【北九州 vs 千葉】 ウォーミングアップコラム:苦境脱出のキーマン。チーム再結束へ、八角剛史が担う重責。

2016年8月10日(水)

「ウォーミングアップコラム」は、試合に向けてのワクワク感を高める新企画。ホームクラブの担当ライターが、いろんな視点から、いろんなテイストでみなさんに情報をお届けします!
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【写真】第25節、古巣の横浜FC戦で今季初出場した八角剛史

改めて北九州を俯瞰すれば、選手層は決して薄いわけではなく、やろうとしているサッカーもJ2を戦い抜くには決して見劣りするようなものではないはずだ。22位にいるようなチームではないはず。だが、はじめは取るに足らなかったほんのわずかの連係ミスや戦術のズレ、意識の差などといったクラックが、いまや水が漏れるに十分なヒビとなってしまった。時間が経てば癒える傷ではなかった。例えは正しくないかもしれないが、クラックの入った茶碗ならば水が伝い出ても漆で金継ぎし、元の通りに使う。人間の世界にもそういう役目を積極的に担い、同じユニフォームに袖を通す選手たちをもう一度ひとつのチームにまとめる人が必ずいる。北九州の場合は彼だ。

「キャンプから関わっていられれば、雰囲気は作れたかもしれないが、(復帰が)5月になってしまった。自分一人ではできなかったかもしれないが、そういう思いは感じている」。第25節、古巣の横浜FC戦で今季初出場した八角剛史の言葉だ。故障からのリハビリをしながら見ているチームは次第に下降線をたどり、復帰を果たした時にはチームは降格圏を彷徨っていた。「全体的に危機感を持たないといけない。早い人は5月くらいには気づいていたと思うが共通意識に持っていかないといけないし、一人一人が感じていないといけない」と力を込める。

八角は手を抜いたプレーを許さぬ強いメンタリティの持ち主。試合に出てチームの意識を何とかしたかったが、口調からは「スタメンで出てプレーしないと説得力がない」という悔しさがにじむ。ただ、コンディションは復調傾向にあり、90分とまではいかなくとも長時間の出場に耐えうるだけの体力が戻ってきた。炎天下で行われた8月1日の山口との練習試合でも60分間にわたって出場し、チームの無失点に貢献した。「チームは力の入れどころや、力の抜きどころが勝っているときとは逆になっている」と分析し、「自分が入ることで(いいときのサッカーを)思い出させることができればと思う」と話す。

今回からリーグ戦ではホーム2連戦となり、本城で前回以上の出番を求めて調整を急ぐ。八角には守備面に加えて、チームをもう一度束ねる金継ぎの役が求められている。「負けていると精神的な体力も落ちてくるので、ミスをしてもピンチにならないようにしたい。『大丈夫だよ』という声一つでも変わると思うので、そういうことはやりたい」。チーム再建へ、重責を背負いピッチに立つ。

文:上田真之介(北九州担当)


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