【北九州 vs 栃木】 ウォーミングアップコラム:リスタートのチームを支える西嶋弘之。求めるは「心技体」

2017年11月4日(土)


前節のG大23戦でセットプレーから今季初ゴールを挙げた西嶋弘之(写真)。先発選手の負傷による途中出場だったが、プロ17年目とは思えぬはつらつとしたプレーでチームを刺激した。「チームがまとまって気持ちよくサッカーし、みんなで喜ぶ。そういう姿を見せることでもサポーターへの恩返しになる。やるべきことを変えずに戦い抜きたい」。昇格の可能性が潰えようとも、ハートを揺さぶる意気でチームを引っ張り、イレブンに前を向かせている。

内藤洋平の緩く巻いて落ちるFKに頭で合わせた。決して偶然の産物ではなく、「練習からすごく要求している部分があるし、洋平もよく見てくれている」とキッカーと西嶋の息が合った。西嶋は15年2月のプレシーズンマッチ・神戸戦でも内藤のCKに頭を振ってネットを揺らしている。そのときから「軌道がすごく好き」と惚れ込んだホットライン。「自分が出たときにはエネルギーを注入して、チームを躍動させようと考えていた。それがゴールという分かりやすい形で出せた」と胸を張った。

ただ、その試合が勝点1を得るに留まったことが示すように、今季は勝利に見放され昇格は果たせなかった。「ゴールで勢いは出せたが、勝てなかったのは非常に悔しい。ゴールよりも悔しさのほうが大きい。昇格を信じて応援し、(勝利を)期待して足を運んでくれている人がたくさんいる。僕らに無駄な試合は一試合もない」。そう心の内を語り、西嶋は早すぎる「終戦」のあとの戦い方にも言及。選手個人のメンタルを高く保ち、最後まで戦う必要性を説いた。「フィジカルや戦術の準備は当然だが、メンタルも整えて戦わないと悲惨になる。失速して終わればもったいない。上向けて終わらせたい」。難しい時期にあっても心技体の「心」を欠いてはならない。

残り二つのホームゲームは上位チームとの対戦となり、特に今節は首位栃木を迎える。ここで勝利できれば、サポーターに来年こそはという勇気も届けられるだろう。キーポイントの一つは言うまでもなくメンタル。西嶋は「栃木は負けたら順位を下げるというプレッシャーが掛かっていると思うが、その分、気持ちや団結力がある。僕らはそれ以上に個人としても、チームとしても気持ちを持ってやらないといけない」と話す。今週のトレーニングでは、「個人としても、チームとしても」という己の言葉を裏付けるように、西嶋は戦術に耳を傾け、チームを鼓舞しては背中を押し、全体練習後には黙々と身体を鍛えた。戦術、フィジカル、メンタルの美しいトライアングルは勝利を近づける。

気持ちを高ぶらせてくれるミクスタで凱歌を挙げねばならない。「素晴らしいスタジアムの素晴らしいピッチでプレーでき、サポーターもいい雰囲気を作ってくれている。それは幸せなことだと思う。ゴールは感謝の気持ちを伝えるには分かりやすい形。でもそれ以上にDFとしてやるべきことをし、無失点で勝てるように仕事をした上で、点を狙っていきたい」。心技体を磨き、西嶋の心底から沸き起こる勝ちどきへの渇望が、チームを目覚めさせる。

文:上田真之介(北九州担当)


明治安田生命J3リーグ 第30節
11月5日(日)14:00KO ミクスタ
ギラヴァンツ北九州 vs 栃木SC

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