【京都 vs 山形】 ウォーミングアップコラム:京都の志向性について、ちょっと語ってみたいのです

2016年4月2日(土)

「ウォーミングアップコラム」は、試合に向けてのワクワク感を高める新企画。ホームクラブの担当ライターが、いろんな視点から、いろんなテイストでみなさんに情報をお届けします!
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今節も、山形戦の試合展望や意気込みコメントなどはJリーグ.JPや京都サンガF.C.公式サイトのプレビューにお任せし、サンガフレンズスクエアのイベント情報をと、予定していた、のだが、今季初黒星で風雲急を告げる不穏な展開。そこで今節は、この場を借りて、今、取り組んでいる京都のサッカーについて少し触れます。

取り上げるのは「攻撃の要点」。「攻撃の要点」は石丸清隆監督がよく口にする「相手を動かして」とか「相手(状況)を観て」。これがメイン、基軸となる。
この「相手を動かす」とはどういうことか? 具体的にメンバー名と事例を挙げてイメージしていく。(メンバーは札幌戦のスタメンと、その時と同じフォーメーション)

○ケース1
【右センターバック・菅沼駿哉がボールを保持している場面】
A:右サイドバックの石櫃洋祐にパス出す構えをする。それを観た相手サイドハーフが外に動く。「外に動く」ということは、その逆の中側にスペースが出来るということ。そこに山瀬功治が顔を出せば、菅沼→山瀬へパスが通る。
B:石櫃へ出そうとしても相手が動かない。だから、石櫃の足元へボールを送れる。相手が石櫃に猛然とチェックに向かう。石櫃が菅沼へ戻す。相手が石櫃に寄っているので、相手の中側が空く。そこへ山瀬が顔を出す。菅沼→山瀬へパスが通る。

「相手が動けば、その逆が空く」。実に簡単な理屈。相手が外へ2m動けば、その逆側2mはスペースになる。相手を右に動かせば、左がスペース。左に動かせば、その逆の右がスペースだ。

○ケース2
【ボール保持者・菅沼に、相手FWが斜めにアプローチに来た】
A:FWが動いた後のスペースにアンドレイが入る。菅沼はそこに出したいが、相手FWがパスコースを消して向かって来ているので出せない。だから別の、山瀬にパスを出す。山瀬はダイレクトでアンドレイに送る。相手FWの空けたスペースでアンドレイがボールを受けることが出来る。
B:同様に、相手FWのアプローチで出来たスペースにアンドレイが入る。菅沼は前に出せないと判断し、後ろの染谷悠太に出す。染谷がダイレクトでアンドレイにパス。アンドレイが前を向く。

相手が動いた時にスペースが出来るが、そのアプローチでパスコースが無い場合も、当然ある。だが、周りの選手を経由することでボールを送れる。この時の形は三角形(トライアングル)になる。これを実現させるためには、周りの選手の「ポジショニング」と「ボールを受ける角度」がポイントになる。

「相手を動かす」、「相手(状況)を観る」ことから、これだけのプレーがイメージできる。これらを駆使して、ボールを前に運んで行こうというのが今の京都のサッカーの軸。さらに、この発展形は非常に期待を持たせてくれる攻略法で、言うならば「縦に相手を動かす」だ。

○ケース3 縦に相手を動かす
【ケース2の延長で、中盤のアンドレイがボールを受けて前を向く】
相手セントラルMFがアンドレイにアプローチに出る。相手が前に出るということは、その後ろにスペースが出来る。そこにイ・ヨンジェが入る。アンドレイからイ・ヨンジェへの直接パスは相手がいるので通せない。だから、山瀬や佐藤健太郎らを経由して、イ・ヨンジェへ送る。

ごく当たり前のことだが、こうすれば簡単にアタッキングサードへ入ることができる。
これも、石丸監督が言う「相手を動かす」「相手を(状況)を観る」である。相手中盤が前に出てくれるから、後ろにスペースが出来る。
「相手中盤が前に出て来ない内に、トライアングルを作ってパスを送る」ことも出来る。だが、それではパスを受けても狭くなるし、相手中盤のプレスバックもある。でも、相手中盤を前に引き出すことが出来れば、相手最終ラインと中盤の間にスペースができる。そこでパスを受けられれば「状況を判断する時間が出来る」ということでもある。これらのことを実現させるためにも「相手を動かそう」とする。
もし、相手が動かなかったら? もし相手が動かなかったら、アプローチに来ないので最終ラインのビルドアップはやり易くなる。ビルドアップの時にフリーで前を向けるのなら、前線や中盤は相手の背後を取る動きや隙間で顔を出す動きを繰り返してチャンスを作ろうと出来る。

実は、札幌戦は「縦に相手を動かす」というのが随所に出来ていた。石丸監督もそれを「狙いの一つにしていた」と話していた。札幌の積極的なアプローチの逆手を取った訳だ。ただ、「何度か出たけど、遅いよね。しかもそこからゴールに向かう迫力も出て来ないし、本当に『点を取りたい!』と思っているのかと、思っちゃうよね」(石丸監督)と苦言も出る。

で、ここまで来て、「じゃあ、何で京都は勝てないの?」とツッコミが入ると思う。そこをこちらとしては考えないといけない。
選手が解っていないから? →でも、札幌戦では狙いとして出していた。例えば得点シーンなんかも、相手中盤の空いたスペースへ入り込む感じもあり、解っている選手もいるはず。
京都の選手のレベルが低いから? →もしそうなら、そんなレベルの高い要求をしている石丸監督を解任して、もっとレベルの低いことを提示する監督に指揮を任せるべきだろう。
まだ習熟の途中では? →そうかも知れないが、それがプレーで出せる頃、既に昇格レースから漏れていれば本末転倒(そこまでは言わないが)ではないか。表現できる様にもっと急いでもらわないと。

「なぜ京都は勝てないか?」の問いに簡潔に答えることはなかなか出来ない。だが「京都は方向性が見えなくなっている」という指摘は反論できるし、選手にはそれを証明して欲しいと、本当に強く思っている。

文:武田賢宗(京都担当)


明治安田生命J2リーグ 第6節
4月3日(日)16:00KO 西京極
京都サンガF.C. vs モンテディオ山形
たけびしスタジアム京都(京都サンガF.C.)
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