【名古屋 vs 甲府】 担当ライター“一問一答”

2015年11月6日(金)

「担当ライター“一問一答”」は、対戦する両クラブの記者が質問と答えをぶつけあう新企画です!

明治安田生命J1リーグ 2nd 第16節
11月7日(土)14:00KO 豊田ス
名古屋グランパス vs ヴァンフォーレ甲府

★名古屋から甲府へ
Q
今季の甲府では阿部拓馬と阿部翔平のダブル阿部にいい印象を持っているのですが、彼らの今季のパフォーマンスやチーム内での役割がどうだったか、そしてここ最近のパフォーマンスについて教えてください。
(名古屋担当:今井雄一朗)

A
阿部拓馬と阿部翔平は甲府の選手の中でスペシャルな技術を持つ貴重な選手です。阿部拓馬は、ゴールを決めるために個で局面を打開できる貴重なFWで、彼自身のゴールだけでなくチャンスメイクでも大きく貢献してくれています。城福浩前監督(現・解説者)に、「2015年の甲府の最大の補強は阿部拓馬の残留」と言わせるほどスーパー。アタッキングサードにボールを運ぶ方法・狙いはチームによって違いますが、ペナルティエリア付近のガチャガチャ混雑したスペースで仕掛けたときに相手DFが伸ばした足にボールが当たっても失わずに拾い直し、最後は身体を入れて抜いていくテクニックは職人技。職人だけに、いろいろ指図されることが好きではない感じがプンプンしますが、我を押し殺し、前線に人数を掛けることが難しい甲府の戦い方の中で、少ないチャンスに局面を打開する決定機創造で大きく貢献してくれています。ただ、サッカーが好き過ぎるのか全体練習後の自主練習の時間が終わっても若手とずっとボールを蹴っているので、夏場は疲労の蓄積を心配しました。が、秋になって再びコンディションは良くなっている感じです。ワントップのバレーとはクリスマスカードを交換し合う程の友情は温まっていないかもしれませんが、ショートカウンターからのボールの交換は悪くない感じなので、コンビネーションとお互いの精度が合えば9月5日(天皇杯2回戦)以来のゴールもあると期待しています。

阿部翔平の左足の精度が高いことは知られていますが、それと同じくらいすごいと思うのはタフだということです。市立船橋高校サッカー部OBの凄さかもしれません。ここまでのリーグ戦は全試合先発・フル出場です。また、紅白戦のなかでも、いくつかのポジションは選手を入れ替えて次の試合の交代や戦術変更のシミュレーションをしますが、阿部翔平は交代なしの出ずっぱりがほとんど。ゴールを決める、アシストをするという分かりやすい貢献だけでなく、サイドでの攻撃の組み立てと粘り強い守備という記録には残らない部分での貢献も大きい選手。さすがに夏場の不規則なリーグ戦のスケジュールの中で少し疲労している感じはありましたが、ここ最近は試合間隔が開き、2週連続の週休2日ということもあってだいぶんリフレッシュした感じはあります。

この2人は左サイドで縦の関係になっていますが、ともに”阿部”だけに呼び方がどうなるのか開幕前から気になっていましたが、阿部翔平は「阿部ちゃん」で落ち着き、阿部拓馬は「阿部ちゃん」を取られてしまって、「拓馬」、「アベタク」あたりが定番となりました。ただ、左のストッパーには津田“琢磨(タクマ)”がいるので左サイドはFWとMFで”阿部”かぶり、FWとCBで“タクマ”かぶりとちょっとややこしい関係が成立。佐久間悟監督は直感的に選手の名前を呼ぶので、阿部拓馬を呼ぶ時には「拓馬」、「アベタク」、「阿部ちゃん」をランダムに総動員する上に、「タク」とオリジナルも使いこなすので、練習を見ていて面白いです。ただ、誰も“阿部”とは呼ばないのがちょっと不思議…。
(甲府担当:松尾潤)


★甲府から名古屋へ
Q
第12節から、田中マルクス闘莉王選手をFWに起用した4-4-2にスタートポジションを変更して2勝1分1敗と結果がついてきました。ただ、2トップのパートナーは野田隆之介選手、川又堅碁選手、ノヴァコヴィッチ選手と固定されていませんが、闘莉王選手のFW起用のストロングポイントとウイークポイントを教えてください。
(甲府担当:松尾潤)

A
闘莉王選手のFW起用の最大の利点は前線に起点が生まれることです。競り合いの強さは言うまでもなく、サイズを活かしたボールの収まりも抜群。足元の技術も非常に高いので、ポストプレーの精度は純粋なFWとして見てもリーグトップクラスにある選手です。しっかりとしたビルドアップを加速する役割はもちろんのこと、苦しい状況でのロングフィードもマイボールにしてくれるので、守備から攻撃に移ったチームを落ち着かせることができます。

また、彼はサッカーをよく知っている選手で、あらゆる状況、パートナー、戦術に合わせて自分の動きを変えられる強みもあります。川又選手、野田選手、ノヴァコヴィッチ選手と前線の相棒は次々と代わってきましたが、タイプの違うFWたちを活かすプレーでコンビを成立させてきました。現状のパートナーの第一候補であるノヴァコヴィッチ選手も「我々はうまくプレーできている」と手応えを感じており、ストレスなくピッチに立てているようです。

何より闘莉王選手はシュート技術が非常に高く、シュート練習ではいつもチームトップの決定率を誇ります。ヘディングの技術に代表される、浮き球を処理する能力は惚れ惚れするほど。胸トラップからのシュートは“THE 闘莉王”ともいうべき鉄板のパターンです。このあたりを買ってか、西野朗監督は昨シーズンから既に本格的なFW起用を検討しているほどでした。

ウイークポイントは…特にはありませんが、選手のタイプとしてあまり走り回るタイプではないため、フォアチェックの量には期待できないところでしょうか。質の面でいえば神戸戦の小川選手のゴールを生んだスライディングなど、リーグトップクラスの守備スキルを持ったFWという恐ろしい存在ではあるのですが。このあたりを周囲の選手がどれだけカバーできるかが、闘莉王選手のFW起用におけるカギだったりもします。
(名古屋担当:今井雄一朗)
豊田スタジアム(名古屋グランパス)
みんなの総合評価 (4.4)
臨場感 (4.7)
アクセス (3.4)
イベント充実 (4.1)
グルメ (4.0)
アウェイお楽しみ (3.8)

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