【千葉 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:熊谷アンドリューの初のポジションへの取り組みと期限付き移籍ならではの思い

2017年6月30日(金)


今季、横浜FMから期限付き移籍で加入した熊谷アンドリュー(写真)は、アンカーという未経験のポジションに取り組み、奮闘を見せている。開幕前はシステムがダブルボランチの場合はその一角、そしてアンカーとインサイドハーフという中盤で開幕を迎えるとインサイドハーフでプレーしてきた。だが、第6節・京都戦からそれまでアンカーだったアランダに代わってアンカーを務めるようになった。サッカー人生のほとんどでボランチとしてプレーしてきた熊谷だが、その時は全てダブルボランチの一角だった。

「アンカーを初めてやってみて、いろいろと大変な部分もあるんですけど、ボールを多く触れるので楽しんでやっています。インサイドハーフでもアンカーでも(フアン エスナイデル)監督から今までにはなかった要求をしてもらっているので、どのポジションになっても勉強になって、プレーの幅が広がっているなというのを自分で感じています。監督からは『まずはボールをたくさん受けて、逆サイドを向いてくれ』というのが一番要求されているところで、それで無理なら安全にパスをつないで、とりあえずボールは絶対に取られるなと言われています」

アンカーで必死にプレーしてきた熊谷だが、第16節・愛媛戦でスタメンから外れると、その試合を含めて4試合連続でベンチスタート。交代出場時にはインサイドハーフでプレーした。しかし、公式戦3連戦の2試合目となる6月21日の天皇杯2回戦・東京V戦で、アンカーとしてスタメンに復帰。その試合での熊谷は特に守備時の出足が鋭かった。球際で体を張って果敢にスライディングタックルを仕掛け、ボール奪取の動きにキレがあった。チームが1-0で勝って3回戦進出を決めると、6月25日のJ2第20節・岐阜戦でも熊谷はアンカーでスタメン出場。4失点と守備面に課題は残ったが、今季のチーム最多の6得点でチームは壮絶な点の取り合いとなった一戦を制して、今季初の公式戦連勝を達成した。6月29日の練習後、改めて天皇杯でのプレーについて聞くと、熊谷はこう答えた。

「最近は試合にスタメンで出られていなくて、外から試合を見ていてアンカーで出ている(佐藤)勇人さんのプレーを見ていると、勉強というか自分に足りないところが見つかったので。そういうところを改善するために意識しながらやっていました。今はボールが取れているので、そこはいいかなと思います。でも、攻撃のところでもう少し顔を出してパスを散らせればいいんですけど、なかなかそこができていないので頑張りたいです」

昨季は金沢に期限付き移籍で加入してプレーした経験を持つ熊谷は、期限付き移籍選手ならではの難しさも感じながらプレーしている。
「見ている方々の勘違いというか、『結局、レンタル(期限付き移籍)だろ』と思われることが多いので。そうやって思われないように、最初からハードルが上がるというか、普通の選手の倍くらい活躍しないと認めてもらえないと思うんです。今年はジェフに来させてもらったので、絶対にJ1に上がるつもりで毎試合やっています。1試合、1試合、いや、1回、1回の練習もちゃんと全力で取り組むようにしています」

フアン エスナイデル監督は科学的なデータの数値を含めた選手のコンディションを重視して、練習参加や試合出場を決定する傾向が強い。毎試合スタメンが確約された選手がいないといえるだけに、今節で熊谷がスタメン出場するかはわからない。だが、J2リーグ戦での今季初の連勝がかかる一戦でもあり、熊谷の試合にかける思いは強い。
「連勝しないと上位に行けないと思うので、そこは意識しながら目の前の試合を全部勝てるようにやっていければいいかなと思います」

『期限付き移籍だから』という前置きがない評価を目指して、熊谷はピッチに立っている。

文:赤沼圭子(千葉担当)


明治安田生命J2リーグ 第21節
7月1日(土)18:00KO フクアリ
ジェフユナイテッド千葉 vs 大分トリニータ