【山口 vs 群馬】 ウォーミングアップコラム:声を張る鳥養祐矢、「士気高め一つの方向へ」。徳地で誓う原点回帰

2017年8月15日(火)


13日はJFL時代までの主練習場になっていた「やまぐちサッカー交流広場」(山口市徳地)の人工芝ピッチで汗を流した。新加入選手や移籍選手などのニュースが重なり、市街地から離れた場所にもかかわらず約300人が練習を見学。原点回帰が求められる山口イレブンにとって、貴重な時間となった。

「3、4年前はお客さんも数えるほどしかいなかったが、今日はこんなにたくさんの方が観に来てくれた。本当に僕らはここからスタートしている。改めて初心を忘れてはいけない」。目を細めたのは山口に来て4年目のシーズンを送るキャプテン・鳥養祐矢(写真)だ。ともに練習していた仲間の多くが去り、今年は指揮官も交代。この日はJ2昇格を喜び合った一人、香川勇気が長崎へと巣立った。鳥養は「ここで一緒にやっていて移籍していった選手は多いが、今の順位ではそのみんなに申し訳ない。必ず残留し一つでも高い順位に行けるようにしたい」と語気を強める。

千葉の下部組織で育った。前節はその千葉と戦い、「覚えてくれる人たちがいたのが嬉しかった。もっと自分らしいプレーをして恩返しをしたかった」と振り返る。試合では後半途中から小塚和季と岸田和人がピッチに立つと、鳥養も持ち前の上下動を発揮。前線でのボールポゼッションが息を吹き返した。「コヅ(小塚)が入ってきてああいうサッカーができるのは僕らも楽しいし、得点を取れる匂いがする」。お家芸とも言える前線での流動的なパス交換は、得点に繋がるPKを呼び込んだ。

一方で得点した時間帯のサッカーは、サイドを広く使い長いボールを絡めるカルロス マジョール監督の戦術通りというわけではなかった。鳥養は「(戦術が)マッチしていないのはやっている僕らも感じている。バランスがうまく取れていない」と明かし、「これまでのサッカーとカルロス監督の考えるサッカーとが両方うまくいければ、いいチームになる。時間が掛かるなどと言っている場合ではない。一日も早く浸透させたい」と話す。

徳地の練習場に来て、自分たちの原点は否が応でも脳裏に浮かんできた。輝く目で上のリーグを目指し、手を抜くことなく走っていた時代の面影。それはまだ、残り香という言葉以上に強く深く身体に染みついている。「上野さん(上野展裕前監督)が言っていた全員攻撃、全員守備。その意識をみんなが持って、全員で攻め、全員で守ることが必要だ」。前節も試合中に厳しい言葉をチームに飛ばした。「けんかになりそうでもそれを求めないといけない。シビアな状況にある。全員の士気を上げて、一つの方向に向かわせたい」。

今節は22位の群馬を維新公園に迎える。「向こうも強い気持ちでくる。受け身になってはだめだ」。人工芝や土のピッチを駆って走ったチャレンジャー。原点を胸に、新しいサッカーと伝統のスタイルで勝ちにいく。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第28節
8月16日(水)19:00KO 維新公園
レノファ山口FC vs ザスパクサツ群馬