【千葉 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:「サッカーって難しい」と痛感する佐藤優也が止まった風車を回そうとする

2017年7月21日(金)


今季、フアン エスナイデル新監督のもと、ハイライン&ハイプレスというチーム戦術で戦う千葉の中で、注目を浴びている選手の1人がGKの佐藤優也(写真)だ。開幕当初の千葉は極端といってもいいほどディフェンスラインを高く上げ、前線からチーム全体をコンパクトにして前からボールを奪う守備を採用していた。ディフェンスラインの裏の広大なスペースをカバーする佐藤は、ペナルティエリアの外に飛んできたロングボールをヘディングでクリアしたり、時にはタッチライン際近くのボールをスライディングでクリアしたりと大奮闘。その運動量は通常のGKのプレーの倍以上と思えるほどだ。それでも、佐藤は黙々と自分に課せられたプレーに取り組み、チームメイトを鼓舞しながらチームとして、そして選手個人としても攻守両面のレベルアップを図っている。

東京Vの正守護神ながらも『新しい挑戦』として千葉に移籍した昨季は、千葉でのGKの練習メニューとの相性の問題もあって、自分のコンディションやパフォーマンスを上げづらく難しいところがあったようだった。そのためミスが目立つ試合もあったが、「初めて自分のプレーを見た人には、『何だ。あのGKはヘタクソだな』って思われたとしても、何も言い訳にならない」と話し、昨季の途中の指揮官交代でコーチングスタッフが代わると、徐々に彼本来の持ち味である状況判断力や1対1の強さを発揮してきた。

そして、今季はGKに負担が大きいチーム戦術で状況が大きく変わった中、新チームの厳しい食事の管理のもとで以前よりもスリムになった体形で必死にプレーしている。ディフェンスラインのスタメンはよく変更になるが、佐藤は「いろいろと合わせましょう」と言って、それぞれの選手の特徴を考慮してやるべきプレーを選択。ディフェンスラインの裏に相手の選手と千葉のDFが並走してきたら前に出ないようにという原則を破って失点した第17節・岡山戦のあとは2試合スタメンを外れ、「俺のトライアウトだった」という天皇杯2回戦・東京V戦では1-0と無失点勝利に貢献すると、スタメンに復帰した。

チームは第20節・岐阜戦を6-4、第21節・大分戦を4-1、第22節・讃岐戦を4-3と、2014年10月以来のリーグ戦3連勝(第20節の前に行なわれた天皇杯2回戦を含めれば公式戦4連勝)を果たした。讃岐戦では試合終了直前に自分のファウルによって讃岐にPKを与えたが、前回対戦で木島徹也にPKを決められた場面を思い起こして木島のPKをセーブ。それでも、その3連勝に対して佐藤はこんなふうに話していた。

「結果は3連勝という形だけど、内容はたぶん今までで一番悪いようなゲームが続いての3連勝だから(苦笑)。それもサッカーのおもしろいところで、(内容と結果が)相反するところもあって、難しいサッカーの醍醐味というか『いいサッカーって何?』みたいなところですよね。勝てばいいのか? 『内容がよくても負けちゃったらしょうがないじゃん』とかよく言うけど、今、そんな感じだと思う。自分は消化不良です。でも、勝つことで得られるものはあると思うので、難しいですけど、続けていくしかないと思います」

だが、前節は爆発力を見せていた攻撃がうまく機能せずに無得点と沈黙。乾貴哉のバックパスを熊本の黒木晃平に奪われ、シュートを止めようとした佐藤はかわされて黒木にゴールを許し、0-1で敗れた。第22節終了時点で9位の千葉は、結果論ではあるものの勝っていればJ1昇格プレーオフ進出圏内の6位に浮上できたが、逆に12位へ順位を下げた。
「外から見ているとすごく簡単そうに見えても、ピッチの中では本当に難しいことがある。それでも、やっぱり結果を出していかないといけない。難しいですよね、サッカーって」

苦しい状況の時にこそ何ができるか。それを佐藤はこんなふうに話したことがある。

「いい時は本当に何もしなくても、勝手に風が吹いて風車(ふうしゃ)が回るように、そういう形というのが表われると思う。その風車が止まった時、風がない時に自分たちでその風車の回転をどう回していくかというのを、しっかりとその状況、状況で考えながらプレーをするというのが、今、一番大切なことかな」

連勝が止まったあとで踏ん張りどころとなる今節で、佐藤は個人として、そしてチームとしてどのように風車の回転を回していくのだろうか。

文:赤沼圭子(千葉担当)


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