【ニューカマー・レコメンド】見る者の目を欺くトリックで決定機を作り出す個性派アタッカー:前田俊介(札幌→鳥取)

2016年2月22日(月)

2016シーズン開幕!ニューカマー・レコメンド
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(C)J.LEAGUE PHOTOS
プロサッカーの世界では数年スパンで戦術のトレンドが目まぐるしく変化していく。攻撃的なスタイルが繁栄すれば、それを封じるための守備戦術が生み出され、より研ぎ澄まされていく。すると今度は固い守備網が構築される前に崩しきるシュートカウンターが台頭したり。いずれにせよ、数年前に主流だった戦術が気が付いてみると「クラシック」と評されるようになったり、その逆もまたしかり。諸行無常な世界である。

しかし、である。そうやって組織としてのサッカーがより洗練されていく日々ではあるが、いや、「だからこそ」と言うべきなのかもしれない。観る者の心を一段と強く揺さぶるのは、組織から逸脱した個のマジックなのだろう。理屈では説明できないアイデアやトリッキーさというものは、どんな時代にも不変に愛される。

そんな“違い”を作り出す存在のひとり、と評せるのが前田俊介という男だろう。広島ユース所属時からトップチームでも活躍し、並外れたテクニックで周囲を手玉にとってきた。予想もつかないようなアイデアとボールタッチで異彩を放ってきた。

キャラクターとのギャップもそのプレースタイルをより魅力的にする。練習後に前田の話を聞こうと報道陣が声をかけると「頑張ります。調子はいいですよ」と、いつも一言二言、淡々と。試合後も「とにかくチームが勝ててよかったです」「チームが勝てずに残念」というシンプルな言葉に終始。しかし、そうした淡々とした対応がまったくネガティブに感じないのは、ピッチ上で見せるプレーぶりがそれを凌駕するほどに饒舌だからだ。

ハイスピードなパスをピタリと難なく足下に止めると、足の裏を使った独特のボールキープで相手との間合いを詰め、2~3人を一気に抜き去って心憎いコントロールシュートを沈めてみせる。予想もつかないタイミングでのヒールパスが一瞬にして決定機を作り出すことも。

そのアイデアやプレーのタイミングはあまりにも独特であるため、簡単にはジグゾーパズルのラストピースとしてハマったり、歯車のひとつには収まらない。形やリズムが1人だけ異なる。そして、そのズレこそが見る者の目を惹きつけ、欺き、そして興奮を呼ぶ。

スタジアムを沸かせるトリックのタネや仕掛けは明快だ。“とにかく上手い”。ただそれだけである。

他人とは異なる、独特の感性で我々の心を揺さぶる。それが前田俊介という男だ。

以上

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★ガイナーレ鳥取シーズン開幕戦!★
明治安田生命J3リーグ 第1節
2016年3月13日(日)13:00キックオフ/栃木県グリーンスタジアム
栃木SC vs ガイナーレ鳥取
チケット好評発売中!

2016.02.22 Reported by 斉藤宏則

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