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【ひかりTV連動企画】J1 6月度MIP受賞インタビュー 石川直宏選手(F東京):「今季、好調の理由? 何か理由があればよかったんだけど…」(09.07.30)

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 2年前の石川直宏が忘れられない。いつもの屈託のない笑顔は消え、眉間にしわを寄せて、どこか思いつめた表情を浮かべていた。プレーに失敗するたびに声にならない叫び声を上げては頭を抱えた。
 その石川が今年、これまでのシーズンベストをはるかに凌ぐペースでゴールを量産し続けている。それまで自分の居場所にしてきた右サイドを捨てて、右に左に時には中央にポジションを変えてゴールへと迫る。古典的なウインガーから脱皮し、2列目に潜むストライカーへと変貌した。
 序盤低迷したチームが浮上するきっかけとなった6月の活躍を振り返りつつ、新たなプレースタイルの模索が始まった2年前の思い、そしてユーザーからいただいた質問にも、ナオの言葉で答えてもらった。

★掲載分はインタビューの一部です。インタビュー全編(動画)はひかりTVで公開予定です。 
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■チームを引っ張るということ
石川直宏石川直宏
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石川直宏選手のインタビュー全編(動画)はひかりTVで公開予定です。詳細は上のバナーをクリック!!

Q:では、6月のゲームを振り返って
「6月のヤマザキナビスコカップの山形戦では、先制点を取られても、落ち着いて自分たちのサッカーをやりながら慌てずに結果に繋げられた。そこから勝っていけたのが大きかったですね。(個人としては)自分でもちょっと怖くなるくらいコンディションは良く、山形戦は、試合中に自分でも動けすぎたと思うほどでした」
Q:6月のゴールの中から、リーグ第15節清水戦のアウトサイドにかけたスーパーゴールを解説していただけますか
「あのゴールは気持ち良かったですね(笑)。少し中央寄りで(平山)ソウタから(梶山)ヨウヘイへと繋がった。僕は、ヨウヘイからボールを受けようと思っていたので、少し高めの位置にポジションを取っていました。ヨウヘイと相手が交錯して、ボールが思っていたところと少し違うところに出てきましたが、ボールが出てきた瞬間に切り替えることができて相手よりも早く身体が動いたし、ここにシュートを打つということはイメージができていた。思い切りも良かったし、ただ打っちゃえというわけで打ったシュートではなく、コースもちゃんと見えていたからこそ、気持ちよかったです」
Q:6月に挙げたゴールすべてが決勝点でしたね
「エッ、そうなんですか! 今聞いて初めて知りました(笑)。そういうゴールを決めることが理想だし、チームが苦しいときや、ここで1点入ったときに流れが変わるという勝負どころで点を取りたいと強く考えてきました。その気持ちが自分の力にもなっています。清水戦のゴールは、まさにそういう気持ちでした。後半のせっかくこれからだという時に失点してしまって、ここで1点返したいな、どうしても取りたいなという気持ちが自然と自分の中に湧いての得点でした」
Q:清水戦では失点直後、ものすごいミドルシュートを放っていますよね
「あそこで流れを変えたいという思いが正直ありました。シュートを打って弾かれた時に、これはチームの雰囲気が変わると自分でも感じた。チーム全体がこれから攻めに行くぞ、まだ負けないぞという気持ちになってくれたと思うし、サポーターも直後のコーナーキックで盛り上がってくれました。その直後のゴールだったので自分でもビックリしました。(あのミドルシュートが)いいフリになったのかな(笑)」
Q:今年はキャプテンマークを巻く機会も多いですが
「23、24、25…と年齢を重ねるごとに、ずっとチームを引っ張っていかなければいけないと思ってきたし、自分にそう言い続けてきました。でも、実際に自分がチームを引っ張っているという実感は湧かなかった。だったら、どうすればチームを引っ張ることができるのか、とも考えていました。ただ、その頃と比べて何か変わったことをしているかというと、特別にはないんですよね。言葉で引っ張っていくタイプでもないから。今の(プレーで引っ張る)スタンスでいいと思っています。キャプテンマークを巻いたとき、自分の中でより手応えというか、自覚を初めて感じました。普段が気を緩めてやっているわけではないけれど、巻いた瞬間、すごく気持ちが引き締まった。すげぇな、キャプテンマークの効果って(笑)。後で『似合っていましたよ』ってゴンちゃん(権田修一)が言ってくれました。それが、お世辞でもうれしかったですね」
■最後には必ず自分に返ってくるから
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Q:ここ数シーズンの石川選手は、ずっと苦しんでいましたが、今振り返ってみてどう思いますか
「でも今振り返ると、絶対に必要だったんだなって思う。その時期は苦しいですよ。苦しいし、何でだって思うこともありました。当時は、今のような姿をイメージはしていたけれど、そこまでハッキリしたヴィジョンを描くことができなかった。それぐらいドロドロした感情が僕の中にありました。僕自身は(活躍できていることが)必然だと思っているし、だからこそ、苦しい時に頑張ることができたのだと思う。苦しいときもあきらめずにやることの大切さを改めて感じています。もちろん意識次第ではあったと思うんですよね。あえて無理やりそこ(新しいプレースタイル)に立ち向かわなくてもよかっただろうし、うまく避ける方法はいくらでもあったはずです。でも、それは自分自身が許せなかった。やるんだったらとことんやるっていうのが僕だから」
Q:そうやってブレずにやってきたことが、いい方向にいったわけですよね
「良くも悪くもそうだと思いますよ。色々なアドバイスを受けて、そうだそうだってあっちこっちにブレていたら自分を判断する基準もわからなくなる。でも、もちろん色々なタイプがあるから、どれが良い悪いはないと思う。ただ、僕はそれしかできなかった」
Q:2007年の終盤、当時の長澤徹コーチ(現F東京U-15深川監督)が「ナオは最後に大きなことをやってのける」という今の姿を暗示するような話をしていました
「当時は、目の前のことに精一杯だったし、先のことなんて思い描けない時期が長かった。先のことを思い描くよりも、目の前のことをクリアにしていくことを意識するしかありませんでした。たとえば試合直前の練習メニューで、紅白戦があるのですが、試合に出られない時には相手チームの役割を任せられることがあります。僕自身はそのとき、悔しかったから一生懸命やったし、それにチームのことを考えたら絶対に手は抜けない。すごくモヤモヤするけど、まずは一つ一つ、目の前の課題をクリアにしていくことを大事に…そういうことの積み重ねでした。今は、あまり思い出したくないというか、ハッキリと思い出せないかもしれない。本当に色々あったから。日々何かしらの不満や色々な思い、胸につかえたものがありました。でも、それを周りのせいにはしたくなかったし、周りがこうだから自分はできないとか、そう思いたくなかった。上手くいかないんだったら、見方や取り組み方を自分で変えてみる。そういう中で自然と周りが変わってくる部分もあるだろうし、逆に自分にとっていい出来事が起こることだってあると思います。そうやって全部が繋がっていくと思っていたし、苦しみながらもやり続けました。でも、それはみんなが抱えていることだと思います。チームの状態がよくても試合に出場できない選手もいるだろうし、今も当時の僕と同じ思いを持っている選手が絶対にいる。でも、『ふざけんなよ』っていう気持ちを抱えつつ一生懸命やるのか、それとも『もう、いいや』って思ってやらないのかで変わると思います。最後には必ず自分に返ってくるから」
Q:最近、長澤さんに再会したとき、「ナオはふざけんなよっていう気持ちをエネルギーに代えたことが大きかった」という話をしていました
「それは自分でもそう思う。一番エネルギーを持っているときは、そういうときなんですよ。それは、ものすごいエネルギー。そのエネルギーは良い時では出てこないんですよね。良い時は、何も考えないから」
Q:それに長澤さんは「あの頃のナオが俺は一番好きだ」と話していました
「僕もテツさんと久しぶりに話をしたとき、『俺が好きなのは、あの頭をクシャクシャしている時なんだよ』って言われました。そう思っていてくれたことがうれしかった。テツさんは僕のすべてを知っているし、近くで見てきてくれたわけだから。もう頭が上がらないですよね」
■結婚は神のみぞ知る!?
月間MIPへこれが聞きたい月間MIPへこれが聞きたい
Q:さて、ユーザーからの質問です。最も多かったのが「現在の好調の理由は?」なんです
「それ、よく聞かれます。本当なら、結婚したからとか、子どもが生まれたからとかあればよかったんでしょうけれどね(笑)。別にこれといったことは何もないんですよね。本当に普段どおり、何も変わったことはしていません。もし、何かやっていたらすぐにわかるんだろうし、そのおかげですって言えるんだろうけれど、本当に何もないんです。すいません、答えになっていないかもしれないですけれど(苦笑)。あえて理由は何もありません」
Q:では、その流れで「あやかさん」からの質問です。「結婚はいつになりますか?吉報を楽しみにしています」とのことですが
「神のみぞ知るということで。そういうところは男らしくないって言われるのかな(苦笑)。みんな、すごいですよね。どのタイミングで結婚って決めているんだろう? チームメイトにその辺のことを聞いてみたいんですけれど、この年になると恥ずかしくて聞けない(笑)。でも、子どもも好きだし、次の自分の目標や夢ってプライベートで言えば、そういう部分だと思う。まあ遠くはないと思うけれど…近くもないかな(笑)。でも、30歳までにはしたいかな」
Q:続いて「石川LOVEさん」からの質問です。「ナオさんは日本代表に入りたいですか? 今のFC東京にはナオが必要です。僕は入ってほしくないんです」と…
「小平(FC東京の練習場)でも『代表には行ってほしいんですけど、チームのことを考えたら…』ってよく言われます。代表に入らなければ、そこでプレーすることはできない。そう考えれば、代表はもちろん入らなければいけません。僕自身は代表に入るのであれば、その中で活躍するぐらいのレベルにいたい。もう若いわけじゃないから。若いときは『代表に入った』といううれしさがまずありました。でも、ワールドカップまであと1年を切っているわけだから、今は代表に入って自分は何ができるのかというところが大事。そう考えると、代表に入って1つの武器にならなければいけないわけだし、そこを具体的に考えなければいけません。もちろん入りたいけれど、入って何がしたいのか、何ができるのかというところまで考えたいです」
Q:2年前は「今は代表を意識したくない」と話していましたが
「それは、そういうレベルだったから。でも、そこから積み上げてプレーしてきたし、自分の中にも新たな自信が生まれています。まあ、まだ想像できないかな。今のチームでどういうふうに機能するのかわからないし。歩み寄ることも必要だけれど、自分のプレーを引き出してくれるような動きをしてもらうことも1つだし…そんなことを言っていても代表に入らないとその話は成り立たない。だから、今はチームで自分のプレーの質を上げていくことしか考えられません」
Q:では、残りのシーズンでの目標は
「僕自身は今の結果には満足していません。点を取ったり、勝つたびに、もっと取りたいな、もっと勝ちたいなという気持ちが強くなっている。そういういいサイクルでサッカーができています。昔は、プレーしていて楽しんでいる自分がいた。今は、楽しんでやろうというよりも、いい意味でもっともっと厳しく上を狙いたい、今以上の自分たちの力を身につけて結果を残していきたい、そう思うようになりました。今はまだ積み上げの段階だから、満足せずにやりたいですね。
僕個人としては、今までシーズンを通して結果を出し続けることができていないので、『ああ、終わっちゃった』みたいなことにはならないようにしたいです。今は土台がしっかりしているから、ないとは思うんですけれど、ちょっと結果が出なかったら周りからはそう見られたり、思われたりするから。自分の感覚を大事にしながら、残りのシーズンも結果を出し続けたいです」
Q:得点王については
「点を取れる選手は日本人でも外国籍選手でもたくさんいます。僕は、正直、狙ってないというか、狙えないです(笑)。でも、Jリーグをおもしろくするためにも、チームを勝利に導くためにも点は取りたい。サッカーを知らない方からも最近はよく声をかけてもらえるようにもなりました。『あのシュートすごかったです』って言われると、もっと決めたいなって思う。得点王というよりも、印象に残るゴール、記憶に残るゴールというのを決めたいですね。みんながスカッとするようなゴールを」
以上

取材日:7月23日
取材・構成:馬場康平

★掲載分はインタビューの一部です。インタビュー全編(動画)はひかりTVで公開予定です。 
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★6月度 J’s GOAL月間MIP(7月7日発表)は【こちら