【全53クラブ網羅】担当ライターが選ぶ「今年の漢字」:清水エスパルス

2016年12月24日(土)

今季も色んなことがありましたね。J's GOALでは年末企画として「今年の漢字」を連日掲載! サポーターの皆様と同じく、クラブを見守り続けた担当ライターが選んだ漢字とは? 応援するクラブだけでなく様々なクラブの「今年の漢字」をお楽しみください!
----------------


今年の清水エスパルスのいちばん大きな出来事は、1年でJ1に「復帰」するという目標を何とかクリアしたこと。自動昇格は本当に土壇場でギリギリつかんだものだったが、その「何とか」の部分に大きな価値がある。
小林伸二監督の下でJ1復帰に挑んだ清水は、単に結果を求めるだけでなく、チームのベースを作り直すという作業に取り組んできた。さらに、小林監督が得意とする若い選手を成長させるという部分にも時間をかけて取り組んできたので、プレシーズンのチーム作りを見ていて「こんなにじっくりやっていて大丈夫なの?」と感じることもあった。

案の定、開幕当初はなかなか点が取れず、ホームでは開幕から4試合無得点と大いに苦しむ。やっとホームで初勝利したのは、開幕から2カ月後の第10節・金沢戦。昨年から数えると、じつに11カ月ぶりのホームでの勝利だった。その後、少しずつ点が取れるようになってきたかと思えば、今度はイージーな失点が増え、攻守のバランスをとるのに苦労する。
それが整い始めたのが、8-0というJ2新記録の大勝をした第15節・群馬戦(5月28日)あたりから。そこで戦術面の修正もあって、戦い方の方向性が定まり、若い金子翔太、松原后、北川航也らが急成長を見せ、中堅やベテラン陣も自分の持ち味を存分に発揮し始めた。
その後も、第27節の札幌戦や第33節の松本戦など、肝心なところで勝ちきれない面も見られたが、第34節・C大阪戦で劇的な逆転勝利をしてから波に乗り、そこから最終節まで9連勝。残り9試合で勝点7差だった松本を逆転し、滑り込みで自動昇格を成し遂げた。

以前に小林監督が指揮したチームも、シーズン終盤になってグーンと力を伸ばしていったケースが多く、それを“小林曲線”と呼ぶ人もいる。今年の清水に関しては、その小林曲線がもっとも急カーブを描いた例と言えるだろう。
戦い方の下地作りと選手たちの成長が徐々に重なり、その相乗効果があるレベルに達すると、急にチーム力が上がったように見える。小林監督はそのことを「ジャンプする」と表現しているが、最後の最後で大きなジャンプを見せた清水。昨年はジャンプするために必要な土台を失っていたが、1年で土台を「復活」させることにも成功した。
清水が「完全復活」したと言えるようになるには、J1で上位に食い込む力をつけるまで待たなければならないが、そのための基礎は今年1年でかなり固まってきたと言えるだろう。

2016.12.24 Reported by 前島 芳雄

各クラブの「今年の漢字」の一覧はこちら!

みんなの口コミで作る「スタジアムナビ」
全スタジアムの新着投稿フォト

編集部オリジナル特集

移籍情報