【福岡 vs 柏】 ウォーミングアップコラム:あらゆる場面で高い能力を持つ邦本宜裕。Jの舞台での覚醒が見たい!

2016年3月22日(火)

「ウォーミングアップコラム」は、試合に向けてのワクワク感を高める新企画。ホームクラブの担当ライターが、いろんな視点から、いろんなテイストでみなさんに情報をお届けします!
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5年振りにJ1を戦う福岡は、様々な経験を糧にしながら、まずはJ1に定着するにふさわしいチームになるべく、着実に歩ずつ足を進めている。残念ながら勝利はまだない。しかし、慌てる必要はない。試合の結果に一喜一憂せず、自分たちのやるべきことから目をそらすことなく、そして、試合を重ねながら確実に積み上げていく姿は昨年と同じ。その姿勢が続く限り、厳しいJ1の舞台でも必ず結果が手に入る。第4節磐田戦で先発フル出場を果たしたダニルソンも「このチームメイトと一緒に、いいシーズンが送れるのではないかと十分に感じている」と話す。

そして23日、福岡はレベルファイブスタジアムで5年振りのヤマザキナビスコカップを戦う。リーグ戦形式で行われるグループステージを経て、各グループ上位2チームと、ACL出場4チームの合計8チームのトーナメント制によるノックアウトステージを戦ってチャンピオンを決定するヤマザキナビスコカップは、リーグ戦とは大会方式が違うこともあって、必ずしもJリーグ上位チームが勝ち進むとは限らない。どのチームにも等しくチャンスがある大会でもあり、もちろん、福岡も上位進出を目指す。

また、リーグ戦と並行して行われるため、ハードスケジュールの中でベストパフォーマンスを発揮するために、各チームとも総力戦で臨むのが一般的。リーグ戦では出場機会のない若手が起用されるケースも多く、カップ戦のJリーグチャンピオンを決定する大会であるのと同時に「若手の登竜門」と呼ばれる所以でもある。特に、U-23日本代表のポルトガル遠征、U-19代表が出場するバーレーンU-19カップと重なる第1戦では、それぞれの選手が抜けたポジションに新たな選手が登場する可能性が高い。

そういう意味では、福岡で最も注目されているのが邦本宜裕だ。バーレーンU-19カップのメンバーとして召集されながらも、チーム事情により辞退。井原正巳監督は多くを語らないが、ヤマザキナビスコカップの戦力として計算してのことであることは疑いの余地がない。昨シーズン、若干17歳で福岡とプロ契約を結んだ逸材で、福岡での公式戦デビューは、同年4月26日に行われた第9節の岐阜戦。今シーズンの開幕戦に84分から出場し、J1デビューを飾っている。

柔らかなボールタッチを特長とする高い技術はチーム1と言っても過言ではない。左右の区別なく両足を操り、鮮やかな弾道を描く柔らかなボールを出したかと思えば、直線的な弾道の強烈なキックも放つ。雁の巣球技場で行われた戦術トレーニングでは、自分を囲む3人をターン一発で置き去りにして報道陣から、どよめきが起こったこともある。登録はFWだが、高い技術を活かしたドリブル突破に加えて、視野が広くパスも操れる万能タイプ。イメージとしては、突破もでき、点も取れるゲームメーカー。今シーズンはボランチの位置に入ってプレーすることも多い。

「決定的な仕事が出来る選手」とは井原監督の邦本評。プレシーズンでは、トップチームの一員としてトレーニングマッチでプレーする時間が長かったことからも、邦本に対する期待の大きさが窺える。しかしながら、同点ゴールを奪うための最後の切り札として投入された開幕戦では「自分の特長を出せなかった」(邦本)というように、何もさせてもらえなかった。井原監督も「全然だめだった」と厳しい評価を下すが、それも期待の表れだ。

邦本の起用が先発なのか、途中出場なのか。ポジションはFWなのか、SHなのか、それともボランチなのか。どのポジションでも、高い能力を発揮する選手だけに、彼がどのタイミングで、何をするのかを想像するだけでも楽しい。そして、サッカーそのものが戦術重視に変わっていく過程で、邦本のような技術、プレースタイルを持つ選手は少なくなったが、彼の能力とチーム戦術が重なった時、彼のサッカー人生が大きく変わる可能性は高い。そういう意味では、ヤマザキナビスコカップは、邦本の今後のプロ生活に大きく影響する大会。福岡サポーターなら、そんな大会での彼のプレーを見逃すわけにはいかない。

文:中倉一志(福岡担当)


ヤマザキナビスコカップ 第1節
3月23日(水)19:00KO レベスタ
アビスパ福岡 vs 柏レイソル
レベルファイブスタジアム(アビスパ福岡)
みんなの総合評価 (4.2)
臨場感 (4.2)
アクセス (4.3)
イベント充実 (3.6)
グルメ (3.8)
アウェイお楽しみ (3.6)