東京V 2 - 4 F東京 (15:00/国立/12,257人)
得点者:11' 廣山望(東京V)、16' カボレ(F東京)、19' フッキ(東京V)、43' 平山相太(F東京)、45' 平山相太(F東京)、76' 平山相太(F東京)
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FW平山相太の大爆発で、F東京が決勝トーナメント進出を決めた。
すでに予選敗退の決まっていた東京Vは、2連敗している『東京ダービー』への雪辱にモチベーションを切り替え、高めたはずだったが、やはり「意気込みの差」(MF福西崇史)が導いた結果に再び泣くことになってしまった。
前々節、前節と続いた0−3での大敗の原因はFWフッキ、レアンドロの両外国人にイライラが募り、チーム全体が集中力を欠いたことだと捉えた東京Vは、この試合の重要ポイントの1つに『先制点』を掲げていた。その攻撃的な狙いは、布陣を見ても明らかだった。
前節までの福西崇史、大野敏隆、菅原智のトリプルボランチではなく、大野、福西のダブルボランチ、両翼に飯尾一慶、廣山望と柱谷哲二監督は中盤を攻撃的にシフトして挑んだ。
これが早速、吉と出た。
前半11分、F東京カボレの決定的なシュートを土肥洋一が防ぐと、そこから一気に攻撃に転じた東京Vは、GK荻晃太の方へ転がったルーズボールをフッキも追いかけゴール前で交錯すると、こぼれたところに廣山望が走り込み、念願の先制ゴールを奪った。東京Vにとってはこれが2008ヤマザキナビスコカップ初ゴールとなったのだった。
同16分、梶山陽平から出た中途半端な長さの浮き球に飛び出たGK土肥を見て、カボレが巧く浮かせて無人のゴールへと放り込まれあっさりと同点にされたが、決して肩を落とさなかった東京Vはわずか3分後、ゴール正面25mほどの位置で奪ったFKをフッキが直接狙い、スーパーシュートを突き刺し再びリードを奪った。
これで優位に試合を進めたかった東京Vだが、「たとえ先に点を取られても、戦い方は変えず、慌てないようにと試合前から監督に言われていた」とDF徳永悠平が振り返るように、変わらず前から積極的にボールを奪いに来る相手に対し、主導権を握りきることができなかった。GK土肥が少なくとも3本の決定的シュートを防ぐなどDF陣も耐え凌いでいたが、ついに前半終了間際の43分、羽生の右CKを平山が頭で押し込まれ再度試合は振り出しに戻った。
1トップのフッキ、1,5列目に引いたレアンドロを掴みきれず、両ブラジル人に時間を与えてしまったとの反省から、城福監督はハーフタイム「梶山には、よりDFラインに近い位置でプレーするように」と指示を送る。
効果は即出た。後半立ち上がり58秒、カボレの右クロスからまたしても平山が決め2−3とついに逆転すると、同31分、途中から入ったMF石川直宏の好クロスがまたまた平山の頭にピタリ。強烈に決めハットトリックを達成した。
この試合、F東京の注目ポイントの1つはダブルボランチ梶山とブルーノ・クアドロスのコンビネーションにあったが、片方が攻撃に加担すればもう一方は守備に残るというバランスは抜群だったと言えるだろう。特に後半、城福監督からDF重視との指示が梶山に下ると両者の役割はより明確化され、ブルーノの積極性がより生かされる形となった。
また、平山の1,5列目の位置でのプレーも非常に有効だった。彼を起点にエメルソン、羽生、そして徳永など周りの選手を生かせる上、精力的に守備にも貢献するなど運動量がはるかに増したこともチームにとっては大きいに違いない。
守備陣もフッキ、レアンドロに対しては決して1対1を作らせず、必ず2人、3人で囲んで奪うということは徹底されていた。
結果的に、「どう攻めるのか、ウチは全く見えていなかった」と福西が話すように、チームとしてどう戦うのかが明確か否かが勝敗をハッキリ分けたということだろう。
勝ったF東京は、同組では首位の清水が磐田に敗れたため勝点自体は並んだものの得失点差が響き2位となったが、この試合を前に監督から通達された「2点差以上での勝利」を見事に収め、グループリーグ通過を勝ち取った。
一方、またしても4点という大量失点に東京V・那須大亮は「人生初」とガックリ。それでも「せめて、リーグ戦じゃなくて良かったと思うしかない」努めて前を向いた。東京Vにとっては、中断期はありがたい。この厳しい現実から逃げず、もう一度はじめから話し合うことから全ては始まるのではないだろうか。
「チームは攻撃と守備がお互いに信頼し合えないとね」福西のことばが全てだろう。
以上
2008.06.09 Reported by 上岡真里江