【北九州 vs YS横浜】 ウォーミングアップコラム:ミクスタに一足早く「熱い夏」。巻き返しへ、夏男・井上翔太が走り出す。

2017年4月29日(土)



先週の天皇杯1回戦ではカテゴリーの違いがあったとはいえ10得点で大勝。これを浮上のきっかけとしたい北九州は今節、YS横浜を迎え約1カ月ぶりにミクスタでのリーグ戦に臨む。

年間を通して日差しや風が強く、夏と冬しかないという表現が当てはまりそうな主練習場の新門司球技場。5月が目前に迫り、試合2日前の練習では季節の針はついに夏へと振れた。それでも涼しそうに走っていたのが井上翔太。「もっと暖かいほうがいいですよ」。24日に28歳になったばかりの「夏男」はからっとした空気をまとい、今年もエンジン全開だ。

昨季に引き続いて試合に出れば左のサイドハーフを任される。競争の激しいポジションで、ピッチ外から見る試合もあるが、開幕からの試合を「簡単なリーグではないし、自分たちのやりたいことがあまりできていない。チャンスは作れていても決めきれなかったり、締めるべきところを締められていない」と分析。サイドプレーヤーとして「2列目から飛び出したり、守備の部分ではサイドではめる。そういったのが基本」と話し、とりわけ決定的な場面作りのために上下動の質を高めている。

今季の北九州は全体としてはコンパクトな陣形で戦おうとしている。しかしながら、ちょっとしたミスからショートカウンターを食らったり、相手GKと1対1の好機を逸したりと、自分たちに原因がある形で結果を手放している。原田武男監督も「チャンスは多く作り出せているが、決定力がなかった。そこを上げないと勝負にならない」と厳しい言葉で話す。
決定力が一番重要なのはFWだが、決定的な場面そのものの回数増にはサイドアタッカーもカギを握る。指揮官はサイドの選手たちに対して、「足下で受けることも、スペースで受けることも、その二つは必要。受けたらどこに運ぶか。相手の嫌がるところにボールを運ぶように」と求める。

スペースへ動き、FWに効果的にパスを通す。賢いサッカーの実践には味方との信頼関係も大切。仲間を理解するには試合数がまだ少ないが、井上は新戦力のストロングポイントをつぶさに把握。「特徴は分かってきた。どういったプレーが好きかも分かってきているので、合わせれば問題はない」と頷く。

リーグ戦の巻き返しにはサイドアタッカーの躍動は欠かせない。決定機創出に走りつつ、28歳を自ら祝うゴールにも「決められるなら決めたい」と意気込みを語る。夏男、井上翔太。天を仰いだ春の苦い余韻を吹き飛ばし、ミクスタにも一足早い「熱い夏」を連れてくる。

文:上田真之介(北九州担当)


明治安田生命J3リーグ 第6節
4月30日(日)15:00KO ミクスタ
ギラヴァンツ北九州 vs Y.S.C.C.横浜