【新潟 vs 甲府】 ウォーミングアップコラム:苦難のシーズン最後に酒井宣福がたどり着いた場所。

2017年11月17日(金)


勝っても残留は他力。新潟にとって苦難のシーズンは、最終局面を迎えている。

ともすればプレッシャーで重苦しくなってもおかしくない難しい状況は、3節前のG大阪戦から続く。一戦必勝でそこから反発力を見せるチームにあって、今、ひと際ブレない姿勢を見せるのがMF酒井 宣福(さかい・のりよし、写真)だ。

日本代表でハンブルガーSV(ドイツ)の高徳を兄に持つ宣福は、県内の帝京長岡高校から新潟に加入して、はや7年目。福岡(2014-15シーズン)、岡山(16シーズン途中)への期限付き移籍で試合経験を重ねた。

前にボールを運ぶパワーが何より魅力で、左利きでありながら、右足でも強烈なボールを蹴ることができる。もともとは攻撃的な選手だ。

だがプロになってこの方、ポジションが定まらないのが個性というか、その特徴でもある。サイドハーフ、FW、ボランチ、サイドバック、シャドーの一角と、新潟で、福岡で、岡山で、さまざまな指導者が、さまざまな可能性を探り続けてきた。

岡山から復帰した今シーズン、開幕の広島戦は左サイドバックとして先発し、フル出場した。だが第6節の鳥栖戦でサブとなり、翌節からはベンチメンバーにも選ばれることなく、我慢の時期は長く続いた。リーグで次にチャンスを得たのは5カ月後の第27節・札幌戦。途中出場という形でたどり着いたポジションは、呂比須ワグナー監督が採用する4-2-3-1のトップ下だった。

細やかなテクニックというより、パワーとスピード。天才的なアイディアやひらめき、したたかな駆け引きというよりは、思い切りの良さ。そんな特徴を考えれば、トップ下はあまり縁がなさそうにも感じられる。だが、練習や練習試合で披露するシンプルかつ実用的なプレーは、意外なほど親和性を感じさせる。

「自分のストロングな部分を生かしつつ、独自なものをつくっていかないと。人のまねをしても、せいぜいその人止まりだし、越えられない」

この境地にたどり着くために、当然ながら時間も努力も要した。練習でトップ下に入るようになると、これまでの1トップ、シャドーでの経験を生かして“こんなプレーイメージかな”と模索したという。

「何をやっていいか分からない時期もあったけれど、強みを磨こう、と。自分の攻撃的な部分を信じてクロスもシュートも練習してきたし、示せることを示したい。そう考えるとサイドバックでもトップ下でも、やることは変わらないです」。自分と向き合い、浮上したたくましさがあるからこそ、チームが直面する窮地にも動じることはないと期待させるのだ。

甲府を率いる吉田達磨監督とは、昨シーズン、7月に岡山に移籍するまで新潟で共に戦った。当時、吉田監督に与えられたポジションは、右のサイドバックだった。

現在、トップ下で先発を続ける小川佳純とは明らかにプレーのスタイルが違う。「相手に囲まれているときはシンプルに、自分で行けるときは自分で行く。そこまでトップ下のプレーに悩むことはないですよ(笑)。自分らしさを出せるし、やっていて純粋に楽しい」。“ベスポジ問題”に終止符を打つ躍動に、にわかに期待が膨らむ。

文:大中祐二(新潟担当)


明治安田生命J1リーグ 第32節
11月18日(土)14:00KO デンカS
アルビレックス新潟 vs ヴァンフォーレ甲府
デンカビッグスワンスタジアム(アルビレックス新潟)
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