【京都 vs 岐阜】 ウォーミングアップコラム:ビルドアップに技術をプラスして、アイデア豊富にゴールを狙え!

2016年10月15日(土)

「ウォーミングアップコラム」は、試合に向けてのワクワク感を高める新企画。ホームクラブの担当ライターが、いろんな視点から、いろんなテイストでみなさんに情報をお届けします!
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京都は前節、千葉に3-0で快勝。これまでの「しっかりとつなぐ」という考えを基本にしつつ、「シンプルにチャンスと思えば出ていくべき」(石丸清隆監督【写真】)と発想を単純化。それを実践し、ゴールに何度も迫った選手たち。指揮官は結果を出した選手を称えていた。何よりも、ゴールが生まれ、チーム全体にポジティブな雰囲気が高まるのは非常に良いことで、次への意欲も湧いてくる。
今節の相手は岐阜。千葉とは一変して、守りを固めてきそうな相手だが、監督は「パス&ゴーでスペースを作っていければ……」と口にしていた。今節も、ゴールに向かって走り出せるサッカーに期待したい。

○ビルドアップとは何か?
今回、少し、ビルドアップについて考察してみたい。ビルドアップというのは、ゲームの組み立てや展開のことを指す訳だが、その肝要は「相手を振りまわせる位置で、自分たちは周りを見渡し、ボールを保持すること」だと思う。
「相手を振りまわす位置」とは、その位置から即、「ゴールに向かう人」にボールを送ることが出来、そこを締められても、「サイド」に送って仕掛けられる、というエリアのこと。「そんな位置で周りを見渡すことが出来ればゲームを優位に進められるはず」という考え方である。そうなると当然、その位置は、サイドよりも「中央」のエリアとなる。
中央と言っても、相手の前線よりも後ろならば「ゴールに向かう人」との距離が遠くなる。だから、相手の前線のラインは越えたい。だが、そこを超えれば相手中盤が即、ボールに向かってくる。これをパスでいなしたり、ドリブルなどで一つ持ち出しかわしたりしながら、見渡せる視野を確保したいという訳。
これが上手いのが川崎F。大島僚太を中心に中盤で相手のプレスをいなし、相手の中盤がボールを奪いに前に出てくれば、大島はその後ろのスペースを突いて行く。「ゲームを組み立てる人」から「ゴールに向かう人」に役割を変えて決定機を演出する。
逆に、このエリアを使わないのが松本。最終ラインから高崎の頭ですらしてスペースを狙う。或いは最終ラインからのロングボールで2列目が一気に裏を狙う。中盤のつなぎを重要視している様には見えなかった。ただし、ロングボール後のこぼれ球回収の力強さは特筆ものだった。

第34節の金沢戦の後半、金沢FWは、佐藤健太郎へのパスコースを切る守備をし、同時に金沢ボランチが佐藤を挟み込む態勢を作った。これで京都は金沢FWと中盤の間のスペースを使うことができず、金沢FWの前でサイドに振ることになる。それは、金沢ブロックとしては守り易くなる。これを「金沢の京都対策」と観てはいけない。これは「相手の組み立てを封じ込める」、ごく普通の守備体系である。

○ビルドアップで重宝したい技術
相手も必死になって「ゲームの組み立て」を阻止してくる。それをいなすためにどうするか? その工夫を考えるのもゲームの醍醐味ではないか。例えば、中盤の人数を増やすのも手だろう。「サイド」のポジションを、相手サイドハーフを引っ張れる位置にし、出来たスペースを利用しながら「ゲームを組み立てる人」の人数と位置を工夫する、とか。

ここで、もう一つピックアップしたい技術がある。「リターンパス」である。これは実は、奥深い技術だと思っている。例えば、センターバック(CB)とボランチがパス交換する時、相手FW一人がボランチに喰い付いたとする。ボランチがCBに返す。すると相手FWが喰い付きを緩める。CBがまたボランチにボールを付ける。これを繰り返すと、最初は前を向けなかったボランチが前を向けたりすることがある。いわゆる「パスを回すことで相手のプレスが弱まる」という現象だ。
パスで相手を喰い付かせて、また戻す。それだけでも「相手を動かせる」。さらに、リターンパスを繰り返すことで「受け手が前を向くタイミングを作れる」。
また、足元に戻さずに、例えば、ボランチからCBに返す時に、前のスペースに送ることで「上がりを促す」ことも出来る。リターンパスはダイレクトでなくても、トラップして「間」を作るのも面白い。
このリターンパスの変化形(?)が「ワンツーパス」で、仕掛けの時はもちろん、ビルドアップ時でも相手のマークをはがすのに有効なパス技術である。
「展開の大きさ」で言えば難はあるし、リターンパスを狙われて奪われればピンチを招くが、「リターンパス」や「ワンツーパス」は、ビルドアップでは重宝したい技術だと思っている。選手、チームの引き出しに是非、常備して欲しいと思う。

冒頭で石丸監督が口にした「パス&ゴー」も、相手のマークをはがすのに大変有効な技術。「しっかりポジション取りをしてパスを受ける」のも大事だが、「『ワンツーパス』や『パス&ゴー』で動きを出すのも見応えは抜群」。アイデアを豊富に、今節も積極的にゴールに向かって欲しいところだ。

文:武田賢宗(京都担当)


明治安田生命J2リーグ 第36節
10月16日(日)15:00KO 西京極
京都サンガF.C. vs FC岐阜
たけびしスタジアム京都(京都サンガF.C.)
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