【山口 vs 松本】 ウォーミングアップコラム:きらめく星雄次のランニング。「みんなの分」まで駆け抜ける

2017年6月30日(金)


前節熊本戦の63分、1-0でリードしていた山口は右からのCKを得ていた。試合を通して山口が主導権を握っていただけに、追加点が入れば11試合ぶりの勝利は近くなる―。プレースキッカーは小野瀬康介。先制点の起点にもなった小野瀬が狙い通りに送ると、競り合いから逸れたボールを星雄次(写真)は左足で狙い澄ました。「こぼれてくるかなという予測で動いてはいた。うまく当たってくれました」。前半の岸田和人、そしてこの星のゴールで白星を確実に引き寄せた山口。今節は2連勝を目指す。

ゴールの感想を聞かれた星は、「嬉しいというよりは、まずはほっとしました」とはにかんだ。第15節山形戦の試合中に肉離れを起こし無念の戦線離脱。約1カ月間のブランクを経て6月21日の天皇杯2回戦に途中出場すると、その週末のリーグ戦でフル出場を果たした。とはいえ体力やゲーム勘が完全に戻ったわけではなく、本調子なら決められていたはずのシュートシーンを何度か逃し、「あれが3点目や4点目になっていれば良かったんですが…」。自分自身をたしなめ、「チャンスをもっと決めるようにやっていくだけです」と気持ちを入れ直した。

今季序盤は左サイドバックで出場。前節は1列高い位置でのプレーとなったが、ゴールに絡むための前へのランニング、守備を急ぐ戻りのランニングをすることは変わらない。山口の左サイドは昨季まで在籍した島屋八徳(徳島)がそうであったように、伝統的にフルガス(全力)で走れる選手が担う。星もそれは同じ。前半から飛ばすだけでなく、「相手が疲れていたら、より走ろうかなと思う」と終盤になっても走りを止めることはない。

チーム全体を見渡せば「運動量はまだ足りないかなと感じています」と指摘する。それは星に限らず、昨季までの山口を知る選手やサポーターの多くが抱く率直な感想だろう。山口が勝ち続けるためには、11人全員の運動量と迫力が不可欠だ。しかし、記者が星に「周りの運動量不足に不満を抱くことはないのか」と問いかけると、彼は真っ向から否定した。「それは思わないです。きつかったら走ってあげようと思うくらい。走れる人が走ればいいのかなと」。

勝つためにはどこまでも走っていく。今年は、昨季以上にみんなの分までピッチを縦断する。「まずは勝つこと。勝つために、チームが点が取れるように走りたい」。前半戦の総決算となる今節、走れる男、星雄次がまっすぐに突き進む。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第21節
7月1日(土)18:00KO 維新公園
レノファ山口FC vs 松本山雅FC