【ニューカマー・レコメンド】関東大学2部の控えからJ2へ 平の3年間:平智広(町田→東京V)

2016年2月22日(月)

2016シーズン開幕!ニューカマー・レコメンド
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「痛っ!」。それが平智広の東京ヴェルディ移籍を聞いた率直な感想だった。

2015年のJ3リーグで、平はチームの副キャプテンを任され、30試合に出場している。しかし終盤の守備固め的な起用が大半で、13年、14年と守ってきた定位置を失ってしまった。昨季は第4節・富山戦で退場処分を受け、そこから新加入の増田繁人(現新潟)が結果を出し続けたからだ。

一方で「平がベンチにいる」ことから生まれる安心感は大きかった。DFラインはカードトラブルの起こりやすいポジションだが「レギュラーがいなくなったらどうしよう」という不安感が、昨季の町田は皆無だった。平は能力が高いだけでなく、3つのポジションが務まる。182㎝・77㎏という逞しい体躯を持つ彼の本職はCBだが、左SBやボランチとしても十分に計算が立った。屈強さとゲームメイクのセンス、運動量を兼ね備えたオールラウンドプレイヤーだからだ。

ヴェルディに移籍した平は、開幕前のニューイヤーカップ沖縄ラウンドで3試合連続先発を果たしている。そんな能力の持ち主をベンチに置いてJ3のリーグ戦を戦えた昨季の町田は、何と恵まれていたのか!

昨季の平がもっとも輝いたのは天皇杯だった。町田はGK高原寿康、キャプテンのMF李漢宰といった不動の主力を外し、若手中心のメンバーで天皇杯に臨んでいた。リーグ戦、昇格争いへの影響を避けたとも言えるし、チーム力を底上げするという前向きな狙いもあった。平は主にボランチで起用され、ゲームキャプテンも任され、名古屋グランパスやアビスパ福岡を倒す原動力になった。NHK-BSの天皇杯ラウンド16抽選特番では相馬直樹監督と生中継に登場し“ゴールデンタイムデビュー”も果たした。どちらかと言うと堅い、重いキャラクターの彼だが、ピッチ内外の役目をしっかりこなしていた。1-7と打ちのめされた4回戦・浦和戦でも平は一矢を報いるスーパーゴールを決め、町田躍進の象徴になった。

シーズン終盤の活躍も光った。第38節・秋田戦で増田の出場停止に伴い先発し、完封勝利に貢献。最終39節・長野戦とJ2・J3入れ替え戦(H&A)では、松本怜大の負傷に伴い左SBで起用された。つまり勝負どころの4試合で平がチームの“穴”を埋めた。その存在感も含めて、リーグ戦出場時間数だけでは測れない貢献をしていた。

そんな平が当時JFLだった町田に加入した理由は、大学4年次の挫折が原因だった。東京ヴェルディユースから法政大に進んだ平は下級生の頃から出番を得ていたが、2年生の秋に関東2部降格を経験。1部昇格を賭けた最後のシーズンは、他の4年生と共に“干されて”しまう……。そんな彼にとっては辛い経験があったからこそ、町田があれだけの人材を拾えたのだろう。

平が町田入りしたときの監督は秋田豊氏。秋田監督は半年で退任してしまったが、平にとっては大恩人と言い得る存在だ。平は秋田監督の指導でヘディング、球際のバトルと言った強みを磨き、その抜擢に応えて成長していった。

本音を言えばまだ喪失感は消えていないが、町田には町田の、ヴェルディにはヴェルディの戦いがもう始まる。平にとって高校3年間を過ごしたヴェルディは特別なチーム。きっと有意義なチャレンジになるだろう。J1昇格に貢献し、我々が「平智広は町田が育てた」と胸を張れるような活躍を見せてほしい。

以上

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★東京ヴェルディシーズン開幕戦!★
明治安田生命J2リーグ 第1節
2016年2月28日(日)13:00キックオフ/味の素スタジアム
東京ヴェルディ vs 北海道コンサドーレ札幌
チケット好評発売中!

2016.02.22 Reported by 大島和人

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