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【ヤマザキナビスコカップFINAL激闘録 PLAY BACK 2004−08】2004年 F東京 vs 浦和(後編) 情念が呼んだ奇跡 27対8からの逆襲(09.11.02)

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Jリーグの聖杯、2009Jリーグヤマザキナビスコカップの決勝が11月3日(火・祝)に迫った。
今年雌雄を決するのは、04年の同大会以来クラブ史上2度目のタイトルを目指すFC東京と、悲願の初タイトルを目指す川崎フロンターレ。すでにチケットは完売しており、今年も激しい戦いが繰り広げられることは必至だ。
今年の決戦を前に、J’s GOALでは、過去5年間の決勝をプレーバック。第1回目となる今回は2004年(前編、後編)をピックアップ。あの激闘を記憶を呼び起こし、今年の決勝に備えてほしい。

★2004年 前編

情念が呼んだ奇跡 27対8からの逆襲

F東京は、71分に梶山陽平、84分に馬場憂太を投入していた。劣勢下での攻撃的な選手の投入は、原監督のメッセージだったという。ボール一個分のチェックで何かが変わる。心が折れそうで、体がはち切れそうに疲弊していた状況下で、「絶対に勝つぞ」という原監督のメッセージは選手の背中を押していた。

「誰がどう見ても、浦和の勝ちは時間の問題」。
そんな浦和の猛攻撃を紙一重でしのぎ続けたシーン一つひとつが、この決勝が今日まで語り継がれる所以だ。
J最強攻撃陣の金看板を持っていた浦和の攻撃は、F東京の数的不利を計算づくで洗練されており、完璧だった。
F東京は、チームでそれをしのいだ。例えば、試合途中から1センターハーフを任された今野。速攻を得意とする浦和に対して縦をきるにもカバーすべき範囲は広い。どうしても縦をきれない場面が出てくる。今野は「逆サイドにだけは絶対にパスを出させないようにしました。一方のコースは必ず切りながら、少しでもスルーパスを出せる角度を減らすようにしていました」という。

数的不利の状況での1センターハーフ。仕事範囲は相手のパスコースを切るために、いやがおうにも動きは横方向に限られる。後ろの選手を信頼し、得意の攻撃参加をある程度自粛し、「今チームのために何ができるのか」と今野は考えていた。そしてその意識はピッチ上のF東京の選手全員に共通していた。F東京は延長戦のさらなる浦和の猛攻を耐えしのぎ、PK戦に持ち込む。F東京にとって、ピッチ上の数的不利という「数の論理」がなくなった瞬間だった。

迎えたPK戦は両チーム1、2本目を成功。F東京の3人目は今野。左に蹴ったボールに山岸範宏が、わずかにふれるがポストに当たりながらもゴール。そして浦和の3人目、田中が思いきり蹴ったボールは試合ロスタイムのシュート同様、今度はバーにはじかれ乾いた音を国立に刻み込む。
F東京は続く梶山が失敗するが、浦和の4人目、山田のシュートを土肥が気迫のセーブ。決めれば勝ち、という状況でF東京5人目のキッカーは加地亮(当時)。
「4人目までは原監督が蹴る順番を決めていきました。でも5人目のキッカーがなかなか決まらなかった。チームがちょっと重い雰囲気になってしまったのが耐えられなくて『僕が蹴ります』と志願したら、ますますチームの雰囲気が重くなっちゃったんですけど…」と、試合後報道陣の笑いを呼ぶとともに、自らはにかんだ。

加地のキックは実に堂々としていた。右に狙いすまして蹴ったボールはGK山岸の逆を突いてゴール。この瞬間、F東京のクラブ創設以来の初優勝が決まった。原監督が空高くジャンプし、誰よりも早くピッチのイレブンの元に駆け出していく。

不思議な勝負だった。シュート数は浦和27に対し、FC東京8。決定機の数は、浦和が圧倒した。それでもF東京は勝った。
浦和の鈴木啓太は、当時このように試合を振り返っている。「誰が見てもゲームは勝っていたと思うし、(PKによる負けでも)一番強いのは自分たちだという自信は持っている。ただ、相手を称えたい気持ち。(F東京は)1人少なくなってからの集中力がすごく高かったと思うし、それがF東京の強みだと思う」
この試合のハーフタイム、退場したF東京のジャーンは「ホントウニゴメンネ」と泣きながら、選手一人ひとりに頭を下げ、握手して回ったのだという。今、この状況で、自分がチームのために何ができるか。F東京初タイトルの裏に潜む勝負のあやだった。
 そして、だ。浦和にとってもこの敗戦の記憶は、実り多きものとなったことを歴史が教えてくれている。この04年、結局無冠に終わった浦和は翌05年度の天皇杯を皮切りに、06年のリーグ制覇、07年のACL優勝と、真の黄金期を築いていくことになる。

以上

【試合データ】
2004年11月3日(水・祝)国立/53,236人
F東京 0−0 浦和(延長0−0/PK4−2)

Reported by 井上俊樹

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【2009JリーグヤマザキナビスコカップFINAL】
2009年11月3日(火・祝)14:05キックオフ/国立
F東京 vs 川崎F
※チケットは完売!フジテレビ系列にて全国生中継されます(14:00〜試合終了)
★J’s GOAL ヤマザキナビスコカップ特集ページ