【ニューカマー・レコメンド】測りきれない高橋秀人の限界値:高橋秀人(FC東京→神戸)

2017年2月21日(火)

2017シーズン開幕!ニューカマー・レコメンド
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(C)J.LEAGUE PHOTOS
実は、そのスケール感を測りきれない選手でもあった。FC東京では最終ラインの前に立ち、フィルターとなってチームに安定感をもたらしてきた。網目の中にあってポジションを崩さず、周囲と連係して狩りを行う。ただ、それを度外視したところに高橋秀人という選手の面白さがあった。

183センチの長身でありながらも、決して運動量が少ない選手ではない。また、主力となった2011年以降 、毎年のように必ず公式戦で得点を記録してきた。もちろん空中戦に強く、しっかりと対面した相手をつぶせ、ここぞという要所では泥仕事をいとわない。細心の気配りをしながら、ときに大胆な決断を下す。そんな中盤の門番が発した忘れられない言葉がある。

試合出場を重ね始めた6年前のことだった。「自分の現在地が分からなくなった」と言い、こう声にしている。

「もっと自分はできるはず、もっとやらなきゃいけないと思う。でも、ふとしたときに、これが限界なのかもと思うときがある。だけど、いちいち考えても始まらない。今はもだえるしかない」

自分を「決してポジティブなタイプではない」という彼らしいフレーズだが、妙に合点がいく試合があった。

その言葉から4年後 の2015年10月の本拠地浦和戦。3-4で敗れた試合だが、この一戦の後半に見せた鬼気迫る高橋のパフォーマンスは、鮮烈な記憶として脳裏に残る。

1-4まで点差が離れ、絶望的な状況下で高橋が意地を見せた。74分に太田宏介のクロスを頭で合わせて反撃ののろしを上げると、その10分後にもゴール前の混戦から右足で押し込んで1点差にまで詰め寄った。

まるで、何かに突き動かされるようにゴール前へとなだれ込む姿には胸を打たれるモノがあった。そのプレーは、説明の言葉を持たない。そんなときほど、高橋秀人というプレーヤーは突然輝きを増す。

つまるところ、この選手の限界値はいまだ見えていない。ときに揺らぎながらも、プロとしてのキャリアを積み上げてきたFC東京を離れ、今季から神戸へと新天地を求めた。

今年で30歳を迎える。新たなクラブに身を慣らしていく過程で、どんな新たな顔を見せるのか。少し、いやかなり楽しみだ。自分が限界と決めた境界のあわいに、彼は立っている。それを突き抜けるのは、今年かもしれない。

以上

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★ヴィッセル神戸シーズン開幕戦!★
明治安田生命J1リーグ 第1節
2017年2月25日(土)14:00キックオフ/IAIスタジアム日本平
清水エスパルス vs ヴィッセル神戸

2017.02.21 Reported by 馬場康平

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