【湘南 vs 町田】 ウォーミングアップコラム:端戸仁、チームの勝利のために。

2017年11月18日(土)


1点ビハインドのまま迎えた87分だった。ゴール前の混戦のなか、端戸仁(写真)が押し込み追いついた。「オフサイドの旗が上がったり、しっかりネットを揺らせなかったり、なんとも言えない感じだけど」そう苦笑交じりに振り返った一連は、待望の今季初ゴールだった。

これほどゴールの遠いシーズンはかつてなかったという。
「12,3試合やってまだ0点だったときに、ほんとに一生取れないんじゃないかとさえ思った。得点って考えれば考えるほど入らないし、かといって取りにいかなければ絶対入らないものだし、正直不安は毎試合あった」

ただ、もちろん数字だけでチームへの貢献度は測れない。とりわけ最終ラインが攻撃を喚起し、前線がボールを奪う守備を牽引する湘南にあって、仲間を助けるフリーランやスペースを埋めるポジショニングなど、数字には表れにくいそれぞれの責任感が得点や無失点に通じている。曺貴裁監督も折に触れ語っていることだ。

端戸も例外ではない。シャドー、ときに最前線で攻守に駆ける。第26節松本戦、高い位置で二度追いし、ボールを奪うや山田直輝のゴールをアシストしたシーンも記憶に鮮明だ。

自身の数字には届かぬ納得も、言葉には微かな自負も覗く。
「個人の結果はよかったと言えるものではないけど、チームの勝利が第一で、そのことだけを考えてやれたからこそチームがこうしてJ1に上がることができ、なおかつ優勝できたのかなと思う。その意味ではいいシーズンだったと思う」

今季最終戦となる今節はホームに町田を迎える。前回の対戦は第12節、彼らの激しい球際やセカンドボールへの素早い反応に苦しめられ、スコアレスドローで決着した。背番号17も、とくに前半はタフな寄せに手を焼き、フル出場の90分に課題を見出したものだった。

あれからおよそ6カ月、つねにチームは失敗を糧に歩を進め、一度も連敗を記すことなく最終節を迎える。「自分のプロ人生でたぶん初めて。負けたあとにみんながものすごく集中したってことですよね」。チームの歩みに触れつつ、端戸は週末を見据える。
「1年を通してみんなで練習した結果成長できたと思うし、シーズン前半と比べると自分たちが強くなった感覚がある。最後のゲームでいちばん強くなったと思われるようにと、曺さんもシーズンが始まった頃に話していたし、モチベーションが落ちている選手も気を抜いている選手も誰ひとりいないと思う。優勝が決まってからまだ勝ってないし、町田にも勝ってないですし、最後勝って終わりたい」

離脱していた選手の怪我も癒え、競争はいっそう激しさを増している。誰がピッチに立つかは分からない。ただ端戸然り、誰が出てもチームの勝利のためにプレーすることは分かっている。

文:隈元大吾(湘南担当)


明治安田生命J2リーグ 第42節
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