【山口 vs 大分】 ウォーミングアップコラム:いま必要な運動量とタフネス。星雄次が表現する山口スタイル

2017年8月25日(金)


2試合連続でベンチに入り、復調の兆しを見せている星雄次(写真)。鋭い上下動で攻撃のリズムを出せるスピードスターの活躍は、浮上の扉を開ける鍵のひとつだ。「自分が出たら運動量の部分を出さないといけない」。求められている役割を自認する星が、持ち味を発揮すべき時が近づいている。

星は5月の山形戦で肉離れを起こして離脱。一度は復帰を果たし、6月30日掲載のウォーミングアップコラムでも星の言葉を紹介したが、その後もコンディションが上下。慎重に回復に努め、8月にトレーニングに再合流した。「コンディションは徐々に上がってきている。出たらやれる自信はある」と2節前からはベンチに名を連ねるまでに復調し、ピッチ投入も秒読み段階にある。

サイドバックやサイドハーフなどでプレーする機会が多く、サイド攻撃をベースにするカルロス マジョール監督の戦術でもキーマンとなりうる存在だ。言うまでもなく、走って、ボールに触って、ゲームを動かすという従来の山口スタイルの体現者でもある。その星が「これまでレノファは繋いでくるチームが相手も関係なかったが、今は逆になっている」と表情を険しくした。前節が運動量で明らかに劣っていただけに、チームを目覚めさせる汗が必要。誰よりも走れるタフネスは星の真骨頂であり、山口のエンジンとなる。

走って疲れようともボールに触っているほうがいいという星。ベンチから見つめた前節を「前に急ぐのも判断としては必要だが、そういうところで簡単に失ってはいけない。自分が入ったなら繋ぎの部分や溜めを作る動きがきればいいなと思いながら見ていた」と振り返った。何でもないプレーからのボールロストが目立ち、前向きな走りができていない。後ろ向きのランニングは精神的にも疲れるばかりで、「運動量は出したいがボールをあれだけ握られると厳しい。奪ったボールを大事にしないといけない」と強調する。

守備から入ったり、前を張るレオナルド ラモスにボールを預けたりするサッカーは山口のプレーヤーとしては初めて。それがはまる試合もあり、前節も立ち上がりは機能した。ただ相手に対策されたあとの手がないのは前節のスコアが示すとおり。星は「個人の力を出そうにもボールを持っていないと何もできない。もうちょっとボールを落ち着かせたい」と意気込みを語り、ポジションの近い選手たちと意見を交わして共通理解を深める。キックを得意とするGK吉満大介とも仲が良く、同時に出場できたならば、新しいホットラインも見せられそうだ。

今節は大分をホームに迎える。山口はメンバーやシステムを相手に応じて変化させているため、星が出る確約はまだない。ポジションも様々に考えられる。とはいえ求められる仕事を愚直にやり、誰よりも走ってチームを動かさなければ、浮上への一歩は踏み出せない。「サイドで数的優位になったり、起点が作れれば楽にできる。自信を持ってやりたいし、出たらしっかり動きたい」。もう一度、山口らしく。星雄次らしく。汗が勲章となる。

文:上田真之介(山口担当)


明治安田生命J2リーグ 第30節
8月26日(土)19:00KO 維新公園
レノファ山口FC vs 大分トリニータ