【ニューカマー・レコメンド】無邪気な心を持ってピッチでは邪気なし:千明聖典(大分→相模原)

2017年3月7日(火)

2017シーズン開幕!ニューカマー・レコメンド
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つかみどころがなく、飄々としているが、クスッと笑えるユーモアがある。それが“チーさん”こと千明聖典だ。口調は穏やかで、所作もゆっくり。慌てふためくところを見たことがない。そして、プレーも優雅だ。ボール回しのトラップひとつで、この男の技量が分かる。柔らかいタッチで足下に吸い寄せ、事もなげに浮き球のパスを通す。ボールに戯れるテクニシャンらしいプレーは、見ているだけで楽しい。

試合では全員が早く攻める意識が強く、相手の裏のスペースばかりを狙い、単調な攻撃に終始することを嫌う。敢えてワンテンポ遅らせて前線にパスを供給したかと思えば、一見ムダに見えるパスを入れて、相手がボールの行方を目で追う瞬間に、スッとし視野から消えてパスを受け、そこから大きな展開をつくる。

この何気ないプレーが実に優雅で『遊び心』があるのだ。千明いわく、「得点は遊び心がないと生まれない」。だからなのか、前線でフラフラ〜と顔を出し、パスを受けてはリターンし、またフラフラ〜と動き直す。千明のプレーには好選手には必ずあるゆったりとした間がある。

生真面目で監督の指示したことを的確に、馬車馬のように走る選手が多いなか、のらりくらりと場所を移す。その位置取りが絶妙なのだ。攻撃においては、味方がパスを出しやすいスペースに顔を出し、守備では相手のパスコースを消し、決定機を作らせない。玄人受けする職人技を見せたかと思えば、事もなげにパスを通して魅せる。スルーパスは憧れのプレーだ。特にMF天国の日本では、スルーパスの出し手がしばしばヒーローとして最大級のスポットを浴びる。

「パスは引き出されるものではなく、意図を持って出すものなんだ」と千明。自分の出したパスに反応して走ってほしいとチームメイトに求める。今どき珍しい王様タイプである。誤解されては困るが、彼が天才ぶりを発揮するのは何回かに1回である。それ以外は他の選手と同じようにチームの規律を守り、やるべきことを単純にプレーしている。淡々とプレーしているため頑張っている感が見えにくいが、チームがあって、自分がいるとの思いは強い。そこ思いを現したのがこの言葉。「無邪気な心を持ってピッチでは邪気なし」。金言である。

以上

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★SC相模原シーズン開幕戦!★
明治安田生命J3リーグ 第1節
2017年3月12日(日)13:00キックオフ/相模原ギオンスタジアム
SC相模原 vs AC長野パルセイロ

2017.03.07 Reported by 柚野真也

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