【琉球 vs 福島】 ウォーミングアップコラム:沖縄がプロサッカー選手としての原点。勝利を渇望する知念雄太朗の挑戦

2017年8月18日(金)


昨年の5月から試合に出場し続け、今季は全試合先発出場。田辺圭佑とともに琉球になくてはならないボランチの一角として牽引する知念雄太朗(写真)。足元の技術に長けドリブルも得意とするそのプレースタイルは、常に中盤の底でプレーするのではなく、積極的に前に出てゴールに絡む形を作り続けている。
「去年チームに入った時はケガ人が多くて、その穴を埋める上で(金鍾成)監督にボランチで使ってもらいました。初めの頃は、周りとの連携や技術面の乏しさを感じてて、自分でもわかるぐらい足を引っ張っていた感はありましたが、試合に出ることでだいぶ成長できたと感じています。今は自信をもってプレー出来ています」。

普段知念に対しては辛口の指揮官も最近の知念の働きには目を細めていた。「プレーにブレが無くなりだいぶ安定してきたんじゃないかな。うちには計算しづらい選手が多いんだけど、知念と田辺は落ち着いてきた。期待値は、2%ぐらいだけど(笑)」(金鍾成監督)

指揮官が求める知念のプレー像は「点の取れるボランチ」。昨年はゴール前で数多くのシュートシーンを作りながらも点に結びつかず、1ゴールにとどまった。「ボランチでも年に3~4点とれる選手がチームにとっても理想だと思いますし、意識というか攻撃に厚みを加えるために結構前に出てるんですけどなかなか取れないんで壁に当たってる感じです。チャンスボールにきちんと対応できるようにしないといけないですね」。

知念は東京で生まれ、中学入学に合わせて沖縄へ。卒業後は京都サンガU-18に入り、大学は立命館大学に進学した。「親は沖縄の出身で、僕の生まれは東京。サッカー人生で言えば関西で育った感があります。ただ、沖縄に来なかったら今自分はここにいなかったはずです」。中学生の時、沖縄のクラブチーム「ヴィクサーレ沖縄」に所属していた知念は、当時総監督を務めていた加藤久氏と出会う。「久さんのおかげでいろんなJクラブチームと対戦することができてレベルの高さを痛感しました。もっと高いレベルでプレーしたいとの思いが強くなっていき、久さんもそれを感じ取ってくれて、久さんがその後監督を務めた京都に行くことになりました。当時の同期には、久保裕也(KAAヘント)や原川力(鳥栖)、1つ上には駒井善成(浦和)と上手い人がたくさんいて、最初は大変でしたがそこで過ごした3年間は自分が一番成長してスキルが上がった時期だと思う。それがなかったら立命館大学にも行ってないでしょうし琉球にも入ってない。久さんとの出会いは僕にとって人生の分岐点になったと思います。極論、東京から沖縄に引っ越さなければ久さんにも会えなかったわけですし。いろんなきっかけを通して今の自分があると思うと面白いですよね」。

前節の長野戦では先発フル出場を果たすも0-1で敗れ、チームの無敗記録も10で止まった。「10試合負けませんでしたが勝てなかった試合が多くて、内容もそうですが勝っていかないと力にならない。長野戦を落としたら優勝争いは厳しくなるとわかっていながら負けてしまった。相手GKが良かったというのもありますが、現状として勝ち切る力がなかった。ある意味、今のチームの力を改めて感じることができたと思っています」。

長野戦のあと、チームは1週間のオフに入ったが知念はフィジカルトレーニングを重点的に行い追い込んでいた。次の福島戦に向けて体調は万全だ。「福島戦は年に一度の全島サッカー1万人祭りの当日でたくさんの人がスタジアムに足を運んでくれると思います。この試合に勝つことができれば今後の集客にも繋がると思うので絶対に落とせないですね。J2に上がれるチャンスがチームにはあるのでモチベーションは高い。上位チームに離されかけている中、チームの力が試される時期だと思う。しっかりと勝ち切って力を見せつけられるよう勢いに乗れるよう今シーズンを戦い切りたいです」。

様々な出会いを通じて今なお成長し続ける知念雄太朗。沖縄出身を誇りにし、琉球のために戦う彼の姿を見逃すな!

文:仲本兼進(琉球担当)


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