【山口 vs 熊本】 ウォーミングアップコラム:来日初戦で初得点のレオナルド ラモス。形にこだわらず、目指すは勝利へのゴール

2017年8月4日(金)


前節横浜FC戦の後半からピッチに立ち、さっそく1ゴールを挙げたレオナルド ラモス(写真)。7月19日に初めて山口のトレーニングに参加し、その10日後にはネットを揺らした。「絶対に決めないといけないと思った」。渾身の一蹴りがゴールを突き、山口は負けはしたものの1-2で試合を閉じ得失点差の傷をマイナス1にとどめた。

南半球の気候は真逆。いま真冬のアルゼンチンから来日した選手にとって悩ましいのはコンディション調整。ラモス自身、「夏場のこの時間帯(午前中から昼にかけて)に練習することはアルゼンチンでもなかった。慣れないといけない」と語る。ただ、新天地での生活とスケジュールに慣れてしまえば、本領発揮への障壁に想像するほどの高さや厚さはない。カルロス マジョール監督もラモスも「アルゼンチンも蒸し暑いので気にならない」と口を揃え、ヨーロッパ出身の選手が戸惑うようなじめじめとした日本の暑さは乗り越えられそう。フィジカルの強さを生かし、ストライカーとしても、ポストプレーヤーとしても、求められる役割を発揮したい。

横浜FC戦では佐藤健太郎の縦パスに抜け出てシュートを振り抜いた。練習でやっていた形ではなかったが、競り合った中からパスを出せた佐藤の技術と、チャンスを逃さないラモスの才覚がうまく融合。「中盤の選手たちが頑張っていいボールを出してくれた。きれいに決めることができて良かった」と練習期間の短さを感じさせないほどに息が合った。このゴールが示すように、ラモスのチームへの浸透は早い。練習では豪快にボレーシュートを決めたり、ヘディングでは山口の長身DFと対等以上に渡り合い、指揮官は「ラモスの加入で攻撃のバリエーションが増やせる」と手応えを得ている。

それでもポジションが常に約束されているわけではない。ストライカーとしては岸田和人には抜きんでた特徴があり、大石治寿や岡本英也なども競争に絡む。ラモスも傲りのひとかけらも見せず、「山口に来てからまだ日は経っていないが、チームメイトに少しでも自分の特徴を知って貰えるように頑張っている」とシュートや前線からのプレッシャーにはつらつと臨んでいる。それは彼本人の根っからの良さでもあるのだろうが、一生懸命にプレーすれば確かに特徴は伝わるだろうし、何よりパサーが得点を託したくなる。山口でのプレーを通して「人として、人間として成長していきたい」と、謙虚にも熱くサッカーに挑む姿が頼もしい。

求めるのは格好良さではなく、チームの勝利だ。ラモスに「ヘディングや脚でのシュート。そのどれが最も得意か」と聞くと、翻訳する通訳の横で一番の笑みを浮かべた。「ヘディングでも、脚でも。肩に当たっても、背中でもいい。ゴールはゴール。どんな形でも構わないんだ」。今節はチームの連敗ストップが懸かる。2試合連続ゴールで、今度はスタジアム全体に笑みを届けてみせる。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第26節
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レノファ山口FC vs ロアッソ熊本