【町田 vs 金沢】 ウォーミングアップコラム:ストライカー?超大型ゲームメイカー? 戸島章の晩熟すぎる成長曲線

2017年10月14日(土)


筆者は以前から「190センチ超のFWは高卒5年目以降にブレイクする」という説を唱えている。例えば現在はガンバ大阪のエース格であるFW長沢駿も、実はプロ入り後の4年間でリーグ戦に7試合しか出ていない。元日本代表のFWハーフナー・マイクもプロ入り4年目の途中に鳥栖へ期限付き移籍で出てから飛躍し、5年目にJ2得点王となった。

それ以上の超晩熟型キャリアを送っているのが戸島章(写真)だ。戸島は現在プロ8年目。成立学園からジェフ千葉に入ったが、5年目まではリーグ戦出場歴がJFL(ジェフリザーブス、藤枝MYFC)の12試合のみだった。

6年目の15年に当時J3の町田へ加入すると17試合3得点とようやくプロらしい数字を残す。7年目の昨季はJ2で29試合に出場した。ただし途中出場が大半だったこともあり0得点。まだ「周りから頼られる」ような存在ではなかった。それが8年目の今季は第5節・金沢戦でようやくのJ2初ゴールを挙げるなど、ここまで28試合4得点と存在感を増している。

戸島は他にあまりいないタイプのアタッカーだ。登録こそFWだが、今季は主に左サイドハーフの位置で重用されている。町田に加入した直後は「大柄なのに競り合いが弱い」という残念系ポストプレイヤーだったが、昨年あたりからボールが収まるようになってきた。この3年間でも身体がはっきりと大きくなり、また身体の使い方が向上している。

本人はこう説明してくれた。「相手が来るところに身体を入れてボールをキープすることができている。相手が足を出してきたところに身体を入れると、相手はもう足を出せなくなる。ボールを持てるようになってきたので、もっと前に供給できたらチャンスになると思う。そこはスルーパスなりシュートを狙っていきたい」

町田のサッカーは「縦に速い」と評されるが、戸島という落ち着きどころはいいアクセントになっている。戸島が周りの攻め上がる時間を作り、それだけでなく今季は「いなす」「運ぶ」というプラスαも出せるようになっている。元からボールタッチの柔らかさは持っていたのだが、それを試合の中で活かせるようになった。

町田のサイドハーフは前後へのプレス、横へのスライドと守備面の仕事が多い。彼は前節・長崎戦について「自分がプレスに行けなくなって相手に裏を取られ始めていた」と反省を述べていた。68分でベンチに下げられた理由もそこにあるのだろう。

ただ190センチ超の体格を持ちつつ、サイドハーフが務まるモビリティを兼ね備えているのは彼の強み。そういった攻守のベースがあるから彼はJ2でレギュラーに定着している。

ストライカーというよりは「超大型ゲームメイカー」のような路線に落ち着きつつある戸島だが、打点の高いヘッドや、しなやかなボレーという武器も秘めている。もう一皮むけてチャンスメイクだけでなく自ら「ゴールを奪う」部分が強みになれば、年俸の桁も変わってくるだろう。

もしかすると彼のおっとりしたキャラクターが「ストライカー化」を阻んだ部分があるのかもしれない……。ただ人間万事塞翁が馬。程よい「マイペースさ」が試合に出られない5年間で彼の気持ちが折れなかった理由でもあろう。試合に出られない時期も戸島は「練習とかをしていても、全然できるなという自信はあった」というから、そういう気性はプロ向きだ。

「これくらいではブレイクのうちに入らない」「8年目じゃ遅すぎる」という思いもある。「大器晩成」というほど突き抜けた結果を出しているわけではない。一方で戸島が「プロ入り6年目から3シーズンで大きく伸びた」「まだじわじわ成長している」という成果と過程が嬉しい予想外だったことも事実だ。

15日に対戦するは町田が一度も負けたことのない、戸島にとっても記念すべき「J2初ゴール」を奪ったゲンのいい相手だ。ぜひ皆様にはそんな一戦で、彼の晩熟な進化を確かめて欲しい。

文:大島和人(町田担当)


明治安田生命J2リーグ 第37節
10月15日(日)15:00KO 町田
FC町田ゼルビア vs ツエーゲン金沢
町田市立陸上競技場(FC町田ゼルビア)
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