【沼津 vs 琉球】 ウォーミングアップコラム:吉田謙監督が兼ねそなえる、インテリジェンス&パッション

2017年11月18日(土)


第31節を終えて勝点54の3位と、J3で旋風を巻き起こしているアスルクラロ沼津。リーグトップの58得点を叩き出したチームを率いているのが、トップチーム就任3年目の吉田謙監督(写真)だ。99年から長らく育成年代の指導者を務め、15年よりトップに就任。16年にはJFLを3位でフィニッシュし、沼津をJ3昇格に導いた。

育成年代の指導では丁寧にパスをつなぐサッカーを志向していたという。しかし、今の沼津はロングボールとクロスというシンプルな戦法をとる。その違いについて、吉田監督は「サッカーの本質、人間の本質は、育成年代でもトップでも外れてはいけない」と前置きした上で、「大人はやはり結果が求められる。そこに対してゴールへ向かう強さは、子どもたちのときよりも求めています」と話す。状況に応じて戦術を使い分けできる柔軟性が、今の沼津の躍進を導いている。

ところで、試合後の記者会見で、吉田謙監督が必ず最初に発する言葉がある。「静岡県東部地域の皆さまと共に」だ。勝利すればその方々のサポートに感謝し、敗戦になれば申し訳ないと陳謝する。会見にとどまらず、記者がレコーダーを回さずに他愛ない話をするときでさえ、地域の方、サポーター、チームスタッフ、コーチ陣、選手たちへの感謝がにじみ出たコメントを残す。その語り口調は、戦術や試合のことを話すよりも強い。それほどまでに東部地域のことを思い、アスルクラロ沼津、ひいてはサッカー文化を根付かせたいという思いが伝わってくるのだ。

采配で見せるインテリジェンス、地域への熱いパッション。吉田監督はその両方を非常に高い質で兼ね備えている監督と言えるだろう。リーグ戦は残り3試合、沼津がどこまで走り続けるのか、注目したい。

文:中村僚(沼津担当)


明治安田生命J3リーグ 第32節
11月19日(日)13:00KO 愛鷹
アスルクラロ沼津 vs FC琉球
愛鷹広域公園多目的競技場(アスルクラロ沼津)
みんなの総合評価 (3.2)
臨場感 (3.5)
アクセス (3.0)
イベント充実 (3.2)
グルメ (3.5)
アウェイお楽しみ (3.0)

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