【全52クラブ網羅】担当ライターが10月時点で選ぶ「今年の漢字」:清水エスパルス

2015年10月30日(金)

J's GOALではリニューアルオープンの特別企画として、担当ライターが10月時点で選ぶ「今年の漢字」を連日掲載していきます。対象はもちろん明治安田生命J1、J2、J3の全52クラブ。各クラブを追い続けてきた担当ライターは、一体どんな漢字を選ぶのか!? 応援するクラブだけでなく、いろいろなクラブの「今年の漢字」をお楽しみください!

今年の漢字
1993年のJリーグ開幕以来、「オリジナル10」と言われる当初から参加の10クラブの中で、唯一の市民クラブとして大きな存在感を示し、つねにトップリーグで戦いながら栄光の歴史を築いてきた清水エスパルス。その誇りある“サッカーの街”のクラブが、J1の舞台から初めて落ちてしまったこと。それは地元のサッカーファンに大きな落胆を与え、全国のJリーグファンにもひとつの落日を印象づけた。

ただ、チームの凋落は、ギリギリで残留を決めた昨季に始まったことではない。
2005年から6年間続いた長谷川健太監督の時代は、それ以前の低迷から安定した力を取り戻し、タイトルも狙えるチームに復活した時期だった。だが、2010年末に起こった主力選手の大量流出をきっかけに、負の連鎖が始まる。
それまでに築いてきたチームの基盤や経験を若い選手に伝える存在がいなくなり、ゼロからベースを作り直そうとしたアフシン・ゴトビ監督は、日本人の力をうまく引き出し、若手を成長させる手腕に欠けていた。そのゴトビ監督を3年半も引っぱったことで、若い選手が期待どおりに力を伸ばせなかった面があるのは否めない。
20歳までの世代別日本代表に選ばれていた選手は多いが、最新のU-22日本代表に選出されたのはGK櫛引政敏1人だけ。J2降格が決まった後、日本人選手主体で臨んだ明治安田生命J1リーグ2ndステージ第15節・柏戦では、1人1人のプレーのクオリティーに明確な差が見られ、戦術やメンタルだけの問題ではないことがかえって浮き彫りになっていた。

また、2010年に選手が大量流出しながらも移籍金をあまり獲得できなかった失敗以降、複数年契約を増やしすぎて、逆に今季は一時35人を超えるほどの大所帯に。その中にはプレースタイルが重なる選手も多く、2人分、3人分の予算を実力もリーダーシップもある1人に集中できていれば…と感じるのも正直なところ。強化費用の選択と集中がうまく行われていたとは言いがたく、そこは監督よりも強化部の問題だろう。

個人的には、そうした2010年以降のチーム運営や人事に関する失策の連続が、J2降格に至った最大の原因だと考えている。それも踏まえて抜本的なところから改革を断行し、クラブとして長期的にどんな方向を目指すのか明確に示すことができなければ、J1に戻ったとしても苦しい戦いが続くだろうし、サポーターも納得できないのではないだろうか。

2015.10.26 Reported by 前島芳雄

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