【ニューカマー・レコメンド】東海リーグ1部から駆け上がり、ついにJ2の舞台へ。苦労人ストライカー大石治寿の新たなる挑戦:大石治寿(栃木→山口)

2017年2月23日(木)

2017シーズン開幕!ニューカマー・レコメンド
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(C)J.LEAGUE PHOTOS
「自分はうまくないんで」

それが大石治寿の口癖だった。
色々なことが器用にできる選手ではない。昨季の栃木ではポストプレーも前線からの守備も求められたことはできるかぎりやろうと努力していた。
だが得意ではなかった。

ただ、大石は誰にも負けない一撃必殺の武器を持っていた。
それがストライカーとしてゴールを奪うこと。

「自分は人とサッカーをやらないんです。ゴールとサッカーをするんです」

ずっと寄り添うなかで見えるものがあった。大石にはゴールへの明確な道筋がある。特に、クロスボールへのゴールへの形、そして強みが明確にある。

事実、昨季の栃木で大石は11ゴールを奪ったが、そのうちクロスやCKから、ダイレクトボレーやヘディングで突き刺したゴールが8ゴール。相手のディフェンダーが警戒していてなお決め切れる、凄みがあった。

昨季の栃木は守備に重きを置き、決して攻撃回数は多くなかった。非公式のデータによれば、栃木の攻撃回数は、シーズン中に長らく首位を走りながら、16チーム中最下位に近い数字を残していた。栃木がゴールを奪うとすれば、カウンターか、CKなどのセットプレーからが主。そんな限られた状況下で、大石は、結果11ゴールという二桁の数字を残した。そして今オフ、レノファ山口FCへ移籍した。

かつて静岡学園から神奈川大学へ進学したとき、大学でのサッカーに馴染めずに路頭に迷った時期がある。大学を中退し、当時JFL所属だったFC刈谷に加入したのが2009年。その年の暮れ、チームは東海リーグ1部へ降格したが、そこで出会った加藤知弘コーチに薫陶を受け、現在のワンタッチゴーラーの礎を作っている。

「お前はゴールとサッカーをするんだ」

大石はFC刈谷時代の4年間で45ゴールを量産すると、14年にJ3藤枝MYFCへ移籍し、ステップアップを果たす。だが、このときはまだアマチュア契約だった。

「99%プロ契約はない」。

フロントにはそう断言されていた。時給の介護職をこなしながらの生活だったが、しかし大石は諦めていなかった。J3長野相手に一試合で4ゴールを奪うなど結果を残すと、この年の夏、ゴール数が8まで伸びたときに力づくでプロ契約を勝ち取った。

このシーズンに17ゴールを奪うと、翌15年シーズンは14ゴールをマーク。その後、J3で争奪戦となった大石は昨季栃木へ移籍し、再び二桁ゴールを記録した。そして今オフ、大石はさらなる上のカテゴリーとなるJ2の舞台へ、ついに足を踏み入れた。

「自分はサッカーの技術は劣るけれど、ゴールを決めるところは本当に自信を持ってやっているし、もっともっと上を目指してやってみたいんです。厳しいことを言われて、めちゃめちゃなことを言われて、ここまで成長してこられた。下手な選手なりに確固たる考え方は持っているから、それをもって上のレベルでチャレンジしてみたい。できないことのほうが多いと思うけど、絶対にできることもあると思うから」

苦労をしながら駆け上がった自身初となるJ2の舞台で、大石がどれだけのものをぶつけるのか、非常に楽しみである。

以上

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★レノファ山口FCシーズン開幕戦!★
明治安田生命J2リーグ 第1節
2017年2月26日(日)14:00キックオフ/岐阜メモリアルセンター長良川競技場
FC岐阜 vs レノファ山口FC

2017.02.23 Reported by 鈴木康浩

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