このように前半と後半があまりにも違うゲームというのは、10年に1回くらいのこと。正直なところ、自分としては2−4で負けていても許していたと思います。
重要なのは、どのような試合をするか、どのような勝ち方をするか、どのような負け方するかです。最終的なスコアというのは、そこまで重要ではありません。ただし、最後に思っていたのは、軽々しいプレーはできる限りしないこと。もちろん、攻撃に関しても、守備に関しても、できる限り効率的なプレーをすること。それが重要だと思います」
Q:スイスという強いチームと対戦したことで、チームに新しい力は見えたか?
「確かに、相手のレベルもあることなので、信じられなかった選手たちの一面が見えることはあります。それはいい面でも、悪い面でもあります。例えば、中村俊輔を前半で交代させようかと考えることがありました。しかし、ロッカールームで選手たちの様子を見ていて、それでまた判断が変わることもあります。松井についても、前半いいシーンあったけれど、それ以外のプレーについてはどうだったか…。ハーフタイムの様子を見て、そこで選手を代えるのかどうか。監督としては、後半の3分、4分、5分くらいはトライさせてみたいと思いました。このまま前半と同じように、いいプレーが見られないかもしれない。そうすれば交代しよう…。そう考えて選手をピッチに送り出すと、突然、人が変わったようにいいプレーをすることがあります。サッカーとは難しいもので、どのような状況になるのか全く読めません。後半は自分たちにとって非常にいい展開になりました。全体にスペースが多くあったし、比較的簡単にボールを回すことができました。ボールがないところでの動きもよかった。最終的に自分たちが勝つことができたわけですが、得点というのはあくまですべてのプロセスの結果。運がよかったこともあるし、場合によってはとてもクレバーなシーンもあったかもしれません」
Q:オーストリア、スイスと対戦して、いい内容で試合を終えることができた。この結果によって、日本の評価もよくなり、今後もマッチメークもしやすくなるのでは?
「おっしゃる通り、このような試合をすることで、欧州でのマッチメークは楽になるでしょう。ただし、日本にとって最も重要なワールドカップ予選を突破するためには、欧州ではなくアジアの相手と戦わなければなりません。アジアには欧州とは全く異なるメンタリティ、文化、プレースタイルがあります。
アジアには旧ソ連の国々、アジアの国々、インド、マレーシア、インドネシア、香港、台湾などいろんな国々があり、こうしや相手と日本は対戦しなければいけません。プラスアルファとして、オーストラリアというまったくメンタリティと文化の違う国も追加されたんです。日本代表はある意味、アジアで勝つことを義務づけられています。日本という国は世界的に見てもカリスマをもった国だと思います。だからこそ、いろんな国のチームがライバル心をもって挑んできます。
そのような非常に難しい状況の中、いろんな要素も含めて、相手が私たちとの対戦を楽しみにして、モチベーションを上げてきます。日本は孤独な中でやっていくことになります。その場合、ポジティブになるかもしれないし、ネガティブになるかもしれない。近い将来、日本の力を一気に付けることは難しいかもしれません。日本がアジアで実力を伸ばしている唯一の国ではないですから。
欧州のみなさんはあまりご存じではないかもしれませんが、アラブ諸国をはじめアジアの国々はどんどん力を伸ばしている。イエメンであったり、ブータンであったり、インドであったり、欧州でほとんど知られていない国であっても、彼らもいいサッカーをしています。特にアラブ諸国はいい監督を招へいして、非常に速いスピードでレベルをアップさせている。アジアで勝ち抜くということは欧州とは違った難しさがあるんです。そこで私たちが勝ち抜いてこそ本当の価値があると思います」
Q:この大会で優勝できたことについては?
「もちろん勝てばうれしいですよ。残念ながら受賞式の写真を撮らなかったので、みなさんの写真を期待しています(笑)。0−2から追いついて勝てたことについては、チームのモラルがいいという証明にもなるでしょうし、それ以外の要素もあったと思います。幸運もあっただろうし、相手の選手がいることを忘れてはなりません。相手は2−0でリードしていたわけで、最後までボールを回して試合をコントロールできたかもしれない。にもかかわらず、彼らは違う判断をし、失点した。パニックとはいわないが、こちらの方試合を有利に展開することができたのです。つまり、スイス人も人間だということなんです」
Q:選手たちが「後半にスイスの足が止まった」と言っていたが?
「簡単な答えは『偶然』ということです。そうすれば長く話す必要はありません」
Q:偶然で済むなら、監督いらないのではないですか?
「その通りです。全てが偶然だけなら、サッカーに監督は必要ありません。ですが、偶然についてもいろいろ哲学することできます。どんな偶然も、自分たちがサポートすることによって、幸運を自分たちのほうに引っ張ることができるんです」
Q:昨日の会見で「こういう強い相手と戦うことは、どの程度のリスクを冒すかという判断を磨く機会となるだろう」といっていたが、リスクの掛け方についてはどうだったか?
「前半の初めはまったくリスクを冒しませんでした。そのため、日本の選手は罰を受けました。が、後半は神風のようなプレーをしたので、最終的には勝つことができました。簡単にまとめると、こうなります(笑)」
以上
---------
☆★【いよいよ天王山!】★☆
■アジア男子サッカー2008最終予選(北京オリンピック2008最終予選)
9月12日(水)19:20/国立
U-22日本代表 vs U-22カタール代表
・チケット発売中>>
・試合速報はこちら
・テレビ中継:テレビ朝日系列にて生中継 19:00〜21:24、NHK-BS1にて生中継 19:00〜21:20