【横浜FC vs 福岡】 ウォーミングアップコラム:群馬から千葉、そして横浜へと駆け抜ける、“右サイドの走り屋”北爪健吾

2018年4月7日(土)


前節の金沢戦で0−4の大敗を喫した横浜FC。前半は良い時間帯もあったが、前半終了直前にCKから失点し、後半開始直後にもCKから失点すると、チームは意思統一を失い、惜しい場面も作れないままさらに2失点を献上。タヴァレス監督も「私のキャリアの中で0−4というスコアで負けたのはここ15年記憶にない。あれから2日間眠れなかったし、2日間食べ物が喉を通らなかった」という。

そんな試合の中で気を吐いた一人が、金沢戦が今季初スタメンとなった右サイドバックの北爪健吾(写真)だ。前橋育英高校から専修大学に進み、専修大では1年次から右サイドバックのレギュラーとして関東大学サッカーリーグ4連覇に貢献。大学ナンバーワン右サイドバックとして鳴り物入りで2015年にジェフユナイテッド千葉に加入したものの、定位置を確保できず、新天地を求めて今季横浜FCに完全移籍した。
武器は50メートル5秒85の圧倒的なスピードと、90分間衰えないスタミナ。筆者は彼の千葉でのルーキーイヤーを見ているが、プレシーズンの練習試合、それも終盤に、右のオープンスペースに出されたパスにロングスプリントで追いつき、あまりのスピードに観客がどよめいたのを憶えている。
走るだけでスタンドを沸かせられる選手であり、しかも最後まで走りきれる。金沢戦でも、時間を追うごとに内容が悪くなっていくチームにあって、北爪は尻上がりに調子を上げた。73分、果敢に縦に仕掛けDFを振り切ってクロス。75分、金沢のロングボールからセカンドを拾われ、サイドに展開されるところを猛追しスライディングでカット。そして圧巻は81分、寄せてくる金沢のサイドハーフと肩をぶつけ合いながら突進し、縦のコースを切りにきたサイドバックの右を抜くようにボールを出して、自身はその左を駆け抜けてボールと合流する、いわゆる“裏街道”を披露。これには劣勢の中で消沈気味の横浜FCサポーターが大いに沸いたのはもちろん、目の前のメインスタンドで目撃した金沢サポーターもどよめいた。
そのプレーについて北爪は、「今まで出してこれなかったプレーだったし、ああいう思いきったプレーを出せたというのは自分にとっても自信になる」と語った。特に彼にとって、ニッパツ三ツ沢球技場のピッチとサポーターの距離の近さが、そうしたプレーを後押ししてくれるのだという。
「やればやっただけ盛り上がってくれるし、すごくやりがいがありますね。自分のランニング、スピードで沸いてくれるというのは非常に楽しいので、歓声が上がるようなプレーをもっともっと出していきたい」。

ただ、いくら前節いくつかのプレーで観客を沸かせたといっても、彼が定位置を確保できたわけではない。開幕から第5節までスタメン出場を続けた藤井悠太への指揮官の信頼は厚く、現状では右サイドバックの2番手であり、その序列を上げるも下げるも、「目の前の1試合1試合」にかかっている。
「出場した試合でインパクトを残し続けることが、次のゲーム、その次のゲームにつながっていく。やれることは少ないけど、良い準備をして自分らしいプレーをしたい」
前半であればメインスタンドの、後半であればバックスタンドのサポーターの皆さんには、ぜひ目の前のタッチライン際を疾走する背番号14の動きに注目してほしい。掛け値なしに、その圧倒的なスプリントを見るだけでもチケット代の半分くらいは元を取れるだろう。「うおー、速ええ!!」と思ったら、そのま大声で口に出すか、盛大にどよめいていただきたい。その反応に煽られて、右サイドの走り屋は、さらに異次元の加速を見せてくれるはずだ。

文:芥川和久(横浜FC担当)


明治安田生命J2リーグ 第8節
4月8日(日)14:00KO ニッパツ
横浜FC vs アビスパ福岡
ニッパツ三ツ沢球技場(横浜FC)
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